イフェンプロジル酒石酸塩

成分名

イフェンプロジル酒石酸塩

適応症状

・脳梗塞後遺症
・脳出血後遺症に伴うめまいの改善

簡易説明

イフェンプロジル酒石酸塩は、脳梗塞で受けたダメージで悪くなった脳の血流の循環をよくし、酸素や栄養を送りやすくすることで脳梗塞後のめまいや意欲の低下を改善する作用があります。またエネルギー代謝の改善や、血管内の血液の凝固を防ぐ作用もあります。98年の再審査により効能が整理され、正式な適応症は「脳卒中後遺症に伴うめまいの改善」です。

処方可能な診療科目

内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg約8.7円/20mg約10.5円
薬代1細粒あたりの目安:1g4%約19円
薬代後発薬1錠の目安:10mg約5.7円/20mg約5.9円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 1979年4月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

セロクラール錠10mg/20mg【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

イフェンプロジル酒石酸塩錠10mg/20mg「サワイ/ツルハラ/YD/日医工/トーワ/あすか」【製薬メーカー:沢井製薬/鶴原製薬/陽進堂/日医工/東和薬品/あすか製薬】

効果・作用

イフェンプロジル酒石酸塩は、脳血管を広げる作用があります。
血管が広がることで脳内の血流の循環を良くなり、脳に十分な酸素や栄養を送ることが可能になります。
これにより、脳梗塞後にうけたダメージにより生じためまいや意欲の低下を改善します。このことから「脳循環改善薬」と呼ばれてます。
また、NMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体拮抗作用があるため、適応外使用で慢性疼痛に使われることもあります。

▼薬理作用
脳梗塞では脳の血管の一部が詰まり、脳細胞に十分な血流が届かず、脳細胞がダメージをうけた状態になります。
脳の血流が悪くなっている状態では、脳から適切な指令が伝わりにくく、それにより「めまいや意欲の低下」などの症状がおこる場合があります。
脳血管を広げ血流をよくすることで脳循環を改善し脳にエネルギーや酸素が送られ、脳梗塞後の諸症状の改善が期待できます。

▼作用機序
脳卒中は脳の血管が破裂する脳出血や、血管が詰まったり脳梗塞する病気です。
これにより血流が滞ります。脳は栄養や酸素を必要とし、少しでも血流が滞ると脳細胞は死んでしまいます。
脳細胞が一度死ぬと、二度と再生しないといわれており、脳梗塞後に後遺症が残ることがあります。脳血流の悪い状態が続くと、めまいや意欲の低下などの症状を生じやすくなります。
そこで、脳血流の循環を改善させることができれば、これら諸症状を抑制できることが分かります。
脳血管を拡張させることで、血管の筋肉に直接働きかければ、エネルギー代謝を改善できます。

▼特徴
血小板凝集抑制作用
血管内の血液の凝固を防ぐ作用です。
血小板は血栓を作るときに重要な物質であり、これによって血栓が作られます。ただ、血小板が血管の中で固まってしまうと、異常な血栓を生じます。
これが脳に飛ぶと脳血管を詰まらせて脳梗塞を引き起こします。そこで、血小板による血栓が作られないようにすれば脳梗塞が起こるのを抑制できます。

▼血管収縮スイッチ
血管には毛間収縮に関係するスイッチがあります。このスイッチを「α受容体」と呼びます。α受容体を遮断すれば、血管収縮が行われなくなります。
イフェンプロジル酒石酸塩は、α受容体を阻害する働きがあり、血管の血流を改善します。

▼イフェンプロジル酒石酸塩とめまい
めまいは耳が原因、脳が原因、血圧が原因の3つのタイプに分けられます。
耳が原因⇒耳石が三半規管に入ってしまって起こる良性発作性頭位、内リンパ液が増え耳が圧迫したりするメニエール病などが原因です。
脳が原因⇒脳梗塞や脳出血、椎骨動脈の循環不全、前庭神経や脳の主要が原因です。
血圧の変動が原因⇒座ってる状態から立ち上がる際に起こる起立性低血圧が原因です。

▼脳梗塞の後遺症のめまい
脳梗塞の後遺症として起きるめまいは、大きく分けて2種類あります。
①浮動性のめまい
フワフワする感覚のめまいです。脳梗塞をはじめとする脳疾患で引き起こされるめまいは、主にこちらが多いと言われています。高血圧や脳血管の硬化性変化によって起きることもあります。
②回転性のめまい
グルグルと目が回る感覚のめまいです。めまいの強度が強いこと、体のバランスを保ちにくくなることなどが特徴です。「前庭神経核」にダメージを負った場合に現れます。

▼他の脳循環改善薬
ケタス
サアミオン
セロクラール

使用方法

1回20mgを1日3回毎食後経口投与してください。

副作用

主な副作用
過敏症、口渇、悪心、嘔吐、食欲不振、胸やけ、下痢、便秘、頭痛、眩暈、発疹

その他の副作用
皮膚そう痒感、動悸、AST上昇、ALT上昇、口内炎、腹痛、不眠、眠気、立ちくらみ、頻脈、顔面潮紅、のぼせ感、貧血、顔面浮腫、上肢のしびれ感、下肢のしびれ感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■妊婦/授乳者
■頭蓋内出血発作後止血が完成していない
■イフェンプロジル酒石酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方セロクラールは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼セロクラールの有効成分
イフェンプロジル酒石酸塩
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、エチルセルロース、酸化チタン、マクロゴール400、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、シリコーン樹脂、カルナウバロウ

使用に注意が必要な方
■高齢者
■新生児/乳児/幼児/小児
■心悸亢進
■低血圧
■脳梗塞発作直後

上記にあてはまる方は、イフェンプロジル酒石酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
イフェンプロジル酒石酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・出血傾向を来すと考えられる薬剤
・ドロキシドパ

上記を使用している方は、イフェンプロジル酒石酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
イフェンプロジル酒石酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
副作用の発現率はどのくらいですか?

副作用発現率は2.8%(289/10,212)であり、主な副作用は口渇0.33%、悪心0.27%、食欲不振0.26%、発疹0.26%、AST(GOT)の上昇0.20%等であった。

イフェンプロジル酒石酸塩錠

【上記引用元:沢井製薬株式会社】

効果がなくてもずっと使ってればいつかは効果でますか?

本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。

イフェンプロジル酒石酸塩錠

【上記引用元:沢井製薬株式会社】

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