ペリンドプリルエルブミン

成分名

ペリンドプリルエルブミン

適応症状

高血圧症

簡易説明

ペリンドプリルエルブミンン錠は商品名コバシル錠2/4mgと呼ばれ、高血圧治療剤になります。その作用は持続性組織ACE阻害剤として働きます。
ペリンドプリルエルブミンはSH基を有さないプロドラッグです。生体内において活性代謝物であるジアシド体のペリンドプリラートに変換されることによって、持続的なアンジオテンシン変換酵素阻害作用を示す事ができるようになります。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:2mg約40円/4mg約76円
薬代後発薬1錠の目安:2mg約21円/4mg約37円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

コバシル錠2/4mgは1998年1月21日に製造販売の承認を受け、1998年4月17日に薬価基準へ収載されました。そして1998年4月20日に販売開始となりました。
長く続いた商品でしたが2008年4月1日に販売移管されました。

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

コバシル錠2mg/4mg【製薬メーカー:協和キリン株式会社】

関連製品(ジェネリック)

ペリンドプリルエルブミン錠2mg/4mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】
ペリンドプリルエルブミン錠2mg/4mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】
ペリンドプリルエルブミン錠2mg/4mg「日医工」【製薬メーカー:日医工株式会社】

海外での使用実績

本剤は、米国、欧州等で承認されております。

効果・作用

ペリンドプリルエルブミンは高血圧症にたいして効果のある医薬品になります。

その作用機序は、プリンドプリルエルブミンはプロドラッグであり、経口吸収後ジアシド体であるプリンドプリラートに加水分解される事によって本来の作用を発揮します。このジアシド体が血中及び組織中のアンジオテンシン変換酵素(ACE)を特異的に阻害する事によって、昇圧系においては抑制するよう働き、降圧系においては増強するように働きます。まずはその昇圧系にかかる機序を詳しく説明していくと、プリンドプリラートは昇圧物質であるアンジオテンシンⅡの生成を抑制する事により、末梢血管抵抗の減少、及び血管平滑筋の弛緩を介して血圧を減少させます。一方、降圧系にかかる機序を詳しく説明していきます。ACEはブラジキニンの分解酵素であるキニナーゼⅡと同一酵素である為、プリンドプリラートはブラジキニンの分解を抑制する事によりブラジキニンが増加し、ブラジキニンの作用により血管平滑筋が弛緩する事により血圧は減少します。プリンドプリルエルブミンの降圧作用は、ACEの特異的阻害によるアンジオテンシンⅡを介する昇圧系の抑制とキニン類を介した降圧系の増強によるものと考えられております。

昇圧系とは:レニン・アンジオテンシン系と呼ばれており、アンジオテンシノーゲンがレニンによってアンジオテンシンⅠに変換される。アンジオテンシンⅠはACEによりアンジオテンシンⅡに変換される。このアンジオテンシンⅡが血管平滑筋収縮や血管肥厚、循環血流量増加に作用する事で昇圧系に関与している。

降圧系とは:カリクレイン・キニン系と呼ばれており、キニノーゲンがカリクレインによってブラジキニンに変換されます。このブラジキニンが血管平滑筋弛緩増強・血管肥厚抑制する事によって降圧系を増強します。

昇圧系並びに降圧系にかかるアンジオテンシン変換酵素を阻害することにより降圧作用を増強する働きを示します。

使用方法

通常、成人に使用する場合にはペリンドプリルエルブミンとして2~4mgを1日1回内服します。
なお、投与する患者の年齢及び症状によって適宜増減する事が認められておりますが、1日の最大量は8mgまでとされております。

副作用

重大な副作用
1)血管浮腫(頻度不明)
呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある
2)急性腎障害(0.1%未満)
3)高カリウム血症(頻度不明)

その他の副作用
過敏症、腎臓、血液、精神神経系、循環器、消化器、代謝、肝臓、呼吸器、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
発疹、掻痒感(0.1~5%未満)
2)腎臓
BUN上昇、血清クレアチニン上昇(0.1~5%未満)
3)血液
赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット低下(0.1~5%未満)
白血球減少、血小板減少(0.1%未満)
4)精神神経系
眩暈・フラツキ、頭痛・頭重感(0.1~5%未満)
眠気、感覚減退(四肢の痺れ感等)、耳鳴り、いらいら感(0.1%未満)
5)循環器
低血圧(0.1~5%未満)
動悸、期外収縮、頻脈(0.1%未満)
6)消化器
悪心、胃部不快感(0.1~5%未満)
便秘、食欲不振、腹痛、下痢(0.1%未満)
7)代謝
総コレステロール上昇、トリグリセリド上昇、尿酸上昇、血清カリウム上昇(0.1~5%未満)
血清ナトリウム低下(0.1%未満)
低血糖(頻度不明)
8)肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇等(0.1~5%未満)
9)呼吸器
咳嗽(5%以上)
咽頭違和感、喀痰増加(0.1~5%未満)
10)その他
ほてり、CK上昇(0.1~5%未満)
倦怠感、胸痛、胸部不快感、四肢冷感、浮腫、口渇、味覚異常(苦味等)、悪寒、熱感(0.1%未満)

咳嗽は5%以上とかなりの頻度で見られます。誤嚥性肺炎予防のために処方される場合もありますが、あまりひどい様であれば速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分に対し過敏症ン既往歴のある患者
■ペリンドプリルエルブミンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、コバシル錠2mg/4mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼コバシル錠2mg/4mgの有効成分
ペリンドプリルエルブミン
▼代表薬の添加物
・黄色三二酸化鉄、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、無水乳糖、メタケイ酸アルミン酸マ
グネシウム
2)アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(サクピトリルバルサルタンナトリウム水和物)を投与中の患者又は投与中止から36時間以内の患者
3)血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)
高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現する事がある為使用できません。
4)デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者
5) アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者
6)妊婦又は妊娠している可能性のある患者
7)アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
②高カリウム血症の患者
③重症の高血圧患者
④厳重な減塩療法流の患者
2)重篤な腎機能障害患者
3)血液透析中の患者
4)妊婦
5)授乳婦
6)小児等
7)高齢者

上記にあてはまる方は、ペリンドプリルエルブミンを使用する事が出来ない可能性があります。
ペリンドプリルエルブミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、カリウム補給剤
2)アリスキレンフマル酸塩
3)アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤
4)利尿降圧剤(ヒドロクロロチアジド等)
5)リチウム製剤(炭酸リチウム)
6)非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)
7)カリジノゲナーゼ製剤

上記を使用している方は、ペリンドプリルエルブミンを使用する事が出来ない可能性があります。
ペリンドプリルエルブミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
1)アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物「エンレスト」)
併用により相加的にブラジキニンの分解を抑制し、血管浮腫のリスクを増加させる可能性がある為併用できません。
2)デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行(リポソーバー、イムソーバTR、セルソーバ等)
ショックを起こすことがある為併用できません。
3)アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析(AN69)
アナフィラキシーを発現する事がある為併用できません。
4)アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある為併用できません。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ペリンドプリルエルブミンに関する
よくある質問
くすりを飲み始めてどのぐらいで効果が現れますか?

服用後の最高血中濃度は5時間位と報告されております。
インタビューホーム 【協和キリン株式会社】

食事の影響を受ける薬ですか?

臨床試験の結果より食事の影響はほとんどないとされております。
インタビューホーム 【協和キリン株式会社】

車の運転は問題ありませんか?

降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動
車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

インタビューホーム

【上記引用元:協和キリン株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【協和キリン株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

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