ベンズブロマロン

成分名

ベンズブロマロン

適応症状

痛風の高尿酸血症の改善
高尿酸血症を伴う高血圧症の高尿酸血症の改善

簡易説明

・血液中の尿酸値が高いことを「高尿酸血症」といい、関節にたまった尿酸が原因の痛風発作(急性関節炎)の治療に使用されます。
・腎臓に働いて、尿酸を尿中に排泄させ、体内の尿酸を減らします。また「尿酸排泄低下型」の人に適しております。
・高尿酸血症に伴う高血圧治療に使用する場合もございます。
・ベンズブロマロンと代謝物である6ヒドロキシ体は近位尿細管の尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害いたします。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~10,000円
ユリノーム錠25mg/50mg:10.5円(25mg1錠)、14円(50mg1錠)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ユリノーム錠発売開始年月:1984年6月

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ユリノーム錠25mg/50mg【製薬メーカー:ユリノーム錠25mg/50mg】

関連製品(ジェネリック)

ムイロジン細粒10%「寿製薬」
ベンズブロマロン細粒10%「KO」
ナーカリシン錠25mg/50mg「ナガセ医薬品」
ベンズブロマロン錠25mg/50mg「日医工/テバ/アメル/トーワ/イセイ/杏林/NM」

効果・作用

▼ベンズブロマロンの作用▼
・尿細管において尿酸の再吸収を抑制し、尿酸の尿への排泄を促進し高尿酸血症を改善いたします。
・高尿酸血症は血液中の尿酸濃度(尿酸値)が高い状態なので、痛風や腎障害、尿路結石、慢性腎臓病などの原因となっており、尿中に排泄された尿酸の多くは腎臓の尿細管というところで再び血液中へ吸収(再吸収)されるます。
・腎臓でつくられた原尿は、尿細管という管を通って輸送され、尿細管では尿に含まれる水分や尿酸などを血管内(血液中)へ戻す再吸収が行われております。再吸収を阻害することで、尿酸が尿と一緒に体外へ排泄されて、血液中の尿酸を減らすことができます。
・ベンズブロマロンは、分子中にベンゾフランの構造があり、分子中に「臭素原子」が結合しております。
・腎臓の近位尿細管に「URAT1」という尿酸再吸収を行う尿酸トランスポーター分子が多く存在しており、URAT1阻害剤として作用します。
・ベンズブロマロンはURAT1に対して濃度依存的に阻害がかかり、その阻害におけるIC50は、0.0345±0.003 (μM)程度となります。
・このような薬理作用のため、腎不全の患者にベンズブロマロンを投与しても、効果が期待できません。
・ベンゾフラン環部分が水酸化された代謝物の1つである「6ヒドロキシベンズブロマロン」にも腎臓においてURAT1を阻害することによって尿酸の再吸収を抑制する効果があります。しかし、6ヒドロキシベンズブロマロンも、ベンズブロマロンと同様にURAT1に対して濃度依存的に阻害しますが、6ヒドロキシベンズブロマロンのURAT1に対するIC50は0.20±0.06 (μM)と、その阻害能はベンズブロマロンの6分の1程度となっております。
・また、6ヒドロキシベンズブロマロンには、ヒポキサンチンやキサンチンを酸化し、尿酸に変換するキサンチンオキシダーゼを阻害する作用もあります。キサンチンオキシダーゼに対するIC50は68 (μM)となっております。
▼高尿酸血症・痛風とは▼
・性別年齢を問わず血清尿酸値が「7.0mg/dL」を超えるものを「高尿酸血症」と定義しております。
・高尿酸血症は以下の3つに分かれており、その後の治療薬選択に重要となります。
①尿酸産生過剰型:12%
②尿酸排泄低下型:60%
③混合型:25%
・高尿酸血症の持続して尿酸が組織に沈着して生じる疾患を「痛風」と呼びます。
・痛風は、主に足の親指の付け根に発症し、激しい痛みをともないます。また痛風発作の前兆症状としては「患部の違和感」「ムズムズ感」などとなります。
・性別ではほとんどが男性で、30歳以上の男性の約30%は高尿酸血症、約1%は痛風に罹患していると推察されております。
▼尿酸の生合成と排泄メカニズム▼
・尿酸は「老廃物」です。
・ヒトの細胞内にはDNAやRNAと呼ばれる核酸があり、細胞分裂やタンパク質合成に欠かすことのできない必須物質です。
・ヒト細胞の核酸は肝臓にて「プリン体」に変換され、その後、ヒポキサンチン⇒キサンチン⇒尿酸の過程で変換されております。
・生成された尿酸は尿中から排泄され、近位尿細管に存在する「尿酸トランスポーター1(URAT1)」と呼ばれるトランスポーターによって血中(体内)に再吸収されます。
・その他、摂取した食物中の核酸やプリン体に由来する尿酸もございます。
▼尿のアルカリ化▼
・尿酸排泄促進薬は、近位尿細管の尿酸トランスポーター1(URAT1)を選択的に阻害することで尿酸の再吸収を抑え、その効果により、尿酸の排泄が促進、尿酸値の低下する効果が得られます。
この作用機序により、尿酸の排泄が促進される一方、尿中には多量の尿酸が存在することになり、尿が酸性化してしまいます。
・尿が酸性の場合、尿酸が尿路に分離しやすくなり、尿路結石により血尿、排尿痛、排尿障害等を発症する恐れがあります。
・尿酸排泄促進薬を使用する場合、尿路結石の発現に注意し、尿アルカリ化薬を併用します。
以上により、結石がある、もしくは結石の既往歴のある患者には尿酸排泄促進薬は使用いたしません。

使用方法

・痛風通常成人1日1回1/2錠または1錠(ベンズブロマロンとして25mgまたは50mg)を経口投与し、その後維持量として1回1錠を1日1~3回(ベンズブロマロンとして50~150mg)経口投与すること
※年齢、症状により適宜増減します。

・高尿酸血症を伴う高血圧症通常成人1回1錠を1日1~3回(ベンズブロマロンとして50~150mg)経口投与すること
※年齢、症状により適宜増減します。

副作用

主な副作用
ベンズブロマロンには、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

そう痒感、発疹、蕁麻疹、AST上昇、ALT上昇、胃部不快感、胃腸障害、下痢、軟便、胸やけ、過敏症

重大な副作用
重篤な肝障害、劇症肝炎、黄疸、肝障害<重篤症例>

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
光線過敏症、 顔面発赤、紅斑、AlP上昇、胃痛、腹痛、悪心、口内の荒れ、浮腫、心窩部不快感、頭痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦・産婦
・過敏症
・肝機能障害
・肝障害
・高度腎機能障害
・腎結石

使用に注意が必要な方
・尿が酸性
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、ベンズブロマロンを使用する事が出来ない可能性があります。
ベンズブロマロンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
・クマリン系抗凝血剤
・ワルファリン
・抗結核剤
・ピラジナミド
・サリチル酸製剤
・アスピリン

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
高尿酸血症の危険因子ってなんですか?

肥満は高尿酸血症の危険因子の1つですので、適切なカロリー摂取を心がけましょう。

高尿酸血症の遺伝性はありますか?

「遺伝要因」と「環境要因」があります。 遺伝要因とは尿酸の体外への輸送に関わる遺伝子の変異により尿酸排泄の低下が認められることです。実際に痛風をきたす患者さんではご家族の中にも高尿酸血症の方を認めることが多いです。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。