ミグリトール

成分名

ミグリトール

適応症状

2型糖尿病の食後過血糖の改善

簡易説明

・ミグリトールはαグルコシダーゼ阻害薬(αGI)と呼ばれる種類の薬になります。
・炭水化物をブドウ糖に分解する酵素を阻害、糖の消化吸収を遅延させ、食後の過血糖を改善回復する作用があり、糖尿病の食後過血糖の改善に使用されております。
・ミグリトールは、炭水化物の消化を阻害して作用し、食後高血糖症の程度を下げ、食事開始時に摂取することで、最大限の効果を発揮いたします。また、食物中に含まれる非単糖炭水化物の量に依存します。
・αグルコシダーゼと呼ばれるグリコシダーゼを阻害します。

処方可能な診療科目

内科、消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~10,000円

セイブル錠25mg/50mg/75mg:17円/錠、28.7円/錠、39.9円/錠

※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2006年1月販売開始

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

セイブル錠25mg/50mg/75mg:(三和化学研究所)
セイブルOD錠25mg/50mg/75mg:(三和化学研究所)

関連製品(ジェネリック)

ミグリトール錠25mg/50mg/75mg「JG」:(日本ジェネリック)
ミグリトール錠25mg/50mg/75mg「トーワ」:(東和薬品)
ミグリトールOD錠25mg/50mg/75mg「トーワ」:(東和薬品)
ミグリトールOD錠25mg/50mg/75mg「サワイ」:(沢井製薬)

効果・作用

▼ミグリトールの作用▼

・食後の急激な血糖値の上昇は、糖尿病の合併症を引き起こす要因の一つです。ミグリトールは、腸での糖の吸収を遅らせ、食後の急激な血糖値の上昇を抑制し、糖尿病を治療したり合併症の進行を抑える効果があります。
・小腸粘膜に存在する「αグルコシダーゼ」という酵素を摂取した糖質がブドウ糖へと分解され、血管に吸収されて上昇するを阻害し、糖の吸収をゆっくりと遅らせ、食後の急激な血糖値の上昇を抑制します。
・ミグリトールの特性として「腸から薬の成分が吸収される」という事があります。腸から50%以上が吸収され、腎臓から排泄されます。そのため、血糖値を緩やかにする作用が他のαグルコシダーゼ阻害薬(αGI)と異なっております。
・ミグリトールの糖尿病に対する効果は穏やかで、劇的に血糖値を改善させる作用はございませんが、安全性には優れております。

▼血糖があがるメカニズムと糖尿病の危険性▼
・食物に含まれる糖質を摂取すると、体内で分解されてショ糖(砂糖)などの二糖類になり、さらにαグルコシダーゼという酵素によってブドウ糖になり血管へ吸収され血糖値が上昇いたします。
・糖尿病は血液中のブドウ糖が適正な量を超えて増えてしまった状態のことです。血液中のブドウ糖濃度が高い状態が高い状態が続くと様々な合併症がおこり、食後の急激な血糖値の上昇は後々の心筋梗塞や脳卒中などの危険因子となります。また、高血糖によって生じた臓器障害は、いくら血糖を改善させても元に戻らないものが多く、糖尿病によって白内障になった場合、治すためには手術をするしかありません。また、腎障害が出現して透析になった場合、その後はほぼ一生透析をすることになります。こうならない為にも、血管障害・臓器障害が出現する前に血糖を正常値にしておく必要があります。

▼αグルコシダーゼ阻害薬▼
・治療中における低血糖時には、αグルコシダーゼ阻害作用により、ショ糖(砂糖)などの二糖類では十分な効果が得られないことが考えられ、ブドウ糖の摂取が推奨されております。また、「αGI」と呼ばれることがあり「αGlucosidase Inhibitor(αグルコシダーゼ阻害薬)」の略称となります。
・αGIは、糖代謝を改善することで、副次的にコレステロール値の改善も若干ではありますが、得られることが知られております。

▼心筋梗塞巣の縮小作用▼
・ミグリトールの作用として「心筋梗塞が生じた時の被害を小さくする」作用があります。
・先発品「セイブル」で報告されており、「アミロ1,6グルコシダーゼ」という酵素を阻害、その効果により、心筋梗塞部位のグリコーゲンの分解や乳酸の蓄積を抑制するからではないかと考察されておりますが、ミグリトールは主に腸管に作用するので、血中には多く移行せず、糖尿病治療として用いられる用量では、この効果を十分に得るには足りないようです。

使用方法

・成人にはミグリトールとして1回50mgを1日3回毎食直前に経口投与すること
・効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を75mgまで増量することができる
(用法及び用量に関連する注意)
・高齢者には低用量(例えば1回量25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること

副作用

主な副作用
ミグリトールには、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

腹部膨満、鼓腸、下痢、腹痛、便秘、腸雑音異常、嘔気、食欲不振、口渇、消化不良、胃不快感

重大な副作用
低血糖、低血糖症状、腸閉塞、放屁増加、持続する腹痛、嘔吐、肝機能障害、黄疸、AST上昇、ALT上昇

※極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
※重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
※異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
おくび、胃炎、排便障害、痔核、過敏症、発疹、紅斑、蕁麻疹、そう痒 、γGTP上昇、LDH上昇、AlP上昇、めまい、頭痛、白血球数減少 、血中アミラーゼ増加、血中カリウム増加、血中尿酸増加、頻尿、咳嗽、口内炎、味覚異常、腸管嚢胞様気腫症、しびれ、眠気、倦怠感 、浮腫

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦・産婦
・過敏症
・重症感染症
・重症ケトーシス
・重篤な外傷
・手術前後
・糖尿病性前昏睡
・糖尿病性昏睡

使用に注意が必要な方
・高齢者
・授乳婦
・幼児・小児
・ロエムヘルド症候群
・重度ヘルニア
・大腸狭窄
・大腸潰瘍
・重篤な肝機能障害/腎機能障害
・開腹手術
・腸閉塞
・消化・吸収障害を伴った慢性腸疾患

上記にあてはまる方は、ミグリトールを使用する事が出来ない可能性があります。
ミグリトールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
糖尿病用薬/スルホニルウレア系薬剤/ビグアナイド系製剤/インスリン製剤/チアゾリジン系薬剤/速効型食後血糖降下剤/DPP4阻害剤
GLP1アナログ/SGLT2阻害剤/糖尿病用薬及び糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤/β遮断剤/サリチル酸製剤/モノアミン酸化酵素阻害剤/フィブラート系の高脂血症治療薬/ワルファリン/糖尿病用薬及び糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤/エピネフリン/副腎皮質ホルモン剤/甲状腺ホルモン剤/プロプラノロール/ラニチジン/ジゴキシン

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
なぜ効果が高いのですか?

ミグリトールはαGIの中でも多くのαグルコシダーゼを阻害する作用があり、効果が高い1つに理由だと思われます。

誰にでも効果あるんですか?

個人差があるのでわかりませんが、主に食後の高血糖が目立つ糖尿病患者さんに向いています。

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