トレラグリプチンコハク酸塩

成分名

トレラグリプチンコハク酸塩

適応症状

2型糖尿病

簡易説明

トレラグリプチンコハク酸塩は、DPP4阻害薬でインスリン分泌を促す物質の作用を強め、血糖値を下げる薬となっております。
2型糖尿病の治療に用いられ、インクレチンを分解する酵素を阻害し、インスリン分泌を促して血糖コントロールを改善いたします。
基本である食事療法、運動療法を行ったうえで効果が不十分な場合に限り、医師の判断により処方される薬となっております。
体調が悪いと自己判断して使用を中止したり、量を加減したりすると病気が悪化することがありますので、必ず医師の指示に従ってください。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:25mg255円/50mg480.7円/100mg905.2円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2019年12月【ザファテック錠25mg】
発売年月日:2015年5月【ザファテック錠50mg/100mg】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ザファテック錠25mg/50mg/100mg【製薬メーカー:武田薬品】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

▼トレラグリプチンコハク酸塩の作用▼
・糖尿病は血液中のブドウ糖やグルコースが適正な量を超えて増えてしまった状態のことです。血液中の血糖値が高い状態が続くと様々な合併症の原因となります。血糖値を一定に保つ働きをするホルモンであるインクレチンを分解する酵素(DPP4)を阻害し、インスリン分泌を促して、血糖コントロールを促します。主に、2型糖尿病の治療に使用されます。
・週1度の服用で、血糖値を適時、適度に下げる効果があります。
・スルホニルウレア系や従来からのインスリン分泌促進薬とは作用機序が異なっており、DPP-4阻害作用にもとづくインクレチンホルモンを介するものとなっております。
・インスリン注射薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジン薬、スルフォニル尿素薬、速効型インスリン分泌促進薬、ビグアナイド薬などの糖尿病治療薬との併用が可能となっております。
・血糖依存的に作用しますので、血糖値が低い場合にはインスリンの分泌を促進せず必要以上に血糖を下げないのも特徴です。
・日本人に多い非肥満型の糖尿病にも有効です。

▼インスリンの効果▼
・インスリンとは血糖値を下げるホルモンです。膵臓から分泌され、体内に食物が入った後にインスリン分泌を促す「インクレチン」があります。GLP1は体内でDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)という酵素によって分解され、DPP4を阻害すればGLP1の作用の減弱を抑制することができます。糖尿病は、そのインスリンの量が不足したり働きが悪化することで血糖値が上がってしまう病気です。そのまま放置すると、手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病などいろいろな合併症を引き起こします。
※新しい薬ですので、合併症を予防できるのか、長期的な予後改善効果については、まだよく分かっていないことが多く、長期服用時の有効性や安全性については、今後の検証が必要となっております。

▼他のDPP-4阻害薬▼
グラクティブ ジャヌビア・エクア・ネシーナ・トラゼンタ・テネリア・スイニー・オングリザ・マリゼブ

使用方法

成人にはトレラグリプチンとして100mgを1週間に1回経口投与してください。

▼中等度以上の腎機能障害患者における投与量
・排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇するため、腎機能の程度に応じて、投与量を減量してください。
▼中等度腎機能障害患者
血清クレアチニン(mg/dL)⇒男性:1.4<~≦2.4 女性:1.2<~≦2.0
クレアチニンクリアランス(Ccr,mL/min)⇒30≦~<50
投与量⇒50mg、週1回
▼高度腎機能障害患者/末期腎不全患者
血清クレアチニン(mg/dL)⇒男性:>2.4女性:>2.0
クレアチニンクリアランス(Ccr,mL/min)⇒<30
投与量⇒25mg、週1回
※注1 Ccrに相当する換算値(年齢60歳、体重65kg)
※注2 末期腎不全患者について、本剤投与と血液透析との時間関係は問いません。
■投与にあたっては次の点を注意する必要があります。
・週1回服用する薬剤であり、同一曜日に服用してください。
・服用を忘れた場合は、気づいた時点で決められた用量のみを服用し、その後はあらかじめ定められた曜日に服用してください。

重要な基本的注意
・低血糖を起こす恐れがあり、使用の際には患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明し、注意喚起をしてください。
・急性膵炎を発症することがありますので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状がある場合、速やかに医師の診察を受けてください。
・1週間に1回経口投与する薬剤となってますので、投与中止後も作用が持続します。血糖値や副作用の発現について十分ご注意ください。
・投与中止後に他の糖尿病用薬を服用する際には、血糖管理状況等を考慮し、投与開始時期及び用量を十分検討してください。
・投与中は、血糖を定期的に検査してください。経過を観察し、本剤を2~3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には、他の適切な治療へ変更してください。
・低血糖症状になる場合がありますので、高所作業、自動車の運転等には注意し投与してください。
・本剤とGLP1受容体作動薬は、GLP1受容体を介した血糖降下作用をもっております。併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されてません。

副作用

主な副作用
トレラグリプチンコハク酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
過敏症、発疹、そう痒、心房細動、ALT上昇、AST上昇、γGTP上昇、血中アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇、CK上昇、尿潜血陽性

重大な副作用
低血糖、重篤な低血糖症状、低血糖症状、意識消失、類天疱瘡、水疱、びらん、急性膵炎、持続的な激しい腹痛、嘔吐、腸閉塞、高度便秘、腹部膨満、持続する腹痛
※極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
※重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
※異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
鼻咽頭炎

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症の方
・重症感染症の方
・重症ケトーシスの方
・重篤な外傷の方
・手術前後の方
・糖尿病性前昏睡の方
・糖尿病性昏睡の方
・1型糖尿病の方

使用に注意が必要な方
・栄養不良状態の方
・過度のアルコール摂取の方
・飢餓状態の方
・高度腎機能障害の方
・腸閉塞の方
・低血糖の方
・脳下垂体機能不全の方
・激しい筋肉運動の方
・不規則な食事摂取の方
・副腎機能不全の方
・中等度以上の腎機能障害の方
・食事摂取量不足の方
・中等度腎機能障害の方
・腹部手術の方
・妊婦・産婦
・高齢者
・幼児・小児
・虚弱者(衰弱者を含む)

上記にあてはまる方は、トレラグリプチンコハク酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
トレラグリプチンコハク酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
「糖尿病用薬」
・スルホニルウレア剤
・速効型インスリン分泌促進薬
・αグルコシダーゼ阻害剤
・ビグアナイド系薬剤
・チアゾリジン系薬剤
・GLP1受容体作動薬
・SGLT2阻害剤
・インスリン製剤
※低血糖を発現するおそれがある。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること。
※併用により血糖降下作用が増強するおそれがある。
「糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤」
・β遮断薬
・サリチル酸製剤
・モノアミン酸化酵素阻害薬
・フィブラート系の高脂血症治療薬等
※血糖が低下するおそれがある。
※併用により血糖降下作用が増強するおそれがある。
「糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤」
・アドレナリン
・副腎皮質ホルモン
・甲状腺ホルモン等
・血糖が上昇するおそれがある。
※併用により血糖降下作用が減弱するおそれがある。

上記を使用している方は、トレラグリプチンコハク酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
トレラグリプチンコハク酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
飲み忘れた場合どうしたらいいですか?

本剤の服用を忘れた場合は、気づいた時点で決められた用量のみを服用し、その後はあらかじめ定められた曜日に服用すること

トレラグリプチンコハク酸塩錠

【上記引用元:厚生労働省】

低血糖の初期症状はどんなですか?

血糖値がおよそ70mg/dL以下になると、「交感神経症状」があらわれます。
さらに血糖値が下がり50mg/dL程度になると、「中枢神経症状」があらわれます。
ただし、普段から低血糖がよく起こる方や、低血糖症状の自覚が少ない方は、「汗をかく」などの交換神経症状がでないまま、無自覚性低血糖になることがあります。
無自覚性低血糖とは、自覚症状が無いまま、以下の状況になることをいいます。

低血糖

【上記引用元:糖尿病情報センター】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。