成分名 |
キニジン硫酸塩水和物 |
適応症状 |
不整脈 |
簡易説明 |
キニジン硫酸水和物は1883年にHenryとDelondreによって発見されました。キニーネと同じくキナ類の樹皮に含まれています。
キニジン硫酸塩「VTRS」(以下、本剤)は、錠剤は硫酸キニジン塩錠100㎎「マイラン」からキニジン硫酸塩錠「ファイザー」、原末は、硫酸キニジン「ホエイ」からキニジン硫酸塩「ファイザー」原末として発売されていましたが、2022年6月に現在の販売名に変更となりました。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約600円(200㎎×3回×6日)~約910円(600㎎×3回×6日)(*)
(*)漸増法(例)を行った場合の薬価
薬代1錠あたりの目安:原末1g 125.10円/錠100㎎ 8.40円
薬代後発品1錠の目安:原末1g 125.10円/錠100㎎ 8.40円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
定期的敵に心電図、脈圧、血圧、心胸比を検査します。
※本剤は入院管理の元で使用されます。病院の機能により薬代等の算出方法は異なります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1956年9月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
キニジン硫酸塩「VTRS」原末、キニジン硫酸塩錠100㎎「VTRS」【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
不整脈とは心臓の拍動が不規則のもの、早くなるもの、遅くなるものをさし、治療を必要とする場合としない場合がある状態と定義されています。この治療と必要とする場合は致死的な経過をたどる状態もあり、AED等で知られる心房細動の除去といった緊急措置が必要な場合もあります。このような状態であればもちろん救急車で搬送されて入院での治療となりますが、本剤はこのような場面で使用される薬剤となります。
キニジン硫酸塩水和物はナトリウムイオンチャネルを抑制することで、刺激伝導を遅らせることで、異常な心臓の拍動を抑えられ、不整脈を改善する薬です。また本剤には弱いながら、迷走神経遮断作用(心拍数を増大させる働き)もあります。
作用の発現時間は1~3時間、作用の持続時間は6~8時間です。
本剤は非常に危険な副作用がおこる可能性があるため、入院治療での処方となります。またその副作用を監視するため、定期的な肝機能検査、心電図測定、脈圧・血圧測定、心胸比(レントゲン検査)などを定期的に行います。特に大量投与時には持続的に心電図を監視します。本剤は心房細動の除去が標準的使用法ですが、それが目的ではない場合は、外来で投与することもできます。この場合は投与量も少量となります。 |
使用方法 |
・試験投与
治療に先立ち、1回100㎎~200㎎を飲み、副作用がおこらないか調べます。
・漸増法(例)
1回200㎎を1日3回(6~8時間おき)に飲み、効果がない場合は2日おきに1回量を400㎎、600㎎と増やす、もしくは投与回数を1~2日ごとに4、5、6回と増やす。不整脈除去効果が得られたら、そこで維持量に切り替える、または中止します。6日間使用して効果がないばあいや副作用が現れた場合は中止します。
昼間のみ服用が原則です。
・大量投与(例)
1回400㎎を1日5回、3日間のみ、効果がない場合は中止します。効果が得られたら、そこで維持量に切り替える、または中止します。
・維持量投与
1日量200㎎~600㎎を1~3回に分けて飲みます。 |
副作用 |
重大な副作用
高度伝導障害、心停止、心室細動
心不全
SLE(全身性エリテマトーデス)様症状
無顆粒球症、白血球減少、再生不良性貧血、溶血性貧血
血小板減少性紫斑病
その他の副作用
めまい、頭痛、耳鳴、難聴、視力障害、複視、羞明、色覚異常、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲不振、黄疸等の肝機能障害、発疹、発熱、脈管性浮腫、血圧低下、光線過敏症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある方は、失神発作や突然死をおこすおそれがあるため、服用できません。
■重篤なうっ血性心不全のある方は、症状を悪化させるおそれがあるため、服用できません。
■高カリウム血症のある方は、心疾患を悪化させるおそれがあるため、服用できません。
■下記併用禁忌薬を飲んでいる方(「併用禁忌薬・併用注意薬」の項、参照)
■キニジン硫酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、キニジン硫酸塩「VTRS」はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼キニジン硫酸塩「VTRS」の有効成分
キニジン硫酸塩水和物
▼キニジン硫酸塩水和物100㎎錠「VTRS」の添加物
・乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ポピドン、ステアリン酸マグネシウム
使用に注意が必要な方 ・基礎疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある方:心室頻脈、心室細動があらわれたとの報告があるため。
・うっ血性心不全のある方(非重篤):症状を悪化させるおそれがあるため。
・塞栓になった事のある方、一過性脳虚血発作等のある方:塞栓をおそれがあるため。
・血清カリウム低下のある方:心室頻脈がおこる危険性が増すため。
・他の抗不整脈薬を飲んでいる方:有効性・安全性がわかっていません。
・重篤な腎機能障害のある方:副作用があらわれやすくなるおそれがあるため。
・妊婦、授乳婦:動物実験で胎児(胎盤)、母乳への移行が報告されているため。
・小児:使用した情報がないため。
・高齢者:副作用があらわれやすいため。
上記にあてはまる方は、キニジン硫酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 キニジン硫酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・本剤の作用が減弱する薬
フェイトニン、リファンピシン、ダルナビルエタノール不可物(血中濃度低下)、セイヨウオトギリソウ含有食品(血中濃度低下)
・本剤の作用が増強する薬
尿アルカリ化薬、ホスアンプレナビルカルシウム水和物(血中濃度上昇)
・併用薬の作用が減弱する薬
メロキシカム
・併用薬の作用が増強する薬
三環系抗うつ剤、アプリん人塩酸塩(動物実験)、フレカイニチド酢酸塩(動物実験)、メキシレチン塩酸塩(動物実験)、メトプロロール酒医師酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、ワルファリンカリウム(抗凝血作用の増強)、
・併用薬の血中濃度が増加する薬(要減量)
デュロキセチン塩酸塩、ロペラミド塩酸塩
・相互に作用が増強する薬
トラマドール塩酸塩、ドネベジル塩酸塩、骨格筋弛緩剤、
・心拍数異常(QT間隔延長等)をおこす薬(*:トルサデポアンを含む)
三酸化ヒ素*、スニチニブリンゴ酸塩*、ダサチニブ水和物、ラバチニブトシル酸塩水和物(併用薬の血中濃度に影響を与える可能性)、エリスロマイシン*、シプロフロキサシン塩酸塩、メシル酸ガレノキサシン水和物
・その他
チモロールマレイン酸塩:心拍数減少、徐脈作用が増強されるとの報告があります。
ジギタリス製剤:両剤の副作用がともにおこりやすくなることがあります。
アミオダロン塩酸塩(経口)、ベラパミル塩酸塩:本剤の血中濃度が上がり、致死的な心室性不整脈がおこることがありますので、本剤を減量するなど慎重に投与します。
ポピンドロールマロン酸塩:過度の心機能抑制があらわれることがあります。また併用薬の血中濃度が上昇するおそれがあります。
上記を使用している方は、キニジン硫酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 キニジン硫酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・アミオダロン塩酸塩:トルサデポアン(突然死等の原因となりうる頻脈)がおこることがあります。
・バルデナフィル塩酸塩水和物:心拍数異常(QT延長)があらわれるおそれがあります。
・トレミフェンクエン酸塩:トルサデポアン等を起こすおそれがあります。
・キヌブリスチン・ダルホプリスチン、ポリコナゾール:心拍数異常(QT延長)があらわれるおそれがあります。
・サキナビルメシル酸塩:本剤の血中濃度が増加し、心血管系の副作用をおこすおそれがあります。
・ネルフィナビルメシル酸塩:不整脈等の住宅な副作用をおこすおそれがあります。
・モキシフロキサシン塩酸塩:心拍数異常(QT延長等)があらわれるおそれがあります。
・イトラコナゾール:本剤の作用が増強するおそれがあります。
・フルコナゾール、ホスホルコナゾール:心拍数異常(QT延長、トルサデポアン等)があらわれるおそれがあります。
・ミコナゾール:心拍数異常(QT延長等)があらわれるおそれがあります。
・メフロキサン塩酸塩:心臓に悪影響を与える可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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