フェノフィブラート

成分名

フェノフィブラート

適応症状

・高脂血症
・家族性高脂血症

簡易説明

高脂血症の治療に使用される薬です。
核内受容体(PPARα)を活性化し、タンパク質の発現を調節することにより脂質代謝を総合的に改善回復します。
血中コレステロール濃度と血中トリグリセライド濃度を低下させ、HDLコレステロール濃度を上昇させます。
リグリセリド分解促進作用で、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロールとも呼ばれる)やトリグリセリドを低下させることで、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させます。

処方可能な診療科目

内科、消化器内科 ほか

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

・リピディル錠53.3mg・19.6円1錠/80mg・25.8円1錠
・トライコア錠53.3mg・19.6円1錠/80mg・25.8円1錠

※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2011年12月

国内のジェネリック認可

あります

関連製品(先発薬)

・フェノフィブラート錠53.3mg,80mg

関連製品(ジェネリック)

「武田テバ」
・フェノフィブラート錠53.3mg,80mg

「KTB」
・フェノフィブラートカプセル67mg,100mg

効果・作用

▼フェノフィブラートの作用▼

・第二世代のフィブラート系高脂血症治療薬で、PPARα作動薬(PPARαアゴニスト)に分類されます。
・脂質異常症(高脂血症)の中でもトリグリセリド(中性脂肪)が高い状態に効果を発揮するとされております。
・核内受容体のPPARαに結合し、肝臓の脂質代謝にかかわる遺伝子群の発症を調節して脂質代謝を改善回復いたします。
・トリグリセライド低下作用は非常に強力ですが、HDLコレステロールなどコレステロールを増やす作用もございます。
・コレステロール値だけが高いタイプには、別系統のスタチン薬を優先してください。
・動脈硬化の危険因子とされ、コレステロール「一種リポプロテイン(a)」を低下させる作用もあり、臨床試験で予後改善が示されております。その効果により、心血管系の病気のほか、糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症を抑える効果が期待されております。また、痛風患者の血中尿酸値が高い場合の追加療法として、適応外で使用されることもございます
・微小血管疾患を持たない2型糖尿病患者の足首以下の切断のリスクを減少させるとも考えられております。FIELD試験では、フェノフィブラートを1日200mg投与することにより、血糖コントロールや脂質異常症の有無に拘らず、足首以下の切断のリスクを37%減少させることが示されたております。

▼フェノフィブラートの病理作用▼

・脂質異常症は、動脈硬化などの病気を発症させやすくするものです。肝臓ではコレステロールやトリグリセリドが作られ、体内の「リポ蛋白」という物質は、コレステロールやトリグリセリドを含む物質で血液中に分泌され、リポ蛋白を分解する酵素としてリポ蛋白リパーゼ(LPL)がございます。このLPLの働きで、トリグリセリドが分解、血液中の善玉コレステロールが増加するなどの作用がございます。

▼中性脂肪(トリグリセライド)とは▼

・体を動かすときにまず使われるエネルギー源(燃料)は血糖です。中性脂肪は血糖に次ぐ「予備燃料」のような役割をもっております。食事で脂肪のほとんどはこの中性脂肪になり、肉の脂身など頭に思い浮かぶ油脂はほとんどが中性脂肪となっております。つまり、コレステロール=体を構成するための材料として、中性脂肪=体を動かすための燃料ということになります。

▼高脂血症(脂質異常症)の治療▼

高脂血症(脂質異常症)の治療はおおまかに「食事療法」「運動療法」「薬物療法」となります。多くの場合、食事や運動などの生活習慣が大きく関係しております。基本的には食事療法と運動療法で、長期的に継続する必要がございます。食事療法と運動療法で脂質が改善しない場合、または、心筋梗塞、脳梗塞などには薬物療法を行います。

使用方法

フェノフィブラートとして1日1回106.6mg~160mgを食後経口投与してください。

※年齢、症状により適宜減量する
※1日160mgを超える用量は投与しないようにしてください。

副作用

主な副作用
肝機能検査値異常、γGTP上昇、AST上昇、GOT上昇、ALT上昇、GPT上昇、AlP上昇、LDH上昇、胃部不快感、発疹

重大な副作用
黄疸、肝炎、著しいAST上昇、著しいALT上昇、肝機能障害、嘔気、膵炎、重度腹痛、嘔吐、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇、横紋筋融解症、筋肉痛、脱力感、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇、急性腎障害、重篤な腎障害

※極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
※重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。

その他の副作用
クレアチニン上昇、腎機能検査値異常、CK上昇、CPK上昇、皮膚そう痒感、便秘、下痢、食欲不振、心窩部痛、胸やけ、貧血、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少、白血球増多、頭痛、眩暈、ふらつき、全身倦怠感、抗核抗体陽性、口内炎、鼓腸、胆石症、胆嚢炎、浮腫、発熱、勃起障害、頻尿、血中ホモシステイン増加、腹痛、肝腫大、蕁麻疹、多形紅斑、脱毛、光線過敏症、口渇、腹部膨満感、筋痙攣、こわばり感、白血球減少、好酸球増多、血小板減少、血小板増加、腫脹、動悸、下肢痛、しびれ感、味覚異常、ほてり

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症の方
・肝障害の方
・胆嚢疾患の方
・クレアチニンクリアランスが40mL/min未満の腎機能障害の方
・血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上の腎機能障害の方
・腎機能に関する臨床検査値に異常の方
・妊婦・産婦
・授乳婦

使用に注意が必要な方
・肝障害
・胆石
・肝機能検査異常
・HMGCoA還元酵素阻害薬投与中
・抗凝血剤投与中
・クレアチニンクリアランスが40mL/分以上60mL/分未満の腎機能障害
・血清クレアチニン値が1.5mg/dL以上2.5mg/dL未満の腎機能障害
・高齢者

上記にあてはまる方は、フェノフィブラートを使用する事が出来ない可能性があります。
フェノフィブラートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
【急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症】
・HMGCoA還元酵素阻害剤
・プラバスタチンナトリウム
・シンバスタチン
・フルバスタチンナトリウム

【低血糖症】
・スルホニルウレア系薬剤
・グリベンクラミド
・グリメピリド

【重症な腎機能障害】
・シクロスポリン

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
高脂血症とコレステロールの違いがよくわかりません。

「高コレステロール血症」は、LDLコレステロールが140mg/dL以上の状態です。 「高脂血症」とは、「高コレステロール血症」もしくはトリグリセライドが150mg/dL以上のいずれか、または両方である状態をさします。

LDLコレステロールの治し方ありますか

三食バランスよく食べる、夜食や間食を控える、飲酒は控えるか適量でを守れば改善は期待できます。

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