成分名 |
ロキサデュスタット |
適応症状 |
腎性貧血 |
簡易説明 |
慢性腎臓病などの腎機能が低下した状態では、赤血球産生を促すエリスロポエチンの産生が低下し貧血が引き起こされます。エリスロポエチン産生は、低酸素誘導因子(HIF)という酵素の働きなどによって促進されます。
ロキサデュスタットは、HIFの分解に関わるHIF-PHに対して阻害する作用があります。主に性腎臓病(CKD)などによる貧血を改善するのに使用されます。 |
処方可能な診療科目 |
内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~5,000円
薬代1錠20mgあたりの目安:367.7円
薬代1錠50mgあたりの目安:777.3円
薬代1錠100mgあたりの目安:1370.5円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始年月 : 2019年11月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
エベレンゾ錠20mg/50mg/100mg【製薬メーカー:アステラス製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
血液中には低酸素誘導因子(HIF:Hypoxia Inducible Factor)という酸素濃度の低下を感知する細胞内の酸素センサーの役割を果たしている物質があります。慢性腎臓病では、このHIFが関わるEPO産生誘導の仕組みがうまく働いていないため、EPO産生が低下する。HIFは低酸素誘導因子ープロリン水酸化酵素(HIF-PH:Hypoxia Inducible Factor Prolyl Hydoxylase)という物質によって分解されるので、HIFーPHを阻害することが可能になると、EPO産生の誘導による造血(赤血球産生)が活性化され腎性貧血の改善が期待できます。ロキサデュスタットは、HIF-PHを阻害作用により、内因性のEPO産生を誘導し、赤血球産生を促すことで腎性貧血を改善します。
▼作用機序
ロキサデュスタットは、転写因子の低酸素誘導因子(HIF:hypoxia inducible factor)の分解に関係するHIF-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)を阻害します。その結果、HIF-αの分解が妨げられてHIF経路が活性化され、エリスロポエチンが増加することで、赤血球形成が促されます。
▼腎性貧血とは
腎臓は、赤血球の産生を促す「エリスロポエチン」というホルモンを作っています。腎臓のはたらきが悪くなるとエリスロポエチンが不足し、必要な赤血球が作られないため貧血になります。このように腎臓が原因の貧血を「腎性貧血」と言います。腎性貧血は、ゆっくりと進行するため自覚症状に乏しいことが多いです。治療の目標はヘモグロビン値11~13g/dLです。
▼慢性腎臓病(CKD)とは
腎障害が慢性的に持続する疾患の全体を意味するものです。確定診断は以下の通りです。
①尿異常(蛋白尿)、画像診断・血液所見・病理所見等で腎障害の存在が明らか
②GFRが60(mL/分/1.73㎡)未満
リスク因子は、以下の通りです。
高血圧
糖尿病
脂質異常症(高脂血症)
喫煙
メタボリックシンドローム
▼腎臓貧血検査
腎性貧血に対しては以下のような検査が行われます。
・血液検査⇒貧血の程度や血中エリスロポエチン濃度などを調べるために血液検査が行われます。そのほかにも、体内に蓄えられている鉄の量や、鉄が有効に使われているかを評価するための指標なども調べます。
・画像検査⇒腎性貧血が生じる程度に進行した慢性腎不全は腎臓の萎縮が見られます。このような状態を確認したり、腎臓にがんなどの病気がないことを確認したりするため、超音波検査やCT検査などを実施するケースが一般的です。
・腎生検⇒腎生検は、入院のうえ行われます。背中から腎臓に針を刺して組織を採取し、その後、あおむけでの安静が必要です。光学顕微鏡、電子顕微鏡、免疫組織化学検査などの詳しい観察が行われます。腎生検は出血などリスクのある検査ですが、治療方針を決めるために必要と考えられる場合には、検査がすすめられます。
▼腎臓貧血の原因
腎臓はさまざまなホルモンを分泌してます。その一つに赤血球をつくるはたらきを促す【エリスロポエチン】というホルモンがあり、腎臓のはたらきが低下すると、エリスロポエチンの分泌が減り、赤血球をつくる能力が低下することで貧血を起こします。
▼腎性貧血の基準値
Hb値<10g/dLの 貧血を認めるもののEPO<50mIU/mLであれば腎性貧血として判断できます。
▼貧血にならないためには
良質なタンパク質(肉、魚、卵、乳製品、大豆製品)を補うことが大切です。鉄の吸収率を高めるにはビタミンCがよいとされてます。
▼貧血を放置すると
爪がもろく欠けやすくなったり、食べ物を飲み込むのが困難になる嚥下(えんげ)障害を発症することがあります。
▼他のHIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬)
エベレンゾ
ダーブロック
バフセオ
エナロイ
マスーレッド |
使用方法 |
▼赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合
成人は、1回50mgを開始用量にしてください。週3回経口投与してください。以後、使用者の状態に応じて投与量を適宜増減してください。またその際の最高用量は1回3.0mg/kgを超えないようにしてください。
▼赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合
成人は、1回70mg、もしくは100mgを開始用量にしてください。週3回経口投与してください。以後、使用者の状態に応じて投与量を適宜増減してください、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないようにしてください。 |
副作用 |
主な副作用
うっ血性心不全、動悸、甲状腺機能低下症、網膜出血、嘔吐、下痢、便秘、悪心、腹部不快感、腹痛、消化不良
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
血栓塞栓症、脳梗塞、急性心筋梗塞、肺塞栓症、シャント閉塞、痙攣発作
その他の副作用
胃障害、浮腫、末梢性浮腫、倦怠感、結膜炎、シャント狭窄、リパーゼ増加、ALT増加、CK増加、高カリウム血症、高リン酸塩血症、鉄欠乏、食欲減退、低アルブミン血症、浮動性めまい、不眠症、女性化乳房、咳嗽、間質性肺疾患、皮膚そう痒症、高血圧、医療機器内血栓、血中甲状腺刺激ホルモン減少、血中ビリルビン増加
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ロキサデュスタットを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方エベレンゾは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼エベレンゾの有効成分
ロキサデュスタット
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール、タルク、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄
■他に使用できない方
妊婦/授乳者
過敏症
使用に注意が必要な方 高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
悪性腫瘍
高血圧症
心筋梗塞
脳梗塞
肺塞栓
黄斑浮腫
網膜静脈閉塞症
増殖糖尿病網膜症
中等度以上の肝機能障害<Child−Pugh分類B及びC>
滲出性加齢黄斑変性症
上記にあてはまる方は、ロキサデュスタットを使用する事が出来ない可能性があります。 ロキサデュスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 リン結合性ポリマー
セベラマー塩酸塩
ビキサロマー
多価陽イオン含有製剤<服用>
カルシウム経口剤
鉄剤<服用>
マグネシウム製剤経口剤
アルミニウム<服用>
HMG−CoA還元酵素阻害剤
シンバスタチン
ロスバスタチン
アトルバスタチン
プロベネシド
ゲムフィブロジル
アルミニウムを含むもの
カルシウム・マグネシウム・鉄などを含むもの<牛乳、乳製品、バジル、海苔、ひじき など>
上記を使用している方は、ロキサデュスタットを使用する事が出来ない可能性があります。 ロキサデュスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬は報告されていません
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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