グリクラジド

成分名

グリクラジド

適応症状

インスリン非依存型糖尿病(成人型糖尿病:2型糖尿病)

簡易説明

血糖値を下げるお薬です。糖尿病(2型糖尿病)の治療に用いられます。使用は、食事療法、運動、体重減量だけでは十分な効果が得られない場合に限ります。1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)には効果がありません。

すい臓に作用し、インスリン分泌を促進させて血糖値を降下させます。服用によって低血糖におちいることがあるので、その点は注意が必要です。

処方可能な診療科目

内科/糖尿病内科/内分泌内科/外科/泌尿器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

日本でグリクラジド錠20mg(ジェネリック)を処方してもらう場合。
診察料などの目安:約1000円~約2000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:約5.7円(薬価)
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1984年5月販売開始(新薬:グリミクロン錠40mg)

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

グリミクロン錠40mg(大日本住友)
グリミクロンHA錠20mg(大日本住友)

関連製品(ジェネリック)

グリクラジド錠20/40mg(ニプロ、東和薬品、日新製薬、サワイ、小林化工)
ダイアミクロン30/80mg(Serdia Pharma、Emcure Pharma)

効果・作用

糖尿病の治療に用いられる、血糖値を下げる薬です。スルフォニル尿素系の血糖降下薬の中では作用が強力で、もっともよく使われています。

血液中の糖分である「血糖」は、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンホルモンで調節されます。糖尿病は、そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなることによって血糖値が上がってしまう病気です。そのまま放置すると、手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病など様々な合併症を引き起こします。

本剤は、膵臓に働きかけてインスリンの分泌を増やすことで、血糖値を下げます。主に、2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)に用いられます。

血糖値が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすこともあります。日々の血糖値を適切に保つことは、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります。

作用としては、ランゲルハンス島(膵臓に存在する内分泌腺)のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促進します(膵作用)。ただし、インスリンの代わりにはならないので、インスリンがまったくでない1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)には無効です。

使用方法

通常成人では1日40mgより開始して、1日1~2回(朝又は朝夕)食前又は食後に経口投与して下さい。維持量は通常1日40~120mgであり、、160mgを超えないようにして下さい。

副作用

重大な副作用
・低血糖〔脱力感、高度の空腹感、発汗等(初期症状として)、心悸亢進、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙れん等があらわれることがあります。なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意して下さい。。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行って下さい。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与して下さい。〕
・無顆粒球症
・肝機能障害、黄疸〔AST、ALT、ALPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。〕

その他の副作用
貧血/白血球減少/血小板減少/AST、ALT、ALPの上昇/BUNの上昇/血清クレアチニンの上昇/悪心/嘔吐/食欲不振/胃膨満感/便秘/下痢/腹痛/皮膚そう痒感/発疹/光線過敏症/頭重/めまい/頭痛/熱感/脱毛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
次の患者には投与しないで下さい。
・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、インスリン依存型糖尿病の患者[インスリンが用いられるため本剤は不要です。]
・重篤な肝又は腎機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがあります。]
・重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンが用いられるため本剤は不要です。]
・下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こすおそれがあります。]
・本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性[スルホニル尿素系薬剤は胎盤を通過することが報告されており、新生児の低血糖、また、巨大児が認められています。]

使用に注意が必要な方
次の患者には慎重に投与して下さい。
・既に肝機能障害又は腎機能障害のある患者。
・次に掲げる低血糖を起こす恐れのある患者、または状態。
肝機能障害又は腎機能障害/脳下垂体機能不全又は副腎機能不全/栄養不良状態/飢餓状態/不規則な食事摂取/食事摂取量不足又は衰弱状態/激しい筋肉運動のあと/過度のアルコール摂取者/高齢者/血糖降下作用を増強する薬剤との併用

■その他注意事項
・糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を検討してください。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、老人性糖代謝異常、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意して下さい。
・適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り行ってください。
・投与する場合には、少量より開始し、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合には、速やかに他の治療法への切り替えを行って下さい。
・投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や減量する必要がある場合があり、また患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があります。食事摂取量、体重の推移、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意して下さい。
・重篤かつ遷延性の低血糖症を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意して下さい。また、低血糖症に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させて下さい。

上記にあてはまる方は、グリクラジドを使用する事が出来ない可能性があります。
グリクラジドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・血糖降下作用を増強する薬剤:血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがあります。
糖尿病用薬(インスリン製剤/ビグアナイド系薬剤/チアゾリジン系薬剤/α-グルコシダーゼ阻害剤/DPP-4阻害剤/GLP-1受容体作動薬/SGLT2阻害剤/イメグリミン塩酸塩 等)/ピラゾロン系消炎剤(ケトフェニルブタゾン 等)/サルファ剤(スルファメトキサゾール 等)/サリチル酸剤(アスピリン/サザピリン 等)/クロフィブラート/ベザフィブラート/クマリン系薬剤(ワルファリン)/クロラムフェニコール/ミコナゾール/フルコナゾール/プロベネシド/ジヒドロエルゴタミン製剤/ジソピラミド/シベンゾリン/ピルメノール/β遮断剤(プロプラノロール/ピンドロール 等)/モノアミン酸化酵素阻害剤/三環系抗うつ剤(イミプラミン/ノルトリプチリン 等)/テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン/ドキシサイクリン 等)

・血糖降下作用を減弱する薬剤:血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあります。
アドレナリン/副腎皮質ホルモン/甲状腺ホルモン(乾燥甲状腺/リオチロニン/レボチロキシン)/利尿剤(トリクロルメチアジド/ヒドロクロロチアジド/フロセミド 等)/フェニトイン/リファンピシン/イソニアジド/ニコチン酸/卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール/エストリオール 等)/フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン 等)/ピラジナミド

上記を使用している方は、グリクラジドを使用する事が出来ない可能性があります。
グリクラジドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
他の糖尿病の薬と比べて、どの点が違うのでしょうか。

グリクラジドは、インスリン分泌不足を補う薬です。他の種類の薬としては、インスリンを効きやすくする薬、糖の吸収や排泄を調整する薬、などがあります。

糖尿病を改善するために、この薬を飲むのと並行して行った方が良いことはありますか?

2型糖尿病の原因ははっきりしていないのですが、食生活の乱れ、運動不足、肥満、ストレスなどが関係していると考えられています。その辺りに思い当たることがあれば、並行して改善していきましょう。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。