成分名 |
イミダプリル塩酸塩 |
適応症状 |
・イミダプリル塩酸塩錠2.5mg
高血圧症、腎実質性高血圧症、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症
・イミダプリル塩酸塩錠5mg
高血圧症、腎実質性高血圧症、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症
・イミダプリル塩酸塩錠10mg
高血圧症、腎実質性高血圧症 |
簡易説明 |
血圧を上げる「アンジオテンシンⅡ」という体内物質の生成をおさえます。
これにより、体の血管が広がり、また水分や電解質が調整されて血圧が下がります。
心臓や腎臓の負担を軽くする効果もあります。
おもに高血圧症の治療に使用されています。病状にもよりますが、心臓病(心不全など)や腎臓病(腎硬化症、糖尿病性腎症など)にも有効です。
血圧を適切にたもつことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器科/腎臓内科/糖尿病内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
新薬 薬価:タナトリル錠2.5mg/23.9円、タナトリル錠5mg/42円、タナトリル錠10mg/81.4
後発品 薬価:イミダプリル塩酸塩錠2.5mg/10.4円、イミダプリル塩酸塩錠5mg/18.6円、イミダプリル塩酸塩錠10mg/37.8円
病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
イミダプリル塩酸塩錠(2.5mg/5mg/10mg) 販売開始年月:2008年7月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
タナトリル錠(2.5mg/5mg/10mg)「田辺三菱製薬」 |
関連製品(ジェネリック) |
・イミダプリル塩酸塩錠2.5mg/5mg/10mg
(武田、ファイザー、第一三共、ニプロ、ケミファ、 沢井、東和、日医工、杏林、陽進堂、大原辰巳、日本ジェネリック) |
効果・作用 |
体内にはアンジオテンシノーゲンという物質から、アンジオテンシンIを経てアンジオテンシンⅡが生成される仕組みがあります。
アンジオテンシノーゲンとは、内臓脂肪が増えると脂肪細胞自体からの分泌が高まり、血液中のアンジオテンシンを増加させて血圧を上昇させる物質です。
アンジオテンシンⅡはアンジオテンシンIから「アンジオテンシン変換酵素」の働きによって変換されます。
なお、アンジオテンシンⅡには体内で心臓の肥大化や腎臓の線維化(腎臓の炎症などで腎機能が低下する状態)を促進する作用もあるとされています。
イミダプリル塩酸塩は、この血圧を上げる「アンジオテンシンⅡ」という体内物質の生成を抑制する薬です。
アンジオテンシンⅡは、血管収縮作用や副腎皮質からアルドステロンという物質を分泌させる作用などが確認されています。
アルドステロンは腎臓に働きナトリウムイオン(Na+)の再吸収に関わることで循環血液量の増加がおき、心拍出量や末梢血管抵抗が増加して、体内の血管が拡張します。
また水分や電解質が調整され血圧が下がって、心臓や腎臓の負担を軽くする効果もあります。
有効成分であるイミダプリル塩酸塩は、主に高血圧症の治療に使用されています。
病状にもよりますが、心臓病(心不全など)や腎臓病(腎硬化症、糖尿病性腎症など)にも有効です。
血圧を適切に保つことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。
ACE阻害薬と呼ばれる系統です。この系統は効き目がよく、また安全性も高いので、高血圧の治療に第一選択されるようになりました。
とくに、心不全や糖尿病のある人に向きます。
血糖、尿酸、脂質などに影響しません。
年齢を問わず広く用いることができます。
予後改善効果(長生き)についても、長期臨床試験により証明されています。
心不全や腎不全、糖尿病性腎症においても、有効性が示されています。 |
使用方法 |
・高血圧症、腎実質性高血圧症:
通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5~10mgを1日1回経口投与します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
ただし、重症高血圧症、腎障害を伴う高血圧症または、腎実質性高血圧症の方では2.5mgから投与を開始することが望ましいとされています。
・1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症:
通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5mgを1日1回経口投与します。
ただし、重篤な腎障害を伴う患者では2.5mgから投与を開始することが望ましいとされています。 |
副作用 |
主な副作用
咳、喉の異和感、だるい、めまい、ふらつき、低血圧、腎機能の一過性の悪化、吐き気、腹痛、下痢、味覚異常、発疹、かゆみ
イミダプリル塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
イミダプリル塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
重大な副作用
血管浮腫:顔や唇、舌、喉がひどく腫れる、飲み込みにくい、息がしにくい、手足が腫れる
急性腎不全:尿が少ない・出ない、むくみ
高カリウム血症:だるい、息切れ、脈の乱れ、手足のしびれ、不安感、取り乱す、けいれん
重い皮膚・粘膜障害:発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感
重い血液成分の異常:発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向
肝臓の重い症状:だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色
膵炎:吐き気、吐く、上腹部~背中の激しい痛み
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■イミダプリル塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
血管浮腫を起こしたことのある人は使用できません。
また、虚血性の腎臓病や高カリウム血症のある人は、その病状により使用できないことがあります。
▼適さないケース
血管浮腫の既往歴のある人、コレステロール吸着療法(LDLアフェレーシス)またはAN69膜による血液透析療法を受けている人、糖尿病の人でアリスキレン(ラジレス)を服用している場合、妊娠している人など。
・本剤の成分に対し、過敏症の既往歴のある方
・血管浮腫の既往歴のある方
(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)
呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがあります。
・デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコールまたは、ポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の方
(ショックを起こすことがあります)
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた血液透析施行中の方
(アナフィラキシーを発現することがあります)
・妊婦又は妊娠している可能性のある方
・アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病の方(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の方を除きます)
(非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されています)
・サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物を投与中の方または投与中止から36時間以内の方
使用に注意が必要な方 糖尿病がある人で、別の高血圧の薬のアリスキレン(ラジレス)を飲んでいる人も原則的に控えるようにします。
そのほか、血液透析を受けている人、減塩療法中の人、利尿薬を服用中の人、また高齢の人は少量より開始するなど、血圧の下がり過ぎに十分な注意が必要です。
中期以降に飲み続けると、胎児の発育に悪い影響をおよぼすおそれがあるためです。
もし、妊娠の可能性がでてきましたら、すぐに受診し確定検査を受けてください。
▼注意が必要なケース
重い腎臓病、腎臓の動脈が狭い人、高カリウム血症、脳卒中を起こしたことのある人、重症の高血圧症、血液透析中、減塩療法中、手術前、高齢の方など。
【飲み合わせ】
飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。
飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。
服用中の薬は、市販薬もふくめ医師に報告しておきましょう。
上記にあてはまる方は、イミダプリル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
イミダプリル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
【食生活について】
とくに飲みはじめは、めまいや立ちくらみを起こしやすくなります。
急に立ち上がらないで、ゆっくり動作するようにしましょう。
本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切です。
減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。
軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。
できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているか検査することをおすすめします。
上記にあてはまる方は、イミダプリル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 イミダプリル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)
・カリウム補給剤塩化カリウム等
(血清カリウム値が上昇することがあります。併用する場合は血清カリウム値にご注意ください)
・アリスキレンフマル酸塩
(腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧の観察を十分に行ってください)
(なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある方へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けることとされています)
・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤
(腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧の観察を十分に行ってください)
・利尿降圧剤トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等
(利尿降圧剤で治療中の患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがあるので少量から投与するなど慎重投与を行ってください)
・リチウム製剤炭酸リチウム
(リチウム中毒(眠気、振戦、錯乱等)を起こすことがあります。定期的にリチウムの血中濃度を測定し、異常があれば減量もしくは投与を中止してください)
・非ステロイド性抗炎症剤、インドメタシン等
(降圧作用が減弱することがあります。定期的に血圧を観察し、適切な処置をとってください。)
(腎機能を悪化させるおそれがあります。異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください)
・カリジノゲナーゼ製剤
(本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性があります)
・他の降圧作用を有する薬剤(降圧剤、硝酸剤等
(降圧作用が増強することがあります。定期的に血圧を測定し、両剤の用量を調節します)
上記を使用している方は、イミダプリル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 イミダプリル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコールまたは、ポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行
・リポソーバー
・イムソーバTR
・セルソーバ等
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析
・AN69
・アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)
(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除きます)
・サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物(エンレスト)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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