成分名 |
ビルダグリプチン |
適応症状 |
2型糖尿病 |
簡易説明 |
血液中の糖分である「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリン・ホルモンで調節されます。
糖尿病は、そのインスリン量の不足や働きが悪くなることで血糖値が上昇してしまう病気です。
放置すると、手足の痺れ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病など様々な合併症を引き起こします。
ビルダグリプチンは、血糖を下げる血糖降下薬です。
好ましい特性として、血糖値を適時、適度に下げる点があげられます。
つまり、血糖値が高いときにインスリンを分泌させ、血糖をほどよく下げるのです。
適応症は、2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)です。
日々の血糖値を適切に保つことは、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります。 |
処方可能な診療科目 |
内科・糖尿病内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約2,000円~30,000円程度(3割負担)
【薬価】
エクア錠50mgの1錠あたりの目安:65.5円
エクメット配合錠LDの1錠あたりの目安:60.8円
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
エクア錠50mgの発売年月日:2010年 4月 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
製薬メーカー:ノバルティス ファーマ
エクア錠50mg、エクメット配合錠LD/HD |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
人間は食事をすると、インクレチン(GLP-1、GIP)という消化管ホルモンが分泌され、膵臓に対しインスリンが分泌されます。
さらに、インクレチン(GLP-1)は膵臓からのグルカゴン分泌を低下させ、肝臓における糖の産生を抑制します。
インクレチンはこのようにして血糖を下げるのですが、血糖依存的に作用するので、血糖値が低い場合にはインスリンの分泌を促進せず必要以上に血糖を下げません。
ビルダグリプチンの有効成分ビルダグリプチンは、インクレチンを分解する酵素DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ4)を選択的に阻害し、活性型インクレチン濃度を上昇させます。
結果、鈍っているインクレチンの働きを高め、血糖依存的な血糖低下作用をもたらします。
このような薬理作用から選択的DPP-4阻害薬と呼ばれています。
国内2番目の選択的DPP-4阻害薬です。
スルホニルウレア系など従来からのインスリン分泌促進薬とは作用機序が違います。
その作用は、DPP-4阻害作用にもとづき、インクレチンを介するものです。
HbA1c値が低下し、血糖コントロールが改善されます。
単独ではやや弱いので、他の糖尿病治療薬と併用することがあります。
インスリン注射薬を含め、α-グルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジン薬、スルフォニル尿素薬、速効型インスリン分泌促進薬、ビグアナイド薬など、すべての糖尿病治療薬との併用が可能です。
血糖に依存し比較的ゆるやかに作用しますので、効きすぎによる低血糖を起こしにくいです。
また、食欲を増進することがなく体重増加をきたしにくいとされます。
これらの特性から、新規発症者や高齢の人に向くようです。
また、肥満型にくわえ日本人に多い非肥満型の糖尿病にも有用と考えられています。
肝障害を起こすことがあるため、定期的に肝機能検査をおこなう必要があります。
もともと肝臓病のある人は慎重に用いるようにします。
新しい薬なので、本当に合併症を予防できるのか、長生きにつながるのかなど長期的な予後改善効果については、まだよく分かっていません。 |
使用方法 |
▼エクア錠50mg
通常、成人は、ビルダグリプチンとして50mgを1日2回朝、夕に経口服用します。
なお、患者の状態に応じて50mgを1日1回朝に服用することができます。 |
副作用 |
主な副作用
低血糖:力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)
肝臓の重い症状:だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色
膵炎:吐き気、吐く、上腹部~背中の激しい痛み
腸閉塞:お腹が張る・膨れる、吐き気、吐く、便秘、腹痛
横紋筋融解症:手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿
血管浮腫(ACE阻害薬と併用時):顔や唇、舌、喉がひどく腫れる、息がしにくい
間質性肺炎:から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱
類天疱瘡:水ぶくれ、びらん、紅斑、かゆみ
ビルダグリプチンには、副作用が起こる可能性があります。
ビルダグリプチンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
重大な副作用
・肝炎、肝機能障害
・血管浮腫
・低血糖
・横紋筋融解症
・急性膵炎
・腸閉塞
・間質性肺炎
・類天疱瘡
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ビルダグリプチンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(代表薬の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼代表薬の有効成分
ビルダグリプチン
▼代表薬の添加物
・セルロース、乳糖、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム
・糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病患者の方
・重度の肝機能障害のある方
・重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方
使用に注意が必要な方 ・合併症・既往歴等のある方
・心不全のある方
▼低血糖を起こすおそれのある以下の方または状態
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取者
・腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある方
・腎機能障害患者の方
・中等度以上の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者の方
・肝機能障害患者
・重度の肝機能障害のある方
・肝機能障害のある方
・妊婦の方
・授乳婦の方
・小児等の方
・高齢者の方
上記にあてはまる方は、ビルダグリプチンを使用する事が出来ない可能性があります。 ビルダグリプチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・糖尿病用剤
・スルホニルアミド系及びスルホニルウレア系薬剤
・ビグアナイド系薬剤
・インスリン製剤
・チアゾリジン系薬剤
・α-グルコシダーゼ阻害剤
・速効型インスリン分泌促進剤
・GLP-1受容体作動薬
・SGLT2阻害剤等
・β-遮断剤
・サリチル酸剤
・MAO阻害剤
・アドレナリン
・副腎皮質ホルモン
・甲状腺ホルモン等
・フィブラート系薬剤等
・アンジオテンシン変換酵素阻害剤
上記を使用している方は、ビルダグリプチンを使用する事が出来ない可能性があります。 ビルダグリプチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 該当なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |