クロルプロパミド

成分名

クロルプロパミド

適応症状

・インスリン非依存型糖尿病
(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)

簡易説明

・膵臓の細胞に作用し、膵臓にあるランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるスルホニルウレア受容体(SU受容体)に結合、インスリン分泌を促進して血糖値を下げます。
・血糖値があがり続けると、手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病などいろいろな合併症がおこります。クロルプロパミドの作用により血糖値を下げることで予防もできます。
・スルフォニル尿素誘導体に属してます。

処方可能な診療科目

内科、消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~10,000円

クロルプロパミド錠/9.8円(250mg1錠)

※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1969年1月販売開始

国内のジェネリック認可

ありません

関連製品(先発薬)

メーカー:小林化工
クロルプロパミド錠250mg「KN」
アベマイド錠250mg 

※アベマイド錠は令和2年6月25日付けで医薬品として廃止されております。

関連製品(ジェネリック)

ありません

効果・作用

▼クロルプロパミドの作用▼

・スルフォニル尿素系の血糖降下薬です(SU薬)で、主に、2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)に用いられます。糖尿病は血液中の血糖が異常もしくは過多な状態で、血糖値が高い状態が続くと手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病、心臓病や脳卒中、動脈硬化など直接死亡リスクに関係する合併症がおこります。血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促進することで血糖値がさがり、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります。
・インスリン分泌能の残存する膵ランゲルハンス島β細胞を刺激してインスリンの分泌を高めます。
インスリン分泌作用は、β細胞のATP依存性K+チャネルを閉口して脱分極を起こすことによりCa2+チャネルを開口し、Ca2+を細胞内に流入させることによるものです。

▼SU(スルホニルウレア)剤の作用機序▼
・膵β細胞膜のSU受容体に結合し、ATP感受性Kチャネルを閉口し、膜を脱分極させ、膜電位依存性Caチャネルを開口、インスリン分泌を促進します。
・SU受容体はEpac2(cAMPGEF)と複合体を形成していて、SU受容体からのCa2+放出までの一連の流れ以外に、Epac2→Rap1→インスリン分泌という副経路が存在しております。
・SU剤にはEpac2を活性化するものとされないものがあり、グリミクロン以外のSU剤はSU受容体だけでなく、Epac2にも結合してインスリン分泌を強化いたします。
インクレチン(GIP、GLP1)もインクレチン受容体を介し、cAMPを活性化→cAMPがPKA非依存にEpac2に結合してRap1から同じようにインスリン分泌を強化するので、SU剤とインクレチン関連薬の併用により相乗効果が起こって更に低血糖のリスクが高まるとされております。

▼インスリン分泌作用▼
「細胞内にエネルギー源を取り込む」
・インスリンは細胞にエネルギー源を取り込むという作用があります。脳や全身へ栄養分を乗せてめぐる赤血球では糖が必要で、糖の取り込みが促されるのは、肝臓、骨格筋、脂肪組織です。食事などから得られる糖の約半分は、肝臓に貯蔵され、残りが血液中に入り、細胞や骨格筋などエネルギーの必要な臓器に供給されます。

「肝臓でのグリコーゲン合成の促進と抑制」
・インスリンの働きは、食後と空腹時では作用が異なり、空腹時においては、インスリンの分泌が行われると、肝臓では「グリコーゲン」を分解、糖を作り出そうとします。食事で得られたグリコーゲンを使い果たすと、アミノ酸やグリセロールなどから糖を合成も行います。
・インスリンは、血糖値が上がり過ぎないように糖新生を抑えるする作用もあります。食後、血液中に十分に糖が流れているときには、膵臓からのインスリン追加分泌により肝臓での糖新生を抑えて血糖値が適正になるように調節する作用もございます。

▼SU薬と併用することで、SU薬の作用を強める/弱める薬▼

「SU薬の作用を強める薬」
酸性NSAIDs/プロベネシド/アドレナリンβ受容体遮断薬/クロラムフェニコールフィブラート系薬(クロフィブラート)/クマリン系抗凝血薬(ワルファリン)/酸性NSAIDs

「SU薬の作用を弱める薬」
副腎皮質ステロイド/利尿薬/チアジド系利尿薬/ループ利尿薬

使用方法

・クロルプロパミドとして1日1回100〜125mgを朝食前又は後に経口投与してください。

※必要に応じ適宜増量して維持量を決定する。
※1日最高投与量は500mgとする。

副作用

主な副作用
クロルプロパミドには、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

血小板減少、肝機能障害、腹部不快感、過敏症、発疹、光線過敏症、ジスルフィラム様作用、アルコール耐性低下、甲状腺機能異常 、 体温低下、低ナトリウム血症

重大な副作用
低血糖、脱力感、高度空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣 、低血糖症状、再生不良性貧血、無顆粒球症

※極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
※重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
※異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
胃腸障害/インスリン依存型糖尿病/嘔吐/過敏症/下痢/重症感染症/重症ケトーシス/重篤な外傷/重篤な肝機能障害/重篤な腎機能障害
手術前後/糖尿病性前昏睡/糖尿病性昏睡/妊婦・産婦/新生児(低出生体重児を含む)

使用に注意が必要な方
栄養不良状態/過度のアルコール摂取/肝機能障害/飢餓状態/腎機能障害/低血糖/脳下垂体機能不全/激しい筋肉運動/不規則な食事摂取
副腎機能不全/食事摂取量不足/高齢者/虚弱者(衰弱者を含む)

上記にあてはまる方は、クロルプロパミドを使用する事が出来ない可能性があります。
クロルプロパミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
インスリン製剤/ビグアナイド系製剤/αグルコシダーゼ阻害剤/アカルボース/ボグリボース/DPP4阻害剤/シタグリプチンリン酸塩水和物
プロベネシド/クマリン系抗凝血剤/サリチル酸製剤/アスピリン/プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤/ナプロキセン/ピラゾロン系化合物/フェニルブタゾン/β遮断剤/プロプラノロール/モノアミン酸化酵素阻害剤/サルファ剤/クロラムフェニコール/テトラサイクリン系抗生物質/フィブラート系薬剤/クロフィブラート/アゾール系抗真菌剤/フルコナゾール/アロプリノール/GLP1アナログ/リラグルチド/エピネフリン/副腎皮質ホルモン剤/ヒドロコルチゾン/甲状腺ホルモン剤/卵胞ホルモン/利尿剤/ピラジナミド/イソニアジド/ニコチン酸製剤/フェノチアジン系薬剤/ACE阻害剤

【飲食物との相互作用】
ニコチン酸(ナイアシン)を含むもの<まいたけ、たらこ、インスタントコーヒー、かつお節、まぐろ、など>

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ごはんを食べた後に飲めばいいですか?

米にはニコチン酸が多く含まれており、相互作用の可能性があるので、用法用量を確認の上、使用してください。

普段、利尿剤を使ってるんですが、たまに飲むなら一緒に飲んでも大丈夫ですか?

併用禁忌薬に該当するので、量に限らず併用するのはおやめください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。