ジソピラミド

成分名

ジソピラミド

適応症状

心疾患において、不整脈の一種と呼ばれている疾患に、頻脈性不整脈、または期外収縮、若しくは発作性上室性頻脈、そして心房細動があるが、これらが起きている状態で、他の抗不整脈薬による使用が何らかの原因でできないか、又は効果が期待できない場合

簡易説明

ジソピラミドは心筋へ直接作用する事でその作用を発揮する不整脈治剤になります。不整脈の中で適応を取得しているのは期外収縮、発作性上室性頻脈、心房細動でしたが、遅れて徐放性不整脈治療剤が発売されて以来、上室性又は心室性における頻脈性不整脈に対しても適応を取得し治療の幅が広がりました。但しいづれの場合においても使用できる条件として、他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合に限りとされており、ファーストチョイスとしての使用はできないことが特徴です。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/心臓内科/循環器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:50mg約20円/100mg約32円/150mg約35円
薬代後発薬1錠の目安:50mg約10円/100mg約15円/150mg約13円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

リスモダンカプセル50mg(リスモダン50で発売されたが調剤事故の観点から後に名称変更が行われた)
1985年9月20日に製造販売承認
2002年1月22日製造販売承認(変更後)
1987年10月1日に薬価基準収載収載
2002年7月5日薬価基準収載(変更後)
1987年10月1日発売

リスモダンカプセル100mg(リスモダンで発売されたが調剤事故の観点から後に名称変更が行われた)
1978年1月24日に製造販売承認
2002年1月22日製造販売承認(変更後)
1978年3月10日に薬価基準収載収載
2002年7月5日薬価基準収載(変更後)
1978年4月3日発売

リスモダンR錠150mg(リスモダンR錠で発売されたが調剤事故の観点から後に名称変更が行われた)
1989年6月28日に製造販売承認
2002年1月22日製造販売承認(変更後)
1988年8月22日に薬価基準収載収載
2002年7月5日薬価基準収載(変更後)
1988年10月3日発売

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

リスモダンカプセル50mg/100mg【製薬メーカー:クリニジェン株式会社】
R錠150mg【製薬メーカー:クリニジェン株式会社】
P静注50mg【製薬メーカー:クリニジェン株式会社】

関連製品(ジェネリック)

ジソピラミドカプセル50mg/100mg「ファイザー」【製薬メーカー:マイランEPD合同会社」
ジソピラミドリン酸塩徐放錠150mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】
ジソピラミドリン酸塩徐放錠150mg「日医工」【製薬メーカー:日医工ファーマ株式会社】
ジソピラミド徐放錠150mg「SW」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】
ジソピラミド徐放錠150mg「VTRS」【製薬メーカー:マイランEPD合同会社】

海外での使用実績

フランスにおいてサノフィが、RYTHMODAN(販売名)、RYTHMODAN 250MG LP(販売名)として販売されております。
イギリスにおいてサノフィが、RYTHMODAN(販売名)、RYTHMODAN RETARD(販売名)として販売されております。
カナダにおいてサノフィが、RYTHMODAN(販売名)として販売されております。

効果・作用

ジソピラミドは、不整脈に効果のある医薬品です。但し不整脈にも多数存在する中で、頻脈性不整脈、または期外収縮、若しくは発作性上室性頻脈、そして心房細動に対して適応症状を持ちます。条件として、これら不整脈が起きている状態において、他の抗不整脈薬による使用が何らかの原因でできないか、又は効果が期待できない場合にたいしてのみ適応を持つ医薬品になります。

その作用機序は、心筋への直接作用にあります。心筋へ直接作用する事により、活動電位のphase 0の立ち上がり速度を減少させます。その作用はキニジン硫酸塩水和物より弱いとされております。また洞結節細胞並びにプルキンエ線維においてはphase 4における緩徐拡張期脱分力総の抑制を示す事によりその作用を発揮します。
本剤はNaチャネル遮断剤と呼ばれるⅠa群抗不整脈薬に属します。抗不整脈薬はその作用によってⅠ群~Ⅳ群に分類されます。本剤その中でもⅠ群に属する医薬品になります。本剤は心筋細胞においてNaチャネルを遮断する事によりNa+の細胞内への流入を抑制します。その結果、活動電位の立ち上がり速度を抑える事により脈の乱れを整えます。
またジソピラミドはⅠ群の中でも特にⅠa群に属しており、その作用は活動電位の持続時間も延長させます。これはKチャネル遮断作用によるとされており不応期も延長させます。

使用方法

リスモダンカプセル100mgの場合:
通常成人においては1日3回 1回1カプセル(100mg)を経口投与する事とされております。但し患者の症状においては適宜増減する事が認められております。
リスモダンカプセル50mgの場合:
通常成人においては1日3回 1回2カプセル(100mg)を経口投与する事とされております。但し患者の症状においては適宜増減する事が認められております。
リスモダンR錠150mgの場合は:
通常成人においては1日2回 1回1錠を経口投与する事とされております。但し患者の年齢や症状の酔っては適宜増減する事が認められております。

副作用

重大な副作用
1)心停止(頻度不明)、心室細動(頻度不明)、心室頻拍(頻度不明)、心室粗動(頻度不明)、心房粗動(頻度不明)、房室ブロック(頻度不明)、洞停止(頻度不明)、失神(頻度不明)、心室不全悪化等(頻度不明)
2)低血糖(頻度不明)
3)無顆粒球症(頻度不明)
4)肝機能障害(0.9%)、黄疸(頻度不明)
5)麻痺性イレウス(頻度不明)
6)緑内障悪化(頻度不明)
7)痙攣(頻度不明)

その他の副作用
循環器、血液、消化器、肝臓、腎臓、泌尿器、視覚器、精神神経系、過敏症
※発生頻度は以下の通りです。
1)循環器
動悸(頻度不明)
徐脈(0.1~5%未満)
心胸比増大、QT延長、血圧低下、QRS幅増大(0.1%未満)
2)血液
貧血、血小板減少(0.1%未満)
3)消化器
胸やけ、胃のもたれ、口内異常感(頻度不明)
口渇、食欲不振、便秘、下痢、嘔気、腹痛、腹部膨満感、胃部不快感(0.1~5%未満)
嘔吐(0.1%未満)
4)肝臓
Al-P、ビリルビンの上昇等(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等(0.1~5%未満)
5)腎臓
腎機能障害(0.1%未満)
6)泌尿器
排尿困難、排尿時間延長(頻度不明)
尿閉、排尿障害(0.1~5%未満)
夜尿、多尿、頻尿、乏尿、尿の停滞感(0.1%未満)
7)視覚器
複視、霧視、黄視、光に対する過敏症、視力障害(0.1%未満)
8)精神神経系
痺れ(頻度不明)
頭痛、眩暈(0.1~5%未満)
眠気、不眠、痺れ感、感覚障害、振戦(0.1%未満)
9)過敏症
発疹等(0.1~5%未満)
10)その他
顔のほてり、鼻乾燥、呼吸困難(頻度不明)
全身倦怠感(0.1~5%未満)
胸部圧迫感、胸部不快感、胸痛、顔面灼熱感、浮腫、ほてり、嗄声、インポテンス、月経異常、女性型乳房(0.1%未満)

リスモダンR錠150mgとは若干発生頻度に違いがある事には注意が必要です。但しいづれの場合においても過敏症などのような異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者
2)うっ血性心不全のある患者
3)透析患者を含む重篤な腎機能障害のある患者
4)高度のあ肝機能障害のある患者
5)スパルフロキサシン、モキシフロキサシン塩酸塩、ラスクフロキサシン塩酸塩(注射剤)、トレミフェンクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、アミオダロン塩酸塩(注射剤)、エリグルスタット酒石酸塩、フィンゴリモド塩酸塩又はシポニモドフマル酸塩を投与中の患者
6)閉塞隅角緑内障の患者
7)尿貯留傾向のある患者
8)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

■ジソピラミドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、リスモダンカプセル50mg/100mg/R錠150mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼リスモダンカプセル50mg/100mg/R錠150mg)の有効成分
ジソピラミド
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物、トウモロコシデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、青色1号、ラウリル硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、モノステアリン酸グリセリン、白糖、ポビドン、ブドウ糖、ヒプロメロース、プロピレングリコール

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
②刺激電動障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者(高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者を除く)
③心房粗動のある患者
④他の抗不整脈薬を併用している患者
⑤治療中の糖尿病患者
⑥重症筋無力症の患者
⑦血清カリウム低下のある患者
⑧開放隅角緑内障の患者
2)腎機能障害患者
①透析患者を含む重篤な腎機能障害のある患者は投与しない事。
②腎機能障害のある患者(透析患者を含む重篤な腎機能障害のある患者を除く)
3)肝機能障害患者
①高度な肝機能障害のある患者においては投与しない事。
②肝機能障害のある患者(高度な肝機能障害のある患者を除く)
4)妊婦
5)授乳婦
6)小児等
7)高齢者

上記にあてはまる方は、ジソピラミドを使用する事が出来ない可能性があります。
ジソピラミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)エリスロマイシン、クラリスロマイシン
2)β遮断剤(アテノロール等)
3)フェニトイン
4)リファンピシン
5)糖尿病用薬(インスリン、スルホニル尿素系薬剤等)
6)セイヨウオトギリソウ含有食品
7)ラスクフロキサシン塩酸塩(錠剤)(ラスビック)

上記を使用している方は、ジソピラミドを使用する事が出来ない可能性があります。
ジソピラミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
1)スパルフロキサシン(スパラ)、モキシフロキサシン塩酸塩(アベロックス)、ラスクフロキサシン塩酸塩(注射剤)(ラスビック点滴静注キット)、トレミフェンクエン酸塩(フェアストン)
2)バルデナフィル塩酸塩(レビトラ)
3)アミオダロン塩酸塩(注射剤)(アンカロン注)
4)エリグルスタット酒石酸塩(サデルガ)
5)フィンゴリモド塩酸塩(イムセラ、ジレニア)
6)シポニモドフマル酸塩(メーゼント)

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
リスモダンカプセル100㎎を飲み忘れたときはどうしたらよいか?

飲み忘れた場合は、気がついた時点で直ちに服用するようにしましょう。次の服用時間まで2~3時間しかない場合は、1回分はとばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
インタビューホーム 【クリニジェン株式会社】

ジソピラミド服用中は車の運転はしても良いか?

ジソピラミド服用により眩暈・低血糖等が現れる事があります。その為高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意が必要とされております。
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徐放錠を飲み忘れたときはどうしたらよいか?

飲み忘れに気づいた時点で直ちに1回分を服用するようにしましょう。但し、次に飲む時間が近い場合には飲まずに飛ばして次に指示された時間から再開するようにしましょう。
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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。