成分名 |
エドキサバントシル酸塩水和物 |
適応症状 |
静脈血栓塞栓症の治療/再発抑制
深部静脈血栓症の治療/再発抑制
肺血栓塞栓症の治療/再発抑制
股/膝関節全置換術の静脈血栓塞栓症の発症抑制
股関節骨折手術の静脈血栓塞栓症の発症抑制
非弁膜症性心房細動の虚血性脳卒中/全身性塞栓症の発症抑制 |
簡易説明 |
血液凝固(血液が固まること)には血液を固める要因になる物質(血液凝固因子)が必要です。エドキサバントシル酸塩水和物は血液凝固因子の因子Xa(FXa)を妨害します。プロトロンビンからトロンビンへの変換を抑え、トロンビン産生を減少させることでフィブリンによる血栓形成を抑える抗凝固作用があります。主に、血栓の形成を抑え脳梗塞や心筋梗塞などを予防するのに使用されております。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~
薬代1錠あたりの目安:1錠15mg約224.7円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 2011年7月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
リクシアナ錠15mg/30mg/60mg【製薬メーカー:第一三共】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
・心房細動では、脈拍が無秩序に速く細かくなり、心臓がけいれんし震えているような状態になります。そのため、心臓内の血流がよどみ、血の塊り≪血栓≫ができやすくなります。血栓がはがれ脳動脈に流れ込むと「脳卒中(虚血性脳卒中、脳梗塞)」を起こす可能性があります。脳卒中は「心原性脳塞栓症」と呼ばれ、重症化する可能性があります。また、血栓が脳以外に運ばれ、まれに全身性塞栓症(腎梗塞、腸梗塞、心筋梗塞など)を起こすこともあります。エドキサバントシル酸塩水和物は、血液を固まりにくくする「抗凝固薬」となります。心臓の内部の、左心房内で血液が固まるのを抑制し、心房細動に起因する脳卒中や全身性塞栓症の発症を抑えます。
・血液を固める重要な役目をするのが「トロンビン」という酵素となります。トロンビンの生成過程にかかわる血液凝固第X因子(FXa)を妨害することで、血液を固まりにくくします。こういった働きがあるため、活性化血液凝固第Ⅹ因子阻害薬(FXa阻害薬)と呼ばれております。
・術後血栓予防の第一選択薬として期待されており、飲み薬なので、毎日の注射のわずらわしさがなく、患者さんの負担が軽減されます。また、注射剤のFXa阻害薬(アリクストラ)に比べ、1日薬価が約3分の1におさえらるので経済的にも安心できます。
≪作用機序≫
・血液凝固に関与する活性型血液凝固第Xa因子を選択的に阻害する「Xa因子阻害薬」に分類されています。Xaを直接阻害し、プロトロンビンからトロンビンの生成が阻害され、最終的にはフィブリンの生成が阻害されます。フィブリン合成が阻害されることで二次血栓の発生を抑制する結果、静脈血栓塞栓症の治療・再発抑制が可能となります。
≪血栓症とは≫
・血管内で血液が固まり、血流が悪くなるのが「血栓症」です。血栓が流れ、その先の血管を塞いでしまうのが「塞栓症」です。このうち「深部静脈血栓症」では、手足とくにふくらはぎや大腿あるいは骨盤などの深部静脈に血栓が形成されます。その血栓が肺に流れ、肺動脈を閉塞してしまうのが命にかかわる「肺血栓塞栓症」です。深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症を総称し「静脈血栓塞栓症」と呼んでおります。
▼その他のFXa阻害薬▼
イグザレルト/エリキュース/リクシアナ |
使用方法 |
≪「非弁膜症性心房細動患者」における虚血性脳卒中、「全身性塞栓症」の発症抑制についての方法≫
・以下の用量を1日1回経口投与すること
・体重60kg以下:30mg
・体重60kg超:60mg
※「腎機能」や「併用薬」に対応して、減量をお願いします。「1日1回30mg」とします。
※出血のリスクが高い高齢者の時は、状況に応じ「1日1回15mg」に減量できます
≪静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症または、肺血栓塞栓症)の治療や再発抑制≫
・以下の用量を1日1回経口投与してください。
「体重60kg以下→30mg」
「体重60kg超→60mg」
※併用薬、腎機能に応じて、1日1回30mgに減量してください
≪下肢整形外科手術施行患者、静脈血栓塞栓症の発症抑制の場合≫
成人は「30mg1日1回」経口投与をしてください。
「用法、用量の関連注意」
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および、全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症の治療および、再発抑制〉
・非弁膜症性心房細動で、30≦CLcr値[mL/min]≦50、静脈血栓塞栓症の治療または、再発抑制で30≦CLcr値[mL/min]≦50(深部静脈血栓症の治療や再発抑制で30≦CLcr値[mL/min]≦50及び肺血栓塞栓症の治療もしくは再発抑制で30≦CLcr値[mL/min]≦50):30mgを1日1回経口投与すること
≪非弁膜症性心房細動患者で、虚血性脳卒中および、全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および、肺血栓塞栓症)の治療および、再発抑制≫
・腎機能障害のある患者では、腎機能に応じて以下ように投与すること
〈非弁膜症性心房細動患者において、虚血性脳卒中、全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症もしくは、肺血栓塞栓症)の治療や再発抑制〉
・非弁膜症性心房細動で15≦CLcr値[mL/min]<30、再発抑制もしくは、静脈血栓塞栓症の治療もしくは、再発抑制で15≦CLcr値[mL/min]<30(深部静脈血栓症の治療または、で15≦CLcr値[mL/min]<30および、肺血栓塞栓症の治療や、再発抑制で、15≦CLcr値[mL/min]<30):安全性や有効性は確立おらず、投与の適否を慎重に判断し、投与する場合は30mgを1日1回経口投与すること(「非弁膜症性心房細動で15≦CLcr値[mL/min]<30」の時は、年齢、状態に応じて、減量を考慮してください。15mg1日1回となります。
〈非弁膜症性心房細動の方の虚血性脳卒中または、全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症の治療および、再発抑制〉
・P糖蛋白阻害作用がある薬剤を併用する場合、併用薬に応じて以下のように投与してください。
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および、全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症の治療および、再発抑制〉
・P糖蛋白阻害作用がある薬(シクロスポリン、キニジン硫酸塩水和物、エリスロマイシン、ベラパミル塩酸塩、):併用する場合、30mgを1日1回経口投与してください。
①〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および、全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および、肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制〉
・P糖蛋白阻害作用がある薬剤(HIVプロテアーゼ阻害剤、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、イトラコナゾール、アミオダロン塩酸塩、ジルチアゼムなど):治療上の有益性と危険性を考慮し、併用が適切と判断される方のみ併用、その場合、30mgを1日1回経口投与することを考慮してください。
②〈虚血性脳卒中や、非弁膜症性心房細動患者、全身性塞栓症の発症抑制〉
・高齢の方(80歳以上)で、条件を満たす場合、治療上での出血リスクや有益性や十分考慮し、投与の適否を慎重に判断してください。投与する時は「15mg1日1回」を経口投与を考慮してください。
高齢の非弁膜症性心房細動で出血性素因を1つ以上有する[①「頭蓋内」「眼内」「消化管」など重要器官での出血がある②低体重(約45kg以下)③クレアチニンクリアランス15mL/min以上30mL/min未満、④抗血小板剤を使用、⑤非ステロイド性消炎鎮痛剤を常にの使用]
③他の経口抗凝固剤、通常の用量の承認されている用量では、出血のリスクがあるため、投与することはできません。
〈下肢整形外科手術施行患者において「静脈血栓塞栓症」の発症抑制〉
下肢整形外科手術での、「静脈血栓塞栓症」において、CLcr30以上50mL/min未満の方では、個々の方々の出血リスクや静脈血栓塞栓症発現リスクを評価した上で、減量することを十分考慮してください。15mg1日1回での投与をお願いします。
〈下肢整形外科手術施行患者での、静脈血栓塞栓症の発症抑制〉
・P糖蛋白阻害作用がある薬を同時に使用する場合は、減量することを考慮してください。その場合、15mg1日1回となります。
〈下肢整形外科手術施行患者においての、静脈血栓塞栓症の発症抑制〉
・初めての投与は、手術後として「12時間」を経過したのち、手術創などからの「出血」がないことを確認してから行ってください。
〈下肢整形外科手術施行の方において、静脈血栓塞栓症の発症抑制〉
・初回投与は、腰椎穿刺あるいは、硬膜外カテーテル抜去から、2時間を経過してから行ってください。初回投与以降で処置をするときは、前回の投与から必ず12時間以上の十分な時間をあけてください。そして、かつ、予定している次回の投与の少なくとも2時間以上前に実施することとします。 |
副作用 |
主な副作用
創傷出血、貧血、出血傾向、鼻出血、血尿、尿中血陽性、皮下出血、挫傷、肝機能異常、血小板数増加、好酸球増多
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
消化管出血、頭蓋内出血、眼内出血、後腹膜出血、重大な出血、臨床的に問題となる出血、臨床的に問題となる出血増悪、肝機能障害、黄疸、AST上昇、ALT上昇、間質性肺疾患、血痰、肺胞出血、咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音異常
その他の副作用
月経過多、関節内血腫、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、ALP上昇、LDH上昇、頭痛、下痢、発疹、そう痒、浮腫、尿酸上昇、トリグリセリド上昇、血小板数減少、浮動性めまい、悪心、腹痛、過敏症、血管浮腫、蕁麻疹
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■エドキサバントシル酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方リクシアナは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼リクシアナの有効成分
エドキサバントシル酸塩水和物
▼代表薬の添加物
D-マンニトール、部分アルファー化デンプン、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、タルク、マクロゴール6000、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ
■その他使用できない方
・妊婦/授乳者
・後腹膜出血/出血/頭蓋内出血/急性細菌性心内膜炎/重要器官における出血
・深部静脈血栓症の治療及び再発抑制で凝血異常を伴う肝疾患
・深部静脈血栓症の治療及び再発抑制で腎不全
・肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制で凝血異常を伴う肝疾患
・肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制で腎不全
・静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制で凝血異常を伴う肝疾患
・静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制で腎不全
・非弁膜症性心房細動で腎不全
・非弁膜症性心房細動でCLcr15mL/min未満
・下肢整形外科手術の静脈血栓塞栓症で高度腎機能障害
・非弁膜症性心房細動で凝血異常を伴う肝疾患
・下肢整形外科手術の静脈血栓塞栓症でCLcr30mL/min未満
・深部静脈血栓症の治療及び再発抑制でCLcr15mL/min未満
・静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制でCLcr15mL/min未満
・肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制でCLcr15mL/min未満
使用に注意が必要な方 ・高齢者
・新生児/乳児/幼児/小児
・下肢整形外科手術の静脈血栓塞栓症でCLcr30以上50mL/min未満
・高齢<80歳以上を目安>の非弁膜症性心房細動で出血性素因を1つ以上有する
・高齢<80歳以上を目安とする>で出血リスクが高い非弁膜症性心房細動
・深部静脈血栓症の治療及び再発抑制で30≦CLcr値[mL/min]≦50
・静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制で30≦CLcr値[mL/min]≦50
・肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制で30≦CLcr値[mL/min]≦50
・非弁膜症性心房細動で15≦CLcr値[mL/min]<30
・非弁膜症性心房細動で30≦CLcr値[mL/min]≦50
・手術/出血/出血傾向/消化管潰瘍/消化管出血/ショック/腎機能障害/高度肝機能障害/糖尿病性網膜症/眼の手術後日の浅い/頭蓋内出血後/脳脊髄の手術後日の浅い/血行動態が不安定/血栓溶解剤の使用が必要/低血圧が遷延/先天性出血性疾患/後天性出血性疾患/侵襲的処置/コントロールできない重症高血圧症/胃腸管血管異形成/血栓摘除術が必要
・LA/aCL抗β2GP1抗体のいずれもが陽性で血栓症の既往があるAPS
上記にあてはまる方は、エドキサバントシル酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 エドキサバントシル酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 血液凝固阻止剤/ヘパリンナトリウム/ワルファリンカリウム/エノキサパリンナトリウム/フォンダパリヌクス/ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩/血栓溶解剤/ウロキナーゼ/組織プラスミノゲンアクチベーター製剤/血小板凝集抑制作用を有する薬剤/アスピリン/ジピリダモール/チクロピジン塩酸塩/硫酸クロピドグレル/非ステロイド系抗炎症剤/ジクロフェナク/ナプロキセン/選択的セロトニン再取り込み阻害剤/セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤/抗血小板剤/P-糖蛋白質を阻害する薬剤/キニジン硫酸塩水和物/ベラパミル/エリスロマイシン/シクロスポリン/アジスロマイシン/クラリスロマイシン/イトラコナゾール/ジルチアゼム/アミオダロン塩酸塩/HIVプロテアーゼ阻害剤/リトナビル
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |