ベプリジル塩酸塩水和物

成分名

ベプリジル塩酸塩水和物

適応症状

・頻脈性不整脈(心室性)、持続性心房細動の状態で、その他の抗不整脈薬が使用できない、または無効の場合
・狭心症

簡易説明

心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウム、カルシウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生し心臓が収縮・拡張します。一連の流れの内、ベプリジル塩酸塩水和物はカルシウムとカリウムを強くブロックすることで不整脈への効果を発揮します。

処方可能な診療科目

内科/循環器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:50mg 50.1円
薬代1錠あたりの目安:100mg 95.2円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はベプリコール錠の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1993年2月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ベプリコール錠50㎎/100㎎(オルガノン)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ベプリジル塩酸塩水和物は不整脈(脈が乱れてしまい正常に全身に血液を送り出すことができない状態)に対して使用する薬です。
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウム、カルシウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生します。そしてこの電気的な信号によって心臓が収縮・拡張します。
心臓は基本的に「マイナスイオン」の状態となっています。このマイナスイオンの状態から電気的な信号が発生するためには、最初にプラスイオンであるナトリウムが心臓の細胞に流入してくる必要があります。ナトリウムが入ってくることで心臓の細胞はマイナスからプラスの状態へと変換されます。その後、今度はプラスイオンであるカリウムが心臓の細胞から外へ放出されます。プラスイオンのカリウムが出ていくため、今度はマイナスの状態に傾きます。そして時間が経つと最初の状態へ戻り、この繰り返しで心臓は収縮と拡張を連続的に繰り返しています。
一連の流れの内、ベプリジル塩酸塩水和物はカルシウムとカリウムを強くブロックすることで不整脈への効果を発揮します。

使用方法

■持続性心房細動
成人(15歳以上):ベプリジル塩酸塩水和物として1日100ミリグラムから服用を開始し、効果が認められない場合は200ミリグラムまで増量し、1日2回に分けて服用します。
※年齢や症状によって医師の判断のもと適宜減量して使用します。
■頻脈性不整脈(心室性)および狭心症
成人(15歳以上)にはベプリジル塩酸塩水和物として、1日200ミリグラムを1日2回に分けて服用します。
※年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、または減量します。

副作用

循環器系: T波異常、動悸、徐脈、失神発作
肝臓系: ALTの上昇、ASTの上昇、Al-Pの上昇、肝臓の機能異常、γ-GTPの上昇、
血液系:白血球の減少
精神神経系:めまい、頭痛、ふらつき感
消化器系:嘔気、腹部不快感、胃部不快感、下痢、食欲不振、便秘、口の渇き、胸やけ
過敏症:発疹
その他:排尿障害、倦怠感、胸部不快感、発熱、ほてり

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・「うっ血性心不全」を治療中の方
※心不全が悪化する可能性があります。
・高度の「刺激伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック)」を治療中の方
※高度の徐脈や完全房室ブロックが引き起こされる可能性があります。
・著明な「洞性徐脈」を治療中の方
※高度の徐脈が引き起こされる可能性があります。
・著明な「QT延長」をお持ちの方
※新たな不整脈が引き起こされる可能性があります。
・妊娠している方、または妊娠している可能性のある方
・シポニモドフマル酸、リトナビル、アタザナビル硫酸塩、アミオダロン塩酸塩、ホスアンプレナビルカルシウム水和物、サキナビルメシル酸塩、エリグルスタット酒石酸塩、イトラコナゾールを服用中の方

使用に注意が必要な方
・基礎心疾患(弁膜症、心筋梗塞、心筋症など)を治療中の方
※心室細動、心室頻拍が引き起こされる可能性があります。少量からスタートし、定期的に心電図の検査を実施することが必要です。
・過度に血圧の低い状態の方
※さらに血圧が下がってしまう可能性があります。
・重篤な心室の機能障害をお持ちの方
※より強い心室の機能障害が引き起こされる可能性があります。
・刺激伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック、脚ブロックなど)のある方
※洞房ブロック、房室ブロック、脚ブロックがさらに悪化する可能性があります。
・頭蓋内出血やクモ膜下出血の方
※QT延長状態が引き起こされる可能性があります。
・血液中のカリウム値の低下やマグネシウム値の低下など異常のある方
※新たな不整脈が引き起こされる可能性があります。
・その他の抗不整脈薬を服用している方
※安全性や有効性が確立していないので少量からスタートし、定期的に心電図の検査を実施することが必要です。
・U波が認められている方
※失神発作が引き起こされる可能性があります。
・授乳している方
※治療上のメリットおよび母乳栄養のメリットを鑑み、授乳を継続するかまたは中止するかを医師と相談してください。
※動物実験(ラット):ベプリジル塩酸塩水和物が乳汁中へ移行する可能性があります。
・高齢者
少量からスタートし、定期的に心電図の検査を実施することが必要です。
・小児
※小児を対象としている臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、ベプリジル塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ベプリジル塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・血液中のカリウムを低下させる薬剤(利尿剤など)
※不整脈が引き起こされる可能性があります。
・QTを延長する薬剤(キニジンなど)
※不整脈が引き起こされる可能性があります。
・Caブロッカー(ベラパミル塩酸塩など)
※徐脈が引き起こされる可能性があります。
・βブロッカー(プロプラノロール塩酸塩など)
※徐脈が引き起こされる可能性があります。
・ジゴキシン
※ジゴキシンの副作用(嘔気、頭痛、めまいなど)が強く引き起こされる可能性があります。

上記を使用している方は、ベプリジル塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ベプリジル塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・シポニモドフマル酸(メーゼント)
※併用によりトルサードポワンツなどの重篤な不整脈が引き起こされる可能性があります。
・イトラコナゾール(イトリゾール)
※QT延長が引き起こされる可能性があります。
・エリグルスタット酒石酸塩(サデルガ)
※QT延長が引き起こされる可能性があります。
・リトナビル(ノービア)/サキナビルメシル酸塩(インビラーゼ)/アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ)/ホスアンプレナビルカルシウム水和物(レクシヴァ)
※心室頻拍などの重篤な副作用が引き起こされる可能性があります。
・アミオダロン塩酸塩注射薬(アンカロン注)
※トルサードポワンツが引き起こされる可能性があります。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
服用を始めてから症状の改善がない気がしますが体に合っていないのでしょうか?

ベプリジル塩酸塩水和物は約3週間かけて血液中の濃度が安定します。長い時間を要するのではじめは効果を感じないかもしれませんが処方箋の指示通りの日数を飲み切ってみることが重要です。

ベプリコール錠50㎎

【上記引用元:ベプリコール錠50㎎ 添付文書】

副作用で肺炎のリスクがあると聞きましたが、高齢者でなくてもリスクはありますか?

ベプリジル塩酸塩水和物の副作用における肺炎は間質性肺炎と呼ばれる肺炎で年齢に関わらず発症の可能性はあります。服用開始後4週間以内でリスクが高まるので特に注意が必要です。

ベプリコール錠50㎎

【上記引用元:ベプリコール錠50㎎ 添付文書】

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