プロタミン硫酸塩

成分名

プロタミン硫酸塩

適応症状

ヘパリン過量投与時の中和/血液透析・人工心肺・選択的脳灌流冷却法等の血液体外循環後のヘパリン作用の中和

簡易説明

プロタミン硫酸塩は、血液凝固作用をもつ医薬品で、ヘパリン拮抗剤です。血液凝固を抑制する薬剤であるヘパリンの過剰投与や、出血性疾患の治療に用いられます。
抗凝固薬ヘパリンと複合体を形成することでヘパリンの作用を阻害します。作用の発現は5分以内です。ヘパリン中和剤としても、インスリンの持続化を目的とした添加剤としても、世界中で広く利用されています。

処方可能な診療科目

内科/泌尿器科/心臓血管外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000円~
薬代の目安:
新薬静注100mg 1%10mLバイアル:68.3円/mLV
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1962年7月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」【製薬メーカー:持田製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

プロタミン硫酸塩は、血液凝固作用をもつヘパリンの拮抗(きっこう)剤で、サケ科などの魚類の成熟した精巣から得た塩基性ポリペプチドであり、タンパク質の主成分であるプロタミンの硫酸塩です。

血を固まりにくくする薬の働きをおさえ、出血を防ぐ働きがあります。
プロタミン硫酸塩は、血液中で、ヘパリン及びヘパリン様物質と結合して生理学的不活性物質を形成することにより、ヘパリンの血液凝集阻止作用と拮抗するため、ヘパリン使用の中和剤として用いられる。
そのほか、インスリンと結合させ、インスリンの作用時間を延長させる製剤プロタミンインスリン亜鉛水性懸濁注射液として糖尿病の治療に用いられている。
なお、プロタミンそのものも血液凝固阻止作用があり、止血剤として手術前後の出血防止にも用いられています。

プロタミンの作用機序は、プロタミンがヘパリンとイオン結合することにより、抗凝固活性を欠く安定複合体を形成します。ヘパリンが存在しない時には血小板やフィブリノゲンなどのたん白質と相互作用しそれ自体で抗凝固活性を示します。
すなわち、ヘパリンが投与されていない状態で、プロタミンが投与されると、プロタミンは抗凝固薬になってしまいます。

プロタミンは、食品添加物としても用いられており、塩基性で水に溶け、耐熱性芽胞菌に対して増殖抑制効果を持ちます。
食品の原材料表示で「しらこたん白(さけ由来)、プロタミン(さけ由来)、保存料(しらこたん白)」などと表示されているものは、このプロタミンです。サケ科またはニシン科の魚の白子から抽出されたものが使用されます。
任意ですが、サケ由来の場合は、「特定原材料に準ずるもの」であるため、「さけ由来」の表示が推奨されます。

使用方法

通常、ヘパリン1,000単位に対して、本剤1.0~1.5mL(プロタミン硫酸塩として10~15mg)を投与する。
ヘパリンの中和に要するプロタミン硫酸塩量は、投与したヘパリン量及びヘパリン投与後の時間経過により異なるので、本剤の投与量はプロタミンによる中和試験により決める。
投与に際しては、通常1回につき本剤5mL(プロタミン硫酸塩として50mg)を超えない量を、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液100~200mLに希釈し、10分間以上をかけて徐々に静脈内に注入する。

副作用

主な副作用
血圧降下/徐脈/一過性皮膚潮紅/温感/悪心/嘔吐

重大な副作用
ショック/アナフィラキシー/血圧低下/脈拍異常/ 冷汗/ 呼吸困難/発赤/意識レベル低下 /肺高血圧症/肺動脈圧上昇/頻脈

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

■プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」(成分名)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方プロタミン硫酸塩(プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」の有効成分
日局 プロタミン硫酸塩100mg
▼プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」の添加物
塩化ナトリウム40mg
ベンジルアルコール100mg

・過敏症の方
【相対禁止】
・妊婦・産婦
【希望禁止】
・授乳婦

・本剤投与歴
・プロタミン含有インスリン製剤投与歴
・新生児(低出生体重児を含む)
・低出生体重児(0日~27日)
・新生児(0日~27日)

【慎重投与】
・アレルギー
・本剤投与歴
・プロタミン含有インスリン製剤投与歴

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

プロタミン硫酸塩に関する
よくある質問
なぜインスリン製剤にプロタミンが入ってるのですか?

プロタミンや亜鉛を添加することで、インスリンを結晶化させ、皮下投与後の溶解時間を延長させることができるため)、中間型及び混合型に分類されているインスリン製剤のほとんどにプロタミンが入っています。

プロタミンによるショックの発現について

【上記引用元:持田製薬株式会社】

プロタミンショックとはなんですか?

本剤及びプロタミン含有インスリン製剤の投与歴のある患者様におかれましては、プロタミンに感作されている可能性がございます。 そのため、このような患者様に本剤を投与すると、ショック等のリスクが上昇するとの報告がございます。

プロタミンによるショックの発現について

【上記引用元:持田製薬株式会社】

参考元一覧

プロタミン硫酸塩静注100mg 【持田製薬株式会社】
プロタミン硫酸塩注射液
プロタミン硫酸塩静注 100mg「モチダ」  【持田製薬株式会社】

医薬品インタビューフォーム 【日本病院薬剤師会】

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