ラベタロール塩酸塩

成分名

ラベタロール塩酸塩

適応症状

・褐色細胞腫による高血圧症状
・本態性高血圧症

簡易説明

ラベタロール塩酸塩は、アドレナリンβ受容体、α受容体の拮抗薬として作用し、褐色細胞腫による高血圧症状、本態性高血圧症の治療に用いられます。また、ラベタロール塩酸塩は腎臓の血管抵抗を減少させ、腎臓の血流量、糸球体ろ過値を増加または維持することが認められており、さらに脳循環、末梢循環および冠循環を維持する効果も認められています。

処方可能な診療科目

内科/循環器内科/代謝内分泌科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:50mg約11円/100mg約19円
薬代後発薬1錠の目安:50mg約6円/100mg約10円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1983年2月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

トランデート錠50mg/100mg(サンドファーマ)

関連製品(ジェネリック)

ラベタロール塩酸塩錠50mg/100mg「トーワ」(東和薬品)

効果・作用

ラベタロール塩酸塩は、アドレナリンβ受容体、α受容体の拮抗薬として作用し、褐色細胞腫による高血圧症状、本態性高血圧症の治療に用いられます。
高血圧の発症メカニズムのひとつは、交感神経系の過剰な活動です。交感神経系が過剰に刺激されると、血管が収縮し、心拍数が増加して血圧が上昇します。交感神経系は、ストレスや運動などの刺激によって刺激され、血管収縮、心拍数の増加、血糖値の上昇などの生理的反応を引き起こしますがこの反応は、アドレナリンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質によって引き起こされます。
上記の血圧上昇のプロセスにおいて、ラベタロール塩酸塩は、アドレナリンα受容体、β受容体に結合し、交感神経系の活動をブロックします。これによって血管の拡張や心拍数の減少、血圧の低下などの効果が得られます。
また、ラベタロール塩酸塩は腎臓の血管抵抗を減少させ、腎臓の血流量、糸球体ろ過値を増加または維持することが認められており、さらに脳循環、末梢循環および冠循環を維持する効果も認められています。心拍出量にほとんど影響を及ぼさずに全身の末梢血管抵抗を減少させ、血圧を降下させることも特徴です。なお、心拍数はわずかに減少することが知られています。

使用方法

・成人(15歳以上)の場合:ラベタロール塩酸塩として1日150ミリグラムからスタートし、効果が不十分なケースには1日450ミリグラムまで徐々に増量して、1日3回に分けて服用します。
なお、年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。

副作用

重大な副作用
・肝壊死などの重篤な肝機能障害、黄疸などが引き起こされる可能性があるので、定期的に肝機能の検査を行う必要があります。
・うっ血性心不全が引き起こされる可能性があるので、体調に異常が認められた場合には服用を中止し適切な処置を行う必要があります。
・関節痛、筋肉痛、抗核抗体陽性などのSLE様症状、乾癬などが引き起こされる可能性があります。
・ミオパシー

その他の副作用
・循環器系:徐脈、めまい、ふらつき、胸痛、末梢循環障害、房室ブロック
・腎臓系:BUNの上昇
・皮膚系:苔癬様皮疹
・過敏症:発疹、かゆみ、発熱、血管浮腫、呼吸困難
・精神神経系:不眠、頭痛、頭重感、しびれ感、眠気、ふるえ、うつ症状
・消化器系:口の渇き、胃痛、悪心、嘔吐、便秘、腹痛、消化不良
・呼吸器系:ぜんそく症状、気管支けいれん
・泌尿器系:尿が出ない状態
・肝臓系:ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP、Al-Pなどの上昇
・眼:霧視
・その他:全身倦怠感、発汗、筋肉痛、頭皮異常感、むくみ、陰萎、勃起不全、疲労感、鼻づまり、悪寒、性欲減退、CK(CPK)の上昇、射精不能

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・ラベタロール塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、トランデート錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼トランデート錠の有効成分
ラベタロール塩酸塩
▼代表薬の添加物
結晶セルロース、無水乳糖、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン

・気管支ぜんそく、気管支けいれんのおそれのある方
※ラベタロール塩酸塩が気管支を収縮させて上記症状を誘発したり、悪化させたりする可能性があります。
・代謝性アシドーシス、糖尿病性ケトアシドーシスを患っている方
※アシドーシスに基づく心収縮力ブロックを増強させる可能性があります。
・うっ血性心不全のある方
※心臓の機能をブロックし、上記症状が悪化する可能性があります。
・顕著な洞性徐脈、Ⅱ度房室ブロック、Ⅲ度房室ブロック)、洞房ブロックをお持ちの方
※上記症状が悪化する可能性があります。
・肺高血圧による右心不全のある方
・心原性ショックの方
・ラベタロール塩酸塩に対して過敏症の経験のある方

使用に注意が必要な方
・Ⅰ度房室ブロックをお持ちの方
※βブロッカーにおいて房室伝導時間が延長する可能性があります。
・甲状腺中毒症の方
※βブロッカーにおいて上記中毒症状をマスクしてしまう可能性があります。
・うっ血性心不全の可能性がある方
※心機能をブロックし、症状を悪化させる可能性があります。
・コントロールできていない糖尿病、低血糖症状、長期間絶食状態の方
※低血糖の前駆症状である頻脈などの交感神経系反応をマスクしてしまう可能性があります。
・重篤な腎機能障害を患っている方
※血圧低下に伴った腎潅流圧の低下によって症状が悪化する可能性があります。
・末梢循環障害を患っている方
※末梢循環障害の症状が悪化する可能性があります。
・肝機能障害を患っている方
※ラベタロール塩酸塩は肝臓で分解されるので血液中の濃度が上昇する可能性があります。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※ラベタロール塩酸塩の母乳への移行が確認されています。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※妊娠している方が服用したケースで、胎児に徐脈など、新生児に血圧低下、徐脈などの副作用が認められたというデータがあります。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら服用してください。
・小児など

上記にあてはまる方は、ラベタロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ラベタロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・ジギタリス製剤(ジゴキシンなど)
※徐脈や房室ブロックなどの心刺激伝導障害が引き起こされる可能性があります。
・三環系抗うつ剤(アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミンなど)
※ふるえが引き起こされる可能性があります。
・抗不整脈剤(プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリンなど)
※心機能の抑制が過度に引き起こされる可能性があります。
・血糖降下剤(トルブタミド、インスリン、アセトヘキサミドなど)
※上記の血糖降下作用が増強してしまう可能性があります。また、頻脈や発汗などの低血糖症状がマスクされる可能性があるので、血糖コントロールに注意してください
・交感神経系を抑制させる薬(レセルピンなど)
※交感神経抑制が過剰に引き起こされる可能性があります。
・シメチジン
※併用によってラベタロール塩酸塩の血液中濃度が上昇する可能性があります。
・交感神経刺激剤(エピネフリンなど)
※徐脈た高血圧症が引き起こされる可能性があります。
・カルシウムブロッカー(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩など)
※房室ブロック、徐脈などの伝導障害、うっ血性心不全が引き起こされる可能性があります。
・麻酔剤(ハロタンなど)
※過剰の交感神経抑制が引き起こされる可能性があります。
・非テロイド性抗炎症剤(インドメタシンなど)
※ラベタロール塩酸塩の血圧降下作用が弱まる可能性があります。

上記を使用している方は、ラベタロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ラベタロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ラベタロール塩酸塩に関する
よくある質問
血圧が安定した後に、ラベタロール塩酸塩を中止するうえで注意点はありますか?

ラベタロール塩酸塩を急に中止すると逆に症状が悪化したり、心筋梗塞を起こしたりするケースが報告されています。中止する場合は徐々に減量することが重要です。
トランデート 【トランデート 添付文書】

ラベタロール塩酸塩を服用しても血圧の変動がないのですがどのくらいの割合で効果がでますか?

効果の発現には個人差がありますが、本態性高血圧症に対しては有効率が約56%であったというデータがあります。トランデート 【トランデート 添付文書】

参考元一覧

トランデート 【トランデート 添付文書】

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