成分名 |
デノパミン |
適応症状 |
慢性心不全など |
簡易説明 |
デノパミンは血圧を上げるはたらきがあり、主に心筋症、虚血性心疾患、高血圧症、弁膜疾患等に基づく慢性心不全患者の治療に用いられます。
心臓の収縮力を増して血圧を上げることから、本態性低血圧や、起立性低血圧(立ちくらみ)の治療で効果をあらわします。
心臓は酸素や栄養分を含む血液を全身に送り出すポンプの役割をもちますが、心不全はそれが何らかの原因により機能が低下した状態であり、慢性化することで慢性心不全になります。
甲状腺機能亢進症の人には病状を悪化させるおそれがあることから、使用にあたっては医師との相談が必要になります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~5000円程
薬代1錠あたりの目安:5mg約26円/10mg約44円
薬代1細粒あたりの目安:5%約228円
薬代後発薬1錠の目安:5mg約12円/10mg約21円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
【カルグート錠5】
販売開始年月 : 1988年4月
【カルグート錠10】
販売開始年月 : 1988年4月
【カルグート細粒5%】
販売開始年月 : 1988年4月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
【製薬メーカー:田辺三菱製】
カルグート錠5
カルグート錠10
カルグート細粒5% |
関連製品(ジェネリック) |
【デノパミン錠5mg「日医工」日医工】
【デノパミン錠10mg「日医工」日医工】 |
効果・作用 |
デノパミンは、心臓の筋肉に働きかけ収縮力を増して血圧を上げる効果があり、主に心筋症、虚血性心疾患、高血圧症、弁膜疾患等に基づく慢性心不全患者の治療に用いられる薬です。
アドレナリン選択的β受容体刺激薬に分類される薬で、心筋細胞膜上のアドレナリンβ受容体の中でも、主にβ1受容体を選択的に刺激することにより、アデニレートシクラーゼが活性化され、細胞内の環状アデノシン一リン酸(cAMP)濃度が上昇します。
環状アデノシン一リン酸はリン酸化酵素の活性化によってイオン化カルシウム(Ca2+) チャネルからのイオン化カルシウムの流入を増やします。
心筋の筋小胞体はイオン化カルシウムを含むことで筋が緩み、イオン化カルシウムを放出する事で筋を収縮させる為、イオン化カルシウムの流入が増える事で心筋収縮機能が増強されます。
また、冠動脈に対してはβ1受容体を刺激し、末梢血管に対してはα受容体遮断作用により血管を広げる作用があります。
慢性心不全の原因としては、高血圧や心筋症(心臓の筋肉の低下)、心臓弁膜症(弁の働きが悪くなり血液が逆流)、不整脈などの基礎疾患がありますが治療ががありますが、本剤によって心筋収縮力を増加させる事で治療効果があります。
慢性心不全に関する症状、倦怠感、息切れ、呼吸困難、浮腫、ギャロップ、胸部ラ音等の症状並びに左室駆出率、心係数、左室拡張末期圧、肺動脈圧、左室内圧最大変化率等の心機能指標に改善効果があります。
アドレナリンβ受容体刺激薬は作用発現が早い事から、心停止など心機能を素早く回復させる必要がある際など、理にかなった薬ではありますが、作用持続時間が短く長期投与により耐性を生じやすいという特徴があり心筋の状態をさらに悪化させる危険があります。
また、心拍数を上昇させる事で心筋酸素消費が増える事で、不整脈を誘発する場合がある為、こちらも注意が必要です。 |
使用方法 |
▼用法用量
デノパミンとして成人1日量15mgから30mgを3回に分けて経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。ただし、多くの場合、他剤(ジギタリス、利尿剤、血管拡張剤等)と併用します。
[用法及び用量に関連する注意]
<カルグート錠5>
1日あたりの製剤量は成人1日あたり15mgから30mgにあたる、3錠から6錠になります。
<カルグート錠10>
1日あたりの製剤量は成人1日あたり15mgから30mgにあたる、3錠になります。
<カルグート細粒5%>
1日あたりの製剤量は成人1日あたり15mgから30mgにあたる、0.3gから0.6gになります。 |
副作用 |
デノパミンは副作用が少ない薬ですが、動悸が強く感じる場合には、すぐに受診してください。
まれに重い不整脈を起こす可能性があります。
次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
心室頻拍/不整脈/頻脈/心室性期外収縮/動悸/AST上昇/ALT上昇/血圧上昇/胸痛/前胸部不快感など
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用に注意が必要な方 ■急性心筋梗塞の患者
急性心筋梗塞の患者は、胸痛、前胸部不快感等の症状が発現することがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■不整脈のある患者
不整脈のある患者は、心室性期外収縮等の不整脈が発現することがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■肥大型閉塞性心筋症(特発性肥厚性大動脈弁下狭窄)の患者
肥大型閉塞性心筋症(特発性肥厚性大動脈弁下狭窄)の患者は、心収縮力増強作用により、左室流出障害を増強させるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。動物実験では骨格異常といった催奇形性・胎児の致死及び発育抑制(ラット及びウサギ)・出生児の生存率低下・体重増加抑制・下腹部大動脈の血栓形成等(ラット)が報告されています。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続または中止を検討してください。動物実験(ラット)では母乳中へ移行することが報告されています。
■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していないことから、観察を十分に行い、少量より開始するなど慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることから、観察を十分に行い、減量するなど注意して少量より開始するなど慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、デノパミンを使用する事が出来ない可能性があります。 デノパミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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