成分名 |
トランドラプリル |
適応症状 |
高血圧症 |
簡易説明 |
トランドラプリルは高血圧症に対する薬で、ACEと呼ばれる酵素をブロックすることで血管の収縮を抑え血圧を下げます。ACEを阻害することで、アンジオテンシンIがアンジオテンシンIIに変換されるプロセスがブロックされこの結果、アンジオテンシンIIの産生が抑制され、血管収縮やナトリウムの再吸収が抑制されたり、血液中のナトリウム濃度が低下し、水分排出が増えたりすることで血圧が下がると考えられます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:0.5mg約24円/1mg約34円
薬代後発薬1錠の目安:0.5mg約13円/1mg約17円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1996年5月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
オドリック錠0.5mg/1mg(日本新薬) |
関連製品(ジェネリック) |
・トランドラプリル錠0.5mg/1mg「オーハラ」(大原薬品工業)、トランドラプリル錠0.5mg/1mg「トーワ」(東和薬品)、トランドラプリル錠0.5mg/1mg「サワイ」(沢井製薬) |
効果・作用 |
トランドラプリルは高血圧症に対する薬で、ACEと呼ばれる酵素をブロックすることで血管の収縮を抑え血圧を下げます。高血圧は血管の収縮が過剰に起こった結果、血圧が上昇してしまう病態です。高血圧事態に症状はほとんどありませんが、心臓や脳、腎臓などの臓器にダメージを与える可能性があり、最終的に深刻な健康問題を引き起こすことがあります。
トランドラプリルのより具体的な作用は、血管収縮を引き起こすレニンアンジオテンシンアルドステロン系(RAAS)をブロックすることにあります。RAASは、血管の収縮やナトリウムの再吸収を促進するアンジオテンシンIIというホルモンを生成する過程に関与しています。アンジオテンシンIIは、血管を収縮させ、血圧を上げる作用があり、ACEによってアンギオテンシンIから生成されます。トランドプリルは特にACEを阻害することで、アンジオテンシンIがアンジオテンシンIIに変換されるプロセスをブロックします。この結果、アンジオテンシンIIの産生が抑制され、血管収縮やナトリウムの再吸収が抑制されたり、血液中のナトリウム濃度が低下し、水分排出が増えたりすることで血圧が下がると考えられます。またトランドラプリルは、心臓の負荷を軽減することができ、心臓機能を改善することが報告されています。 |
使用方法 |
・成人(15歳以上)の場合:トランドラプリルとして1〜2ミリグラムを1日1回服用します。なお、年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。ただし、重症高血圧症または腎障害を伴った高血圧症を治療中の方は0.5ミリグラムから服用を開始することが望ましいとされています。 |
副作用 |
重大な副作用
・肝機能障害、黄疸
※ALT、AST、γ-GTPの上昇などを伴った肝機能の障害、黄疸症状が引き起こされる可能性があります。
・横紋筋融解症
※CK上昇、脱力感、重度の筋肉痛、血中および尿中ミオグロビン値の上昇を特徴とする横紋筋融解症が引き起こされる可能性があります。また、それに伴う急性腎障害の発症にも注意してください。
・腎機能障害の増悪
※腎臓の機能が急激に悪化する可能性があります。
・血管浮腫
※同ジャンルの成分において腸管の血管浮腫があらわれ、嘔気、腹痛、嘔吐、下痢などが起こる可能性があると報告されています。呼吸困難を伴った声門、舌、喉頭、顔面のはれを症状とする血管浮腫が認められた場合には、直ちに服用を中止し、気道確保やアドレナリン注射などの適切な処置を行ってください。
・高カリウム血症
・膵炎
その他の副作用
・血液系:白血球の減少、貧血、血小板の減少
・腎臓系:BUN、クレアチニン値の上昇
・過敏症:発疹、かゆみ、じんまし
・精神神経系:頭痛、めまい、眠気
・循環器系:動悸、息切れ、意識障害
・消化器系:はき気、腹部不快感、お腹のハリ、便秘、嘔吐、下痢、腹痛
・肝臓系:ALT、AST、LDH、Al-Pなどの上昇
・呼吸器系:乾いた咳、声のかすれ、息切れ、のどの刺激感など
・その他:CKの上昇、血清カリウム値の上昇、尿酸の上昇、ほてり、倦怠感、低血糖
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・トランドプリルに対し過敏症の経験のある方
・トリプトファン固定化ポリビニルアルコール、デキストラン硫酸固定化セルロースまたはポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の方
・血管浮腫を引き起こしたことのある方
※重度の呼吸困難を伴った血管浮腫がさらに引き起こされる可能性があります。
・サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物を服用中の方、または服用中止から36時間以内の方
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の方
・アリスキレンフマル酸塩を服用中で糖尿病治療中の方(その他の高血圧治療を行っても血圧コントロールが極めて悪い方は除く)
・妊娠している方
使用に注意が必要な方 ・高カリウム血症を治療中の方
※高カリウム血症が悪化する可能性があるので医師が治療上やむを得ないと判断した場合を除いて服用は避けてください。また、コントロールできていない糖尿病、腎機能の障害などによって血液中のカリウム値が高くなりやすい方では、カリウム値に特に注意してください。
・片腎で腎動脈狭窄のある方、または両側性腎動脈狭窄のある方
※腎臓の血流量減少、糸球体でのろ過機能の低下によって急速に腎機能が悪化する可能性があるので、治療上やむを得ないと医師が判断した場合を除いて、服用は避けてください。
・厳格な減塩療法中の方
※初めての服用において、急激な血圧低下が引き起こされる可能性があります。一過性ではありますが
服用は低用量からスタートしてください。
・重度の高血圧症の方
※初めての服用において、急激な血圧低下が引き起こされる可能性があります。一過性ではありますが
服用は低用量からスタートして、増量する場合でも患者の健康状態を観察しながら徐々に行ってください。
・血液透析中の方
※初めて服用する際に急激な一過性の血圧低下を起こす可能性があるので服用は低用量よりスタートし、増量していく場合は健康状態を十分に観察しながら徐々に行ってください。
・腎機能障害のある方
※定期的な腎機能に関する検査を行ってください。
・クレアチニンクリアランスが30mL/分以下、または血清クレアチニン値が3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある方
※トランドプリルの体外への排泄遅延によって血液中での濃度が上昇し、過度の血圧低下および腎機能悪化を引き起こす可能性があります。服用量を減らしたり、服用間隔をあけたりなどで治療経過を十分に観察してください。
・重篤な肝障害のある方
※胆汁を排泄する機能が低下していて、トランドプリルの血液中濃度が上昇する可能性があります。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
・妊娠している方
※同ジャンルの成分を服用した高血圧症の方で次の副作用が起こったという報告があります。胎児・新生児の死亡、羊水過少症、腎不全、頭蓋顔面の変形、高カリウム血症、新生児の低血圧、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮など
・高齢者
・小児
上記にあてはまる方は、トランドラプリルを使用する事が出来ない可能性があります。 トランドラプリルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・利尿降圧剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジドなど)
※始めての服用時、急激な一過性の血圧低下が引き起こされる可能性があります。
・降圧作用のある薬(降圧剤、硝酸剤など)
※血圧低下が過度に引き起こされる可能性があります。
・カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレンなど)、カリウム補給剤、塩化カリウム
※血液中のカリウム値が上昇する可能性があります。
・アンジオテンシンII受容体ブロッカー、アリスキレンフマル酸塩
※高カリウム血症、腎機能の障害、および過度な低血圧が引き起こされる可能性があります。
・非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシンなど)
※血圧を下げる効果が減弱する可能性があります。
・リチウム(炭酸リチウム)
※ふるえ、消化器系の副作用を伴うリチウム中毒が報告されています。
・カリジノゲナーゼ製剤
※血圧低下が過度に引き起こされる可能性があります。
上記を使用している方は、トランドラプリルを使用する事が出来ない可能性があります。 トランドラプリルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析(AN69)
※アナフィラキシーが引き起こされる可能性があります。
・トリプトファン固定化ポリビニルアルコール、デキストラン硫酸固定化セルロース、またはポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行(リポソーバー、イムソーバTR、セルソーバなど)
※嘔気、潮紅、嘔吐、過度な血圧低下、腹痛、熱感、呼吸困難、しびれ、頻脈などによるショックが引き起こされる可能性があります。
・サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物(エンレスト)
※血管浮腫が引き起こされる可能性があります。
・アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)
※脳卒中、腎機能の障害、高カリウム血症および過度な低血圧が引き起こされる可能性があります
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
トランドラプリルに関する よくある質問 |
|
参考元一覧 |
オドリック 【オドリック 添付文書】 |
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |