成分名 |
クロフィブラート |
適応症状 |
高脂質血症 など |
簡易説明 |
「クロフィブラート」は第一世代のフィブラート系高脂血症治療薬で、中性脂肪のトリグリセライドを減らす効果を持つことから、高脂血症の治療に用いられます。
「クロフィブラート」は薬理作用からは、PPARα作動薬(PPARαアゴニスト)に分類され、核内受容体のPPARαに結合後、おもに肝臓の脂質代謝にかかわる遺伝子群の発現を調節して脂質代謝を改善します。
日本では、鶴原製薬がクロフィブラートの商品名で販売しています。
「クロフィブラート」は新薬として開発された時期が古いことから、処方される機会は少なくなっており、最近では、ベザフィブラート(ベザトールSR)やフェノフィブラート(リピディル、トライコア)など第二世代の新薬が処方されることが多くなっています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器科/胃腸科/循環器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
クロフィブラートカプセル250mg「ツルハラ」 8.7円/カプセル (薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1972年2月認可 |
国内のジェネリック認可 |
- |
関連製品(先発薬) |
クロフィブラートカプセル250mg「ツルハラ」【製薬メーカー:鶴原製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
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効果・作用 |
「クロフィブラート」は第一世代のフィブラート系高脂血症治療薬で、肝臓の細胞のPPARαという核内受容体に結合して、脂質代謝にかかわる遺伝子の発現を調節して、その結果、脂質代謝が改善して、トリグリセライド減少とHDLコレステロール増加をもたらします。
このような作用機序から、「クロフィブラート」はPPARα作動薬とかPPARα刺激薬(PPARαアゴニスト)と呼ばれます。
「クロフィブラート」は中性脂肪のトリグリセライド低下作用が強力ですが、一方では、HDLコレステロールなど、ある種のコレステロールを増やす作用もあります。
このような特性から、「クロフィブラート」はトリグリセライド値が高く、コレステロールは正常範囲の高脂血症の治療に用いられます。
「クロフィブラート」は脂質異常症である高脂血症の治療で用いられ、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が多すぎたり、善玉コレステロールが少なすぎる状態を改善する効果があります。
脂質異常症である高脂血症は自覚症状がなくても、長いあいだに動脈硬化が進むことから、狭心症や心筋梗塞、あるいは脳卒中の原因とされています。
「クロフィブラート」は特にトリグリセライド低下作用が強いことから、トリグリセライド値が高い高脂血症に向いています。(トリグリセライドの減少は、心筋梗塞など心血管系の病気の予防になると考えられています。)
ただ、「クロフィブラート」は同系薬剤による高脂血症を主対象とする質の高い予後検証試験はほとんどないことから、糖尿病がある場合は別として、トリグリセライドを低下させることで本当に心血管系の病気を予防できるのか現時点で明確ではありません。
特に心筋梗塞の少ない日本人の長期予後に関しては検証不十分となっています。
「クロフィブラート」の使用にあたっては注意点があり、「クロフィブラート」により胆石が大きくなる可能性があるためで胆石のある人には用いられません。
また、腎臓の悪い人や高齢の人は、副作用の発現しやすいことから、注意が必要です。 |
使用方法 |
▼用法用量
・クロフィブラートとして、通常成人1日750~1500mgを2~3回に分けて経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。
▼重要な基本的注意
・肝.腎障害又はその既往歴のある患者は、本剤の代謝、排泄が抑制され、症状の誘発又は悪化をまねくおそれがあります。
・HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等)を投与中の患者は、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいです。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止してください。
・適用の前に十分な検査を実施して、高脂質血症であることを確認した上で、本剤の適用を考慮するしてください。なお、Fredrickson分類のいずれに属するかを診断することが望ましいです。IIb、III、IV型の場合は本剤に比較的よく反応して、IIa、V型の場合にも反応することがあります。
・事前に高脂質血症治療の基本となる食事療法を行い、更に運動療法や高血圧.喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に検討した上で、食事療法などの療法で効果が不十分の場合にのみ適用を考慮してください。
・投与中は、血中脂質値を定期的に検査して、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止してください。
・腎機能障害の患者には、急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあります。投与にあたっては患者の腎機能を検査して投与が必要かの可否を決定して、血清クレアチニン値に応じ減量又は投与間隔の延長等を行ってください。
・腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用してください。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいです。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施して、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止してください。 |
副作用 |
「クロフィブラート」は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していません。次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
重大な副作用
▼横紋筋融解症
横紋筋融解症があらわれることがあります。特に腎機能障害を有する患者において、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれて、これに伴って急激に腎機能が悪化することがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
▼無顆粒球症
無顆粒球症があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
その他の副作用
・白血球数の変動、好中球減少症
・肝腫脹、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、黄疸
・胆石
・筋肉痛、CK(CPK)上昇
・頭痛、めまい、脱力感、眠気等
・発疹、そう痒等
・悪心、食欲不振、胃部不快感、便秘、下痢、胸やけ等
・胸部圧迫感、心悸亢進、不整脈、性欲減退、脱毛、インポテンス、体重増加
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■胆石又はその既往歴のある患者
胆石又はその既往歴のある患者は、本剤はコレステロールの胆汁中への排泄を促進するので、胆石形成能が上昇するおそれがあります。使用しないでください。
■妊婦又は妊娠している可能性のある婦人・授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、授乳中の婦人には投与しないでください。胎児並びに母乳中への移行が報告されています。
使用に注意が必要な方 ■高齢者
本剤は、血漿アルブミンとの結合性が強く、また主として腎臓から排泄されます。高齢者では、血漿アルブミンが減少している場合が多く、また、腎機能が低下していることが多いことから、高い血中濃度が持続して、副作用が発現しやすいので慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、クロフィブラートを使用する事が出来ない可能性があります。 クロフィブラートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウムなど)
・経口抗凝血剤(ワルファリンなど)
・経口糖尿病用剤(トルブタミドなど)
・リファンピシン
上記を使用している方は、クロフィブラートを使用する事が出来ない可能性があります。 クロフィブラートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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