リシノプリル水和物

成分名

リシノプリル水和物

適応症状

・高血圧症
・慢性心不全(軽症〜中等症)で、ジギタリス製剤、利尿剤などの基礎治療薬を服用しても十分な効果が得られない場合

簡易説明

リシノプリル水和物は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の一種で、アンジオテンシン変換酵素の生成をブロックすることで高血圧に対して作用を発揮します。アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害することで、アンジオテンシンⅠの生成を抑制し、結果としてアンジオテンシンⅡの生成を減少させます。これによって血管収縮やナトリウムイオンの再吸収が抑制され、血管が拡張し、血圧が下がります。

処方可能な診療科目

内科/循環器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~,2000円
薬代1錠あたりの目安:5mg約19円/10mg約24円/20mg約32円
薬代後発薬1錠の目安:5mg約10円/10mg約10円/20mg約16円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1991年8月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ゼストリル錠5/10/20(アストラゼネカ)

関連製品(ジェネリック)

ロンゲス錠5mg/10mg/20mg(共和薬品工業)、リシノプリル錠5mg/10mg/20mg「トーワ」(東和薬品)、リシノプリル錠5mg/10mg/20mg「オーハラ」(大原薬品)、リシノプリル錠5mg/10mg/20mg「日医工」(日医工)、リシノプリル錠5mg/10mg/20mg「サワイ」(沢井製薬)、リシノプリル錠5mg/10mg/20mg「NIG」(日医工岐阜工場)

効果・作用

リシノプリル水和物は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の一種で、アンジオテンシン変換酵素の生成をブロックすることで高血圧に対して作用を発揮します。
高血圧は、血管が狭くなり、血液が心臓から送り出される際に血管壁にかかる圧力が高くなる状態を指します。またこの状態が継続すると、心臓や血管などの各種臓器にダメージを与え、最終的に様々な合併症を引き起こすことの危険性が示唆されています。
リシノプリル水和物が作用するアンジオテンシン変換酵素(ACE)は、肺や腎臓、血管内皮細胞などに存在し、アンジオテンシノーゲンと呼ばれる物質をアンジオテンシンⅠに変換します。その後、アンジオテンシンⅠは、アンジオテンシンⅡに変換されます。アンジオテンシンⅡは、血管収縮やナトリウムイオンの再吸収を促進することで、高血圧の発症に関与するとされています。
リシノプリル水和物はアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害することで、上記に示したアンジオテンシンⅠの生成を抑制し、結果としてアンジオテンシンⅡの生成を減少させます。これによって血管収縮やナトリウムイオンの再吸収が抑制され、血管が拡張し、血圧が下がるとされており、その他の降圧薬と併用する形で高血圧の治療に用いられます。

使用方法

■高血圧症に使用するケース
・成人(15歳以上)の場合:リシノプリルとして10〜20ミリグラムを1日1回服用します。なお、年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。ただし、重症高血圧症または腎障害を伴う高血圧症の方では5ミリグラムから服用をスタートすることが望ましいとされています。
・6歳以上の小児の場合:リシノプリルとして、0.07ミリグラム/体重kgを1日1回服用します。なお、年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。
■慢性心不全(軽症〜中等症)に使用するケース
・成人(15歳以上)の場合:リシノプリルとして5〜10ミリグラムを1日1回服用します。なお、年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。ただし、腎障害を伴う方には2.5mgからスタートすることが望ましいとされています。
※リシノプリル水和物はジギタリス製剤、利尿剤などの基礎治療剤に併用して服用してください。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には服用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・呼吸困難を伴った舌、顔面、のど、声門、の腫れを症状とする血管浮腫
・吐き気、腹痛、嘔吐、下痢などを伴った腸管の血管浮腫
・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、天疱瘡様症状
・肝機能障害、黄疸症状
・溶血性貧血、血小板減少
・高カリウム血症
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
・急性腎不全
・膵炎

その他の副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・循環器系:息切れ、動悸、頻脈、起立性低血圧、過度の血圧低下、胸部不快感、失神など
・腎臓系:クレアチニンの上昇、BUN上昇、尿量減少
・消化器系:嘔気、嘔吐、下痢、胃不快感、腹痛、食欲不振、胃痛
・肝臓系:ALT上昇、AST上昇、Al-P上昇、LDH上昇など
・皮膚系:発疹、かゆみ、光線過敏症など
・呼吸器系:せき、咽頭部刺激感、咽頭不快感、気管支ぜんそくの誘発、鼻炎、副鼻腔炎、声のかすれ
・精神神経系:灼熱感、頭重感、めまい、頭痛、ふらつき、しびれ、傾眠、錯乱、不眠等、感覚異常、睡眠障害、刺痛、抑うつ、気分変調など
・血液系:白血球減少、赤血球減少、ヘマトクリット減少、貧血、ヘモグロビン減少、血小板減少、好酸球増加
・その他::低血糖、尿酸上昇、勃起障害、血清ナトリウム値低下、血清カリウム値上昇、脱力感、CK上昇、ほてり、倦怠感、口の渇き、脱毛、発汗、味覚異常

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
リシノプリル水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ゼストリル水和物はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ゼストリルの有効成分
リシノプリル水和物
▼代表薬の添加物
リン酸水素カルシウム水和物、D-マンニトール、アルファー化デンプン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム

・リシノプリル水和物に対し過敏症の経験のある方
・血管浮腫の経験のある方
・サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物を服用中の方、または服用中止から36時間以内の方
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の方
・トリプトファン固定化ポリビニルアルコール、デキストラン硫酸固定化セルロース、ポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の方
・アリスキレンフマル酸塩を服用中で糖尿病を患っている方(ただし、その他の高血圧治療を行っても血圧のコントロールが顕著にコントロール不良の方以外)
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の方
・妊娠している方、妊娠している可能性のある方

使用に注意が必要な方
・血液透析中の方
・高カリウム血症を治療中の方
・両側性腎動脈狭窄のある方または片腎で腎動脈狭窄のある方
・重篤な腎機能障害のある方
・脳血管障害をお持ちの方
・授乳している方
・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、リシノプリル水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
リシノプリル水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・アリスキレンフマル酸塩、アンジオテンシンII受容体ブロッカー
※高カリウム血症、腎機能障害、および低血圧が引き起こされる可能性があります。
・利尿剤、利尿降圧剤
※顕著な降圧作用が強まる可能性があります。
・カリウム保持性利尿剤
※血清カリウム値が異常に上昇する可能性があります。
・非ステロイド性の消炎鎮痛剤
※リシノプリル水和物の降圧作用が弱まる可能性があります。
・リチウム製剤
※リチウム中毒(ふるえ、錯乱、消化器症状など)が引き起こす可能性があります。
・カリジノゲナーゼ製剤
※過度の血圧低下が起こる可能性があります。

上記を使用している方は、リシノプリル水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
リシノプリル水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・トリプトファン固定化ポリビニルアルコール、デキストラン硫酸固定化セルロース、ポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行(イムソーバTR、リポソーバー、セルソーバ)
※潮紅、血圧低下、腹痛、嘔気、嘔吐、熱感、しびれ、呼吸困難、頻脈などのショック症状を引き起す可能性があります。
・サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物(エンレスト)
※血管浮腫が引き起こされる可能性があります
・アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)
※高カリウム血症、非致死性の脳卒中、腎機能の障害および顕著な低血圧を引き起こす可能性があります。
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析(AN69)
※嘔吐、血管浮腫(喉頭浮腫、顔面浮腫)、気管支けいれん、腹部けいれん、血圧低下、チアノーゼなどのアナフィラキシーが引き起こされる可能性があります。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

リシノプリル水和物に関する
よくある質問
何らかの手術をする際、前もって服用を中止する必要があると聞きましたがどのくらい前から中止すべきですか?

添付文書では、手術前24時間は服用しないことが望ましいとされています。
ゼストリル 【ゼストリル 添付文書】

リシノプリル水和物を妊娠中に服用してはいけない理由を教えてください。

具体的には、胎児・新生児の死亡、羊水過少症、頭蓋顔面の変形、腎不全、高カリウム血症、新生児の低血圧、頭蓋の形成不全および羊水過少症によると推測される四肢の拘縮などがあらわれたとのデータがあります。
ゼストリル 【ゼストリル 添付文書】

参考元一覧

ゼストリル 【ゼストリル 添付文書】

D00362 リシノプリル水和物 【KEGG DRUG】

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