成分名 |
プラバスタチンナトリウム |
適応症状 |
高脂血症/家族性高コレステロール血症 など |
簡易説明 |
プラバスタチンナトリウムは、肝臓におけるコレステロール合成を抑えて、主に血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロールとも呼ばれる)を低下させ、動脈硬化などを予防する薬で、高脂血症、家族性高コレステロール血症の治療に用いられます。
高脂血症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態で、自覚症状がなくても、長い間に動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞の原因にもなり兼ねませんが、プラバスタチンナトリウムで血液中のコレステロールを低下させていれば、将来起こるかもしれない心筋梗塞の危険性を少なくすることができます。
日本では、第一三共がメバロチンの商品名で販売しており、また、日新製薬-山形が プラバスタチンNaの商品名で販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科/消化器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:メバロチン細粒0.5% 36.3円/g(薬価)
メバロチン錠5 20.2円/錠 (薬価)
薬代後発薬1錠の目安:プラバスタチンNa錠10mg19.3円/錠 (薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1989年10月【メバロチン細粒0.5%/メバロチン錠5】 |
国内のジェネリック認可 |
国内のジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
メバロチン細粒0.5% /1% 【製薬メーカー:第一三共】
メバロチン錠5 /10 【製薬メーカー:第一三共】 |
関連製品(ジェネリック) |
プラバスタチンNa錠5mg/10mg「EE」
プラバスタチンNa錠10mg「ケミファ」「MED」「NS」「TCK」「アメル」「オーハラ」「サワイ」「チョーセイ」「テバ」「トーワ」「フソ―」「KN」
プラバスタチンナトリウム錠5mg/10mg「ファイザー」「陽進」
プラバスタチンナトリウム錠10mg「YD」「日医工」「ツルハラ」
メバレクト錠10mg「東菱薬品」
メバリリン錠5「ケミックス」
メバトルテ細粒0.5%/1%「テバ」 |
海外での使用実績 | ・アメリカ
アメリカのFDAにて1991年にプラバスタチンナトリウムが承認されました。
PRAVACHOL、Pravastatin Sodium tabletなどいくつかの商品名で取り扱われています。
・イギリス
Accord Healthcare LimitedからPravastatin Sodium 10 mg Tabletsといった商品名で取り扱われています。
・その他(2017年時点での販売国)
オーストラリア、ベルギー、中国、イタリア、韓国、ルクセンブルク、ポルトガル、スペイン、スイス、台湾、タイ |
効果・作用 |
プラバスタチンナトリウムは、肝臓におけるコレステロール合成を抑えて、主に血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロールとも呼ばれる)を低下させて、動脈硬化などを予防する薬です。
脂質異常症(高脂血症)は血液中のコレステロールやトリグリセリド(TG)の数値異常がおこり、動脈硬化を早めるなど様々な病気の温床となり、脂質異常症の中でもLDLコレステロール(悪玉コレステロールとも呼ばれる)の異常は心筋梗塞などの急性冠症候群などを引き起こす因子となります。
体内では主に肝臓においてコレステロール合成が行われており、コレステロールが合成される過程で必要なHMG-CoA還元酵素(3-Hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme-A reductase)という物質がありますが、肝臓で作られたコレステロールは各組織に移行したり、胆汁酸として排泄されます。
プラバスタチンナトリウムは、肝臓においてHMG-CoA還元酵素を阻害して、コレステロール合成を抑えることで、血液中のコレステロール(主にLDLコレステロール)を減らす作用を現します。スタチン系のなかで最も古いコレステロール低下薬です。スタチン系としては作用が穏やかで副作用も少ないとされており、長期服用時の安全性も高いです。 |
使用方法 |
▼用法用量
・成人にはプラバスタチンナトリウムとして、1日10mgを1回または2回に分け経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減しますが、重症の場合は1日20mgまで増量できます。
▼用法及び用量に関連する注意
メバロン酸の生合成は夜間に亢進することが報告されています。適用にあたっては、1日1回投与の場合、夕食後投与とすることが望ましいです。
▼重要な基本的注意
・あらかじめ高脂血症の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮してください。
・投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止してください。 |
副作用 |
重大な副作用
▼横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれて、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎機能障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼肝機能障害(頻度不明)
黄疸、著しいAST・ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼血小板減少(頻度不明)
紫斑、皮下出血等を伴う重篤な症例も報告されています。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼間質性肺炎(頻度不明)
長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止して、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行ってください。
▼ミオパチー(頻度不明)
ミオパチーがあらわれることあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼免疫介在性壊死性ミオパチー(頻度不明)
近位筋脱力、CK高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれて、投与中止後も持続する例が報告されています。免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例があります。異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼末梢神経障害(頻度不明)
末梢神経障害があらわれることあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼過敏症状(頻度不明)
ループス様症候群、血管炎等の過敏症状があらわれたとの報告があります。異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
・発疹、そう痒、蕁麻疹
・紅斑、脱毛、光線過敏、湿疹
・胃不快感、下痢、腹痛
・嘔気・嘔吐、便秘、口内炎、消化不良、腹部膨満感、食欲不振、舌炎
・AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
・LDH上昇、ALP上昇
・肝機能異常、ビリルビン上昇
・BUN上昇、血清クレアチニン上昇
・CK上昇
・筋脱力、筋肉痛、筋痙攣
・めまい、頭痛、不眠
・血小板減少、貧血、白血球減少
・尿酸値上昇、尿潜血
・耳鳴、関節痛、味覚異常、倦怠感、浮腫、しびれ、顔面潮紅
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
■妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないでください。他のHMG-CoA還元酵素阻害剤において、動物実験で出生児数の減少、生存・発育に対する影響及び胎児の生存率の低下と発育抑制が報告されています。また他のHMG-CoA還元酵素阻害剤において、ラットに大量投与した場合に胎児の骨格奇形、ヒトでは妊娠3ヵ月までの間に服用した場合に胎児の先天性奇形があらわれたとの報告があります。
■プラバスタチンナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方メバロチンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼メバロチンの有効成分
プラバスタチンナトリウム
▼代表薬の添加物
・ヒドロキシプロピルセルロース
・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
・結晶セルロース
・乳糖水和物
・三二酸化鉄
・ステアリン酸マグネシウム
■甲状腺機能低下症の患者
甲状腺機能低下症の患者は、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告があります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者
遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者は、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告があります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■薬剤性の筋障害の既往歴のある患者
薬剤性の筋障害の既往歴のある患者は、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告があります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■アルコール中毒の患者
アルコール中毒の患者は、本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝機能障害を悪化させるおそれがあります。また、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告があります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■腎機能検査値異常のある患者
本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用してください。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止してください。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいです。
■腎機能障害又はその既往歴のある患者
腎機能障害又はその既往歴のある患者は、横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められています。慎重に投与してください。
■重篤な肝機能障害又はその既往歴のある患者
重篤な肝機能障害又はその既往歴のある患者は、本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝機能障害を悪化させるおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は加齢による腎機能低下を考慮して、定期的に血液検査を行い、慎重に投与してください。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・フィブラート系薬剤(ベザフィブラートなど)
・免疫抑制剤(シクロスポリンなど)
・ニコチン酸
上記を使用している方は、プラバスタチンナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 プラバスタチンナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |