成分名 |
マシテンタン |
適応症状 |
肺動脈性肺高血圧症 |
簡易説明 |
マシテンタンは商品名をオプスミット錠10mgとして販売されており、その作用は新規のエンドセリン受容体拮抗薬として働きます。エンドセリン受容体の内、ETA受容体及びETB受容体の両方に対し作用する事が報告されており、その作用の特徴として強い結合親和性と、持続的な結合阻害作用が示されており、肺動脈性肺高血圧症の患者に対して、効果的に作用する薬です。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg約13,370円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
マシテンタンは商品名をオプスミット錠10mgとして、2015年3月26日に製造販売が承認され、同じく2015年5月20日に薬価基準に収載されました。その後同年の2015年6月9日に発売が開始されました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
オプスミット錠10mg【製薬メーカー:ヤンセンファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
米国においてActelion Pharmaceuticals(会社名)がOpsumit(販売名)として2013年10月に承認されました。また欧州ではJanssen-Cilag International NV(会社名)がOpsumit 10mg film-coated tablets.(販売名)として2013年12月に承認されました。 |
効果・作用 |
マシテンタンは肺動脈性肺高血圧症にたいして効果のある薬です。
その作用機序を見てみると、エンドセリン受容体は内因性のペプチドホルモンであるエンドセリン(ET-1)により活性化されるGタンパク質共役受容体です。エンドセリン受容体にはA型とB型が存在し、血管収縮、細胞増殖及び肥大、炎症、線維化など様々な生理機能を担っています。つまり、エンドセリン(ET-1)がエンドセリン受容体(A型及びB型)に結合する事により血管は収縮し血圧が上昇します。エンドセリン(ET-1)が異常に亢進する事によって、肺動脈性肺高血圧症の発症以外ににも、うっ血性心不全、心室性不全、虚血性心疾患、慢性腎不全などの循環器系の疾患を発症する事が分かっています。
肺動脈性肺高血圧症を発症している患者の病態では、局所のエンドセリン系が「上向き調節」されることによって、血管肥大及び臓器傷害等の病態形成に関与すると考えられています。
マシテンタン(オプスミット錠)は、経口投与で有効なエンドセリン受容体に対するデュアルアンタゴニスト(A型およびB型)であり、エンドセリンの受容体への結合を阻害する作用を有しています。
その結果、エンドセリン(ET-1)がエンドセリン受容体(A型及びB型)へ結合する事ができない為、血管拡張作用により血圧は下降します。その結果、肺動脈性肺高血圧症に対し上昇した血圧を抑える事により有効な作用を有しています。
また、エンドセリン(ET-1)は腎、眼、胸、肺に存在する事がノーザンプロット法により示されました。 |
使用方法 |
通常、マシテンタン(商品名:オプスミット錠)と呼ばれる高血圧症治療薬を成人に使用する場合には、1日1回1錠(10mg)投与する事とされています。 |
副作用 |
重大な副作用
貧血(4.0%)
貧血、ヘモグロビンの減少が起こる可能性がある。
その他の副作用
血液及びリンパ系障害、免疫系障害、神経系障害、血管障害、呼吸器、胸郭及び縦隔障害、胃腸障害、皮膚及び皮下組織障害、一般・全身障害、臨床検査の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)血液及びリンパ系障害
血小板減少(0.5%以上5%未満)
2)免疫系障害
過敏症(皮疹、蕁麻疹、血管浮腫)(頻度不明)
3)神経系障害
頭痛(5%以上)
片頭痛、浮動性眩暈(0.5%以上5%未満)
4)血管障害
潮紅、低血圧(0.5%以上5%未満)
5)呼吸器、胸郭及び縦隔障害
鼻閉、呼吸困難(0.5%以上5%未満)
6)胃腸障害
悪心/嘔吐、腹痛、下痢(0.5%以上5%未満)
7)皮膚及び皮下組織障害
掻痒症/発疹(0.5%以上5%未満)
8)一般・全身障害
浮腫、末梢性浮腫、顔面浮腫、胸痛(0.5%以上5%未満)
9)臨床検査
肝機能検査異常、ALT及びAST増加、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少(0.5%以上5%未満)
白血球数減少(頻度不明)
頻度不明の過敏症等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
2)重度の肝障害のある患者
他のエンドセリン受容体拮抗薬において重篤な肝障害の報告がある為使用できません。
3)強いCYP3A4誘導剤(リファンピシン、セイヨウオトギリソウ含有食品、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、リファブチン)を投与中の患者
4)本剤及び本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
■マシテンタンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、オプスミット錠10mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼オプスミット錠10mgの有効成分
マシテンタン
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ポリソルベート80、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、タルク、大豆レシチン、キサンタンガム
使用に注意が必要な方 1)投与開始前の肝酵素(AST、ALT)値のいずれか又は両方が基準値上限の3倍を超える患者
2)透析中の患者
3)重度の貧血のある患者
4)低血圧の患者
5)高齢者
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い為使用には注意が必要です。
6)授乳婦
動物実験において、本剤は乳汁中に移行する事が確認されている為使用には注意が必要です。
7)小児等
8)重度の腎障害のある患者
本剤の投与により低血圧及び貧血が起こる可能性がある為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、マシテンタンを使用する事が出来ない可能性があります。 マシテンタンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)強いCYP3A4阻害剤:ケトコナゾール、HIV感染症治療薬(リトナビル等)
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなる恐れがある為併用には注意が必要です。
2)中程度のCYP3A4阻害作用かつ中程度のCYP2C9阻害作用を有する薬剤:フルコナゾール
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現し薬すなる恐れがある為併用には注意が必要です。
3)CYP3A4誘導剤:エファビレンツ(ストックリン)、モダフィニル(モディオダール)、ルフィナミド(イノベロン)等
上記を使用している方は、マシテンタンを使用する事が出来ない可能性があります。 マシテンタンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 1)強いCYP3A4誘導剤:リファンピシン(リファジン)、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、カルバマゼピン(テグレトール)、フェニトイン(アレビアチン)、フェノバルビタール(フェノバール)、リファブチン(ミコブティン)
本剤の血中濃度が低下してしまい、本剤の効果が減弱する恐れがある為併用できません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
マシテンタンに関する よくある質問 |
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