テモカプリル塩酸塩

成分名

テモカプリル塩酸塩

適応症状

腎実質性高血圧症
高血圧症
腎血管性高血圧症

簡易説明

ACE阻害薬と呼ばれる系統の薬です。血圧を下げる働きがあります。
主に腎実質性高血圧症や高血圧症の治療に使用されます。ACE阻害薬の系統は、効き目が高く、安全性も高いことから高血圧症の治療に第一選択されてます。
また、腎臓病(腎硬化症、糖尿病性腎症など)や心臓病(心不全など)にも効果があります。血圧を適正に保つことで将来起こるかもしれない心臓病や脳卒中、腎臓病を防ぐことにつながります。
年齢を問わず広く利用でき、尿酸や血糖、脂質などに影響はありません。また、予後改善効果でも長期臨床試験により証明されてます。

処方可能な診療科目

内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:1mg約25.7円/2mg約48.2円/4mg約95.6円
薬代後発薬1錠の目安:1mg約13.8円/2mg約21.4円/4mg約42.8円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 1994年8月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

エースコール錠1mg/2mg/4mg【製薬メーカー:アルフレッサファーマ】

関連製品(ジェネリック)

テモカプリル塩酸塩錠1mg/2mg/4mg「フェルゼン/サワイ/日医工/JG/NP/タナベ/YD/タカタ/トーワ」【製薬メーカー:ダイト/沢井製薬/日医工/日本ジェネリック/ニプロ/ニプロESファーマ/陽進堂/ダイト/東和薬品】

効果・作用

血圧を下げる効果があります。主に高血圧の治療に使用されます。
ACE阻害薬と呼ばれる系統に分類され、効き目が高く副作用も少ないのが特徴です。
生体内における昇圧物質アンジオテンシンの合成を抑制することで高血圧を緩和させます。

▼薬理作用
体内には「アンジオテンシンII」という昇圧物質があります。これは、血管収縮作用や副腎皮質から「アルドステロン」という物質を分泌させる作用などをあらわします。アルドステロンは、腎臓に働きナトリウムイオン(Na+)の再吸収に関与することで、循環血液量の増加がおき、心拍出量や末梢血管抵抗が増加します。この作用により、血圧の上昇がおきます。体内には「アンジオテンシノーゲン」という物質から「アンジオテンシンI」を経て、アンジオテンシンIIが生成される仕組みがあります。アンジオテンシンIIはアンジオテンシンIからアンジオテンシン変換酵素(ACE:Angiotensin Converting Enzyme))の働きによって変換されます。ACEを阻害するとアンジオテンシンIIの生成を抑えられ、血圧上昇を抑えられます。テモカプリル塩酸塩は、ACEを阻害し、アンジオテンシンIIの生成を抑え、体内の血圧上昇を抑えることで血圧を下げる作用をあらわします。
また、アンジオテンシンIIには、体内で心臓の肥大化や腎臓の線維化(腎臓の炎症などで腎機能が低下する状態)を促す作用もあるとされます。テモカプリル塩酸塩には、これらの作用を抑制することで、心臓や腎臓などを保護する効果も期待できるとされてます。また、心不全や糖尿病性腎症などの治療に使われることもあります。

▼アンジオテンシンの生合成・作用機序
アンジオテンシンは、肝臓で生成されたアンジオテンシノーゲンから合成されます。
アンジオテンシノーゲンは肝臓から分泌されたレニンによりアンジオテンシンⅠ、ハイカラ分泌されたアンジオテンシン変換酵素「ACE」により昇圧物質アンジオテンシンⅡに変換されます。アンジオテンシンⅡにはAT1受容体に作用することで、直接的な欠陥収縮作用とアルドステロンを介した循環血液量を増やす作用によって血圧を上昇させます。
これらの経路をレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系といいます。

▼他のACE阻害薬
エースコール
タナトリル
レニベース
コバシル

使用方法

成人にはテモカプリル塩酸塩として1日1回2~4mg経口投与してください。
ただし、1日1回1mgから投与を開始し、必要に応じ4mgまで漸次増量します。

副作用

主な副作用
テモカプリル塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
テモカプリル塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
発疹、白血球減少、好酸球増多、めまい、頭痛、頭重、胃部不快感、嘔気、食欲不振、下痢、咳嗽

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

血管浮腫、呼吸困難、顔面腫脹、舌腫脹、声門腫脹、喉頭腫脹、腹痛、腸管血管浮腫、肝機能障害、黄疸、AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、ALP上昇、血小板減少、高カリウム血症、天疱瘡様症状、紅斑、水疱、そう痒、発熱、粘膜疹、汎血球減少、無顆粒球症

その他の副作用
CK上昇、血清カリウム上昇、口渇、抗核抗体陽性、浮腫、過敏症、蕁麻疹、貧血、眠気、嘔吐、肝機能異常、動悸、低血圧、BUN上昇、血清クレアチニン上昇、低血糖、嗄声、胸部不快感、咽頭不快感、顔面潮紅、倦怠感、味覚異常

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■テモカプリル塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方エースコール錠1mgは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼エースコール錠1mgの有効成分
テモカプリル塩酸塩
▼代表薬の添加物
ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム

妊婦/授乳者
過敏症
血管浮腫
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた血液透析施行中
遺伝性血管浮腫
後天性血管浮腫
特発性血管浮腫
薬剤による血管浮腫
デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中
トリプトファン固定化PVAを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中
ポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシス施行中
アリスキレンフマル酸塩投与中
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬投与中
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬投与中止から36時間以内
高カリウム血症
両側性腎動脈狭窄
片腎で腎動脈狭窄

使用に注意が必要な方
高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
重篤な腎機能障害
血清クレアチニン値が3mg/dLを超える
クレアチニンクリアランス値が30mL/min以下
血液透析中
厳重な減塩療法中
重症高血圧症
重篤な肝機能障害
手術前24時間
腎機能障害
血清カリウム値が高くなりやすい
コントロール不良の糖尿病

上記にあてはまる方は、テモカプリル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
テモカプリル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン
トリアムテレン
カリウム補給剤
塩化カリウム<補給剤>
降圧利尿剤
トリクロルメチアジド
ヒドロクロロチアジド
リチウム製剤
炭酸リチウム
ニトログリセリン
アンジオテンシン2受容体拮抗剤
非ステロイド系抗炎症剤
カリジノゲナーゼ製剤
インスリン製剤
経口血糖降下剤

上記を使用している方は、テモカプリル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
テモカプリル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
アリスキレンフマル酸塩
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬
サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

テモカプリル塩酸塩に関する
よくある質問
食前、食後どちらに飲むと効果が高いですか?

健康成人男性6例に対し、食後にテモカプリル塩酸塩2.5mg経口投与したとき、吸収に遅延が認められたものの空腹時と有意な差はなかった

添付文書エースコール錠

【上記引用元:アルフレッサファーマ株式会社】

重度の高血圧症の場合、使い方変わりますか?

低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。

添付文書エースコール錠

【上記引用元:アルフレッサファーマ株式会社】

参考元一覧

添付文書エースコール錠【アルフレッサファーマ株式会社】

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