イソクスプリン塩酸塩

成分名

イソクスプリン塩酸塩

適応症状

・下記に伴う随伴症状
頭部外傷後遺症
・下記に伴う末梢循環障害
ビュルガー病、閉塞性動脈硬化症、血栓性静脈炎、静脈血栓症、レイノー病及びレイノー症候群、凍瘡・凍傷、
特発性脱疽、糖尿病による末梢血管障害
・子宮収縮の抑制(切迫流・早産)
・月経困難症

ズファジラン筋注5mgの場合はこれらに加えて
・過強陣痛の子宮収縮の抑制

簡易説明

子宮の異常な収縮やけいれんを改善するお薬です。流産や早産を防いだり、生理痛の治療に用います。そのほか、血管を広げ血行をよくする働きもあり、血行障害による手足の冷えやしびれ感を改善します。また、レイノー病、閉塞性動脈硬化症、血栓性血管炎、凍傷、糖尿病などに伴う末梢循環障害の改善に用いるお薬です。

処方可能な診療科目

婦人科/糖尿病内科/循環器科/内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~3000円程度
先発薬10mg 1錠あたり:9.1円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2008年6月【発売開始年月日】

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

ズファジラン錠10mg【製薬メーカー:第一三共】
ズファジラン筋注5mg【製薬メーカー:第一三共】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

血液粘度低下作用、血管拡張作用により、脳・末梢の血液循環動態を改善し、子宮筋弛緩作用により子宮筋の収縮・痙攣を改善します。
通常、頭部外傷後遺症に伴う随伴症状、閉塞性動脈硬化症・血栓性静脈炎などに伴う末梢循環障害、子宮収縮の抑制、月経困難症の治療に用いられます。
■子宮筋弛緩作用
ズファジラン(イソクスプリン塩酸塩)は子宮の平滑筋を弛緩させることで、子宮の異常な収縮やけいれんを改善すします。
子宮の収縮や弛緩に関わるのが平滑筋といいます。
子宮の平滑筋には交感神経β受容体という所があり、β受容体が刺激されると子宮の平滑筋が弛緩します。
ズファジラン(イソクスプリン塩酸塩)は、子宮の平滑筋にあるβ受容体を刺激することで平滑筋を弛緩させ、切迫流産や切迫早産に効果を示します。
飲み薬は比較的軽い症状に適します。緊急性のあるときは、入院して注射薬で治療します。
妊娠初期12週未満は安全性が確立されていませんが、ときに、臨床現場では12週未満であっても主治医の判断でズファジランが処方されるケースはあります。
妊娠初期の場合は抗コリン薬のダクチル錠・ダクチラン錠が処方されることがあります。
妊娠16週まではズファジラン、それ以降はウテメリンがよく使われます。
また、月経困難症に用いられます。
子宮筋の攣縮を抑える効果により、突然起こる締め付けられる様な痛みに有効です。
■血管拡張作用
血管拡張作用は神経節の遮断作用によるものではなく、主として血管平滑筋への直接作用を示し、脳及び末梢の血液循環動態を改善します。
レイノー病、閉塞性動脈硬化症、血栓性血管炎、凍傷、糖尿病などに用います。ただし、対症療法薬ですので病気そのものを治すことはできません。
■血液レオロジー的性状の改善作用
経口投与により血液粘度低下作用が認められ、血液の流動性を高め、微小循環領域における血流を確保します
また、脳循環障害例に1日60mgを連続経口投与した場合、2週及び4週後に赤血球変形能の有意な改善が認められています。

使用方法

■循環器領域の適応の重症・急性の場合
イソクスプリン塩酸塩として通常成人1回5~10mg(1~2アンプル)を1日2~3回筋肉内注射する。
■子宮収縮の抑制
イソクスプリン塩酸塩として通常1回5~10mg(1~2アンプル)を1~2時間ごとに筋肉内注射する。
■月経困難症の重症の場合
イソクスプリン塩酸塩として通常1回5~10mg(1~2アンプル)を筋肉内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
また、いずれの場合も症状がおさまったら経口投与に切り替えること。

副作用

主な副作用
イソクスプリン塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
イソクスプリン塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

悪心/食欲不振/下痢/心悸亢進/顔面潮紅/頭痛/頭重感/眩暈/眠気/発汗/口内炎

■イソクスプリン塩酸塩の注意すべき副作用
悪心/食欲不振/下痢/心悸亢進/顔面潮紅/頭痛/頭重感/眩暈/眠気/発汗

その他の副作用
舌炎/胃痛/嘔吐/血圧低下/倦怠感/発疹/月経過多

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・頭蓋内出血
・高齢者

使用に注意が必要な方
・頭蓋内出血
・高齢者
■慎重投与
・心悸亢進
・低血圧
・脳出血
・分娩直後
■投与に際する指示
・頭蓋内出血

上記にあてはまる方は、イソクスプリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
イソクスプリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
・末梢血管拡張薬〔β刺激薬〕
・子宮運動抑制薬〔β刺激薬〕

よくある質問
妊娠13週になります。お腹が張るためズファジランを処方されました。
飲みはじめて2日ですが、副作用なのか、動悸と息切れがします。もう服用をやめたほうがいいでしょうか。

動悸と息切れが、すぐに治まったようなら飲み続けて大丈夫です。続くようなら一旦やめて、主治医に相談をしてください。

ズファジランを処方されたのですが、この薬は胎児に影響はないのでしょうか?

おそらくあなたは妊娠12週以上の方でしょうから処方されたのでしたら問題はないです。ズファジランは、昔から多くの妊娠中の方に服用されていて、胎児に対する薬害が報告されたのをみたことがありません。たしかに、12週未満では安全性が確立していないと報告がありますが、それほど心配しなくてもいいでしょう。

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