ファレカルシトリオール

成分名

ファレカルシトリオール

適応症状

・維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症/けいれん/しびれ感/知覚異常等)の改善
・クル病・骨軟化症(腎不全におけるものを除く)に伴う諸症状(骨病変/骨痛/筋力低下)の改善

簡易説明

ビタミンDを補う薬です。ビタミンDの働きがカルシウムの吸収効率を高め、骨を丈夫にします。
活性型ビタミンD3製剤に分類される本剤は、少量で効率的に作用します。
そのため、ビタミンDやカルシウムの代謝異常をともなう病気に広く使われます。その中でも特に、長く透析を受けている人に多く発病する二次性副甲状腺機能亢進症にともなう骨の病変に有用です。

処方可能な診療科目

整形外科/内科/婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:0.15mg219.2円
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2001年8月【フルスタン錠】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

フルスタン錠0.15/0.3【製薬メーカー:住友ファーマ】
ホーネル錠0.15/0.3【製薬メーカー:大正製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ファレカルシトリオールは、小腸や副甲状腺、あるいは骨にあるビタミンD受容体に結合して作用を発揮します。
その働きかけにより、腸からカルシウムがたくさん吸収されるようになりまた新しく骨を作る「骨芽細胞」を活発にして骨形成を促進します。
別の効能として、血液中のカルシウム分を適度に増やし、透析療法中に発現する副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰分泌を抑制します。副甲状腺ホルモンを適正に保つことは、いわゆる透析骨症(繊維性骨炎)の改善や予防につながります。
分子設計された活性型ビタミンD3製剤です。代謝による不活化を受けにくく、低用量で強力かつ持続的な効果をあらわします。既存の類似薬(アルファロールやエディロールなど)に比べ、二次性副甲状腺機能亢進症における副甲状腺ホルモン(PTH)分泌抑制作用が強いのが特徴です。
必須栄養素であるビタミンDは、食物として摂取されたり、日光浴によって体内で作られたります。ビタミンDはさらにビタミンD2ビタミンD3に分けられ、人間の体内では特にビタミンD3が、肝臓と膵臓で活性型ビタミンD3へと変換され、小腸からのカルシウムの吸収を促進することで骨を作る過程(骨形成)を促進させ、骨量の減少を抑える作用をあらわします。
ビタミンDは、正常な骨格と歯の発育促進などの重要な働きを果たしています。そのため、「骨のビタミン」とも言われます。ビタミンDが不足したりその代謝に異常を生じると、骨の性状が悪くなり、痛みを感じたり骨折しやすくなります。

使用方法

■維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の場合
通常、成人には 1 日 1 回ファレカルシトリオールとして 0.3μg を経口投与します。
ただし、年齢、症状により適宜減量して下さい。
■副甲状腺機能低下症、クル病・骨軟化症の場合
通常、成人には 1 日 1 回ファレカルシトリオールとして 0.3~0.9μg を経口投与します。
ただし、年齢、症状、病型により適宜増減して下さい。

※使用上の注意事項
・本剤投与中にあらわれる副作用の多くは、高カルシウム血症、及びそれに基づくと考えられる症状です。過量投与を防ぐため、本剤投与中は血清カルシウム値を定期的(投与初期及び増量時には少なくとも2週に1回)に測定して下さい。血清カルシウム値に関しては、疾患、施設の基準値等に応じた適正範囲を維持するよう、患者毎に投与量を適宜調節して下さい。 高カルシウム血症を起こした場合は、直ちに休薬して下さい。投与を再開する場合は、血清カルシウム値が適正範囲に回復したことを確認した後、減量して行って下さい。

・低アルブミン血症(血清アルブミン値が 4.0g/dL未満)の場合には補正値を指標に用いることが望ましいです。
補正カルシウム値算出方法:補正カルシウム値(mg/dL)= 血清カルシウム値(mg/dL)-血清アルブミン値(g/dL)+4.0
・血清カルシウム値と血清リン値の積が高値の場合、異所性石灰化の増悪をきたすとの報告がされています。血清カルシウム値及び血清リン値を定期的に測定し、血清カルシウム値と血清リン値の積が異常高値を認めた場合には、投与量を調節することが望ましいです。
・維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者に投与する場合、血清PTH値、血清Al-P値の抑制が過大に発現した場合は減量するなど、投与量を適宜調節して下さい。
・副甲状腺機能低下症及びクル病・骨軟化症の患者に投与する場合、尿中カルシウム値、尿中クレアチニン値を定期的に測定し、尿中カルシウム/クレアチニン比が正常域を超えないよう投与量を適宜調節して下さい。

副作用

重大な副作用
高カルシウム血症/腎結石/尿管結石/肝機能障害/黄疸

その他の副作用
頭痛/眠気/いらいら感/パーキンソニズム/下痢/下血/嘔気/嘔吐/胃部不快感/ 食欲不振/口渇感/胸部違和感/徐脈/好酸球の増加/白血球数増多/単球の増加/桿状核球の増加/好中球の増加/好中球の減少/リンパ球の減少/尿酸上昇/総コレステロール上昇/トリグリセライド上昇/総タンパク低下/アルブミン低下/蕁麻疹/皮疹/ALT(GPT)上昇/γ-GTP上 昇/LDH上 昇/AST(GOT)上昇/尿pH上昇/尿沈渣異常/BUN上昇/ 尿タンパク異常/尿潜血/関節周囲又は皮下の石灰化/骨痛/関節痛/肩こり/女性型乳房/顔面紅潮

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
■慎重投与
次の患者には慎重に投与して下さい。
・高齢者〔低用量から開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与して下さい。承認時までの臨床試験において、高齢者に高カルシウム血症等の副作用の発現率が高い傾向が認められています。〕
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与して下さい。胎児及び妊娠中の投与に関する安全性は確立しておらず、動物実験(ラット、ウサギ)で胎盤移行、胎児化骨遅延等が認められています。〕
・ 授乳婦〔避けることが望ましいですが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせて下さい。乳児に対する安全性は確立しておらず、動物実験(ラット)で未変化体及び代謝物の乳汁移行が認められています。〕
・小児〔低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対しては使用経験がなく、安全性は確立していません。小児に投与する場合には、血清カルシウム値等の観察を十分に行い、少量から投与を開始し、漸増投与するなど、過量投与にならないよう慎重に投与して下さい(使用経験が少ない)。〕

上記にあてはまる方は、ファレカルシトリオールを使用する事が出来ない可能性があります。
ファレカルシトリオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・カルシウム製剤(乳酸カルシウム/炭酸カルシウム 等)〔本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させるため、高カルシウム血症があらわれるおそれがあります。〕
・ビタミンD及びその誘導体(アルファカルシドール/カルシトリオール 等)〔相加作用によって、高カルシウム血症があらわれるおそれがあります。〕
・PTH製剤(テリパラチド)〔相加作用によって、高カルシウム血症があらわれるおそれがあります。〕
・マグネシウム含有製剤(酸化マグネシウム/炭酸マグネシウム 等)〔本剤が腸管でのマグネシウムの吸収を促進させ、高マグネシウム血症があらわれるおそれがあります。腎からのマグネシウムの排泄が低下している透析中の患者には特に注意が必要です。〕
・ジギタリス製剤(ジゴキシン 等)〔高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強され、高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがあります。〕

上記を使用している方は、ファレカルシトリオールを使用する事が出来ない可能性があります。
ファレカルシトリオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
フルスタン錠についている「0.15」や「0.3」は何を意味しますでしょうか。成分のmg数でしょうか。

配合されている成分の「μg」をあらわしています。μ(マイクロ)は、m(ミリ)の千分の一です。

骨粗鬆症にも効きますでしょうか。

骨を丈夫にする薬なので、効果はあると思います。ただ、本剤の効果効能とし「骨粗鬆症」が明記されていないため、他の活性型ビタミンD3製剤の方がより適していると思われます。

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