成分名 |
フレカイニド酢酸塩 |
適応症状 |
・成人:「頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、心室性)」の状態で、その他の抗不整脈薬が使用できない、または無効の場合
・小児:「頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)」の状態で、その他の抗不整脈薬が使用できない、または無効の場合 |
簡易説明 |
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生し心臓が収縮・拡張します。一連の流れの内、フレカイニド酢酸はナトリウムをブロック、またカリウムを少しブロックすることで不整脈への効果を発揮します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:50mg 59.4円
薬代1錠あたりの目安:100mg 102.1円
薬代1gあたりの目安:1g 141円
薬代後発薬1錠の目安:50mg 21.1円(100mg 36.3円)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はタンボコール錠の薬価で算出しています。
※「薬代後発薬1錠の目安」はフレカイニド酢酸塩錠「ファイザー」の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1991年8月(タンボコール錠50mg/100mg)/2015年6月(タンボコール細粒10%) |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
タンボコール錠50mg/100mg、タンボコール細粒10%(エーザイ株式会社) |
関連製品(ジェネリック) |
フレカイニド酢酸塩錠「KO」/フレカイニド酢酸塩錠「ファイザー」/フレカイニド酢酸塩錠「TE」/フレカイニド酢酸塩錠「VTRS」 |
効果・作用 |
フレカイニド酢酸塩は不整脈(脈が乱れてしまい正常に全身に血液を送り出すことができない状態)に対して使用する薬です。
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生します。そしてこの電気的な信号によって心臓が収縮・拡張します。
心臓は基本的に「マイナスイオン」の状態となっています。このマイナスイオンの状態から電気的な信号が発生するためには、最初にプラスイオンであるナトリウムが心臓の細胞に流入してくる必要があります。ナトリウムが入ってくることで心臓の細胞はマイナスからプラスの状態へと変換されます。その後、今度はプラスイオンであるカリウムが心臓の細胞から外へ放出されます。プラスイオンのカリウムが出ていくため、今度はマイナスの状態に傾きます。そして時間が経つと最初の状態へ戻り、この繰り返しで心臓は収縮と拡張を連続的に繰り返しています。
一連の流れの内、フレカイニド酢酸はナトリウムをブロック、またカリウムを少しブロックすることで不整脈への効果を発揮します。 |
使用方法 |
■成人(15歳以上):
・頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動)の場合
フレカイニド酢酸塩として1日100ミリグラム(1日2回に分けて服用)から服用をスタートし、十分な効果が得られない場合は200ミリグラムまで増量できます。
※年齢や症状によって医師の判断のもと、適宜減量して使用します。
・頻脈性不整脈(心室性)の場合
フレカイニド酢酸塩として1日100ミリグラム(1日2回に分けて服用)から服用をスタートし、十分な効果が得られない場合は200ミリグラムまで増量できます。
※年齢や症状によって医師の判断のもと、適宜増量、減量して使用します。
■小児(6ヵ月以上の乳児、幼児及び小児):
・頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)の場合
フレカイニド酢酸塩として体表面積当たり1日50〜100ミリグラムを1日2〜3回に分けて服用します。
※年齢や症状によって医師の判断のもと、適宜増量、減量します。
※1日最高用量:体表面積あたり200mg
■小児(6ヵ月未満の乳児):
フレカイニド酢酸塩として体表面積当たり1日50ミリグラムを1日2〜3回に分けて服用します。
※年齢や症状によって医師の判断のもと、適宜増量、減量します。
※1日最高用量:体表面積あたり200mg |
副作用 |
・視覚器系:複視、視力異常、羞明、霧視
・循環器系:血圧低下、PQの延長、QTの延長、QRSの延長、動悸、徐脈、血圧上昇、むくみ、胸痛、胸部不快感、心房細動
・血液系:ヘモグロビン値の増加、白血球の増多、ヘマトクリット値の増加
・肝臓系:AST、γ-GTP、ALT、LDH、Al-P、総ビリルビン値など上昇
・消化器系:悪心、消化不良、腹痛、お腹のハリ、口の渇き、食欲不振、下痢、便秘、口内炎、嘔吐
・腎臓系:血清クレアチニン値、BUNの上昇
・過敏症:かゆみ、あかみ
・呼吸器系:呼吸困難
・精神神経系:ふらつき、頭痛、めまい、ふるえ、耳なり、眠気、頭重感、手足のしびれ感
・その他:頻尿など排尿障害、倦怠感、味覚障害、顔面潮紅、異常な発汗、舌のしびれ感
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・「うっ血性心不全」を治療中の方
※心不全症状がさらに悪化する可能性があります。
・高度の「洞房ブロック」、高度の「房室ブロック」をお持ちの方
※「洞房ブロック」、「房室ブロック」をさらに悪化させる可能性があります。
・心筋梗塞後の「非持続型心室頻拍」または「無症候性心室性期外収縮」をお持ちの方
※死亡率が増加する可能性があります。
・妊娠している方、または妊娠している可能性のある方
・「リトナビル」を服用中の方
・「ミラベグロン」を服用中の方
・「テラプレビル」を服用中の方
使用に注意が必要な方 ・その他の抗不整脈薬を服用している方
※有効性や安全性が確立していないので、少量からスタートし、定期的に心電図の検査を実施する必要があります。
・「基礎心疾患(弁膜症、心筋梗塞、心筋症など)」を治療中の方
※心臓の機能が悪化する可能性があります。少量からスタートし、定期的に心電図の検査を実施する必要があります。
・「うっ血性心不全」の治療経験のある方
※心臓の機能が悪化する可能性があります。
・血液中のカリウム値が低下傾向にある方
※不整脈が引き起こされ、重度の不整脈に進展する可能性があります。
・明らかな「洞性徐脈」をお持ちの方
※洞性徐脈が悪化する可能性があります。
・「恒久的ペースメーカー」を使用、または一時的ペーシング中の方
※心臓ペーシングの閾値を高める可能性があります。
・「刺激伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック、脚ブロックなど)」をお持ちの方
※洞房ブロック、房室ブロック、脚ブロックなどさらに悪化させる可能性があります。
・肝臓の機能に障害をお持ちの方
※フレカイニド酢酸塩の血液中の濃度が高くなりやすいので少量からスタートし、定期的に心電図の検査を実施する必要があります。
・重篤な腎機能障害患者
※フレカイニド酢酸塩の血液中の濃度が高くなりやすいので少量からスタートし、定期的に心電図の検査を実施する必要があります。
・授乳している方
※治療上のメリット、母乳中の栄養のメリットを鑑み、授乳の継続または中止を医師と相談してください。ヒトにおいて、
※フレカイニド酢酸塩が乳汁中へ移行しました。
・高齢者
※肝臓、腎臓の機能が低下している可能性があるため少量からスタートし、定期的に心電図の検査を実施する必要があります。
・小児
※母乳または乳製品との併用によって、フレカイニド酢酸塩の吸収がブロックされ、効果が低下する可能性があります。
上記にあてはまる方は、フレカイニド酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 フレカイニド酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・フェニトイン(フェノバルビタール)/カルバマゼピン
※フレカイニド酢酸塩の血液中の濃度が低下する可能性があります。
・β遮断剤(プロプラノロール塩酸塩など)
※心臓の機能が低下したり、房室ブロックがあらわれたりする可能性があります。
・Ca拮抗剤(ベラパミル塩酸塩など)
※心臓の機能低下や、房室ブロックが引き起こされる可能性があります。
・パロキセチン塩酸塩水和物/シメチジン/キニジン硫酸塩水和物/アミオダロン塩酸塩
※フレカイニド酢酸塩の血液中の濃度が上昇する可能性があります。
・プロカインアミド塩酸塩/塩酸リドカイン
※毒性が増強してしまう可能性があります。
・ジギタリス配糖体(ジゴキシンなど)
※ジギタリス配糖体の血液中の濃度が上昇し副作用が引き起こされる可能性があります。
上記を使用している方は、フレカイニド酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 フレカイニド酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・リトナビル(ノービア)
※けいれん、不整脈、血液の障害などの重篤な副作用が引き起こされる可能性があります。
・ミラベグロン(ベタニス)
※QTが延長され心室性不整脈(トルサードポワンツを含む)などが引き起こされる可能性があります。
・テラプレビル(テラビック)
※QTが延長され心室性不整脈(トルサードポワンツを含む)などが引き起こされる可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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