ベンチルヒドロクロロチアジド

成分名

ベンチルヒドロクロロチアジド

適応症状

ベンチルヒドロクロロチアジドは血圧と浮腫に対し適応を持ちます。
血圧では本態性・腎性等における高血圧症、そして悪性高血圧症に対し適応を持ちます。
また浮腫では心性浮腫(うっ血性心不全)や腎性浮腫、そして肝性浮腫に対し適応を持ちます。

簡易説明

ベンチルヒドロクロロチアジドはチアジド系利尿薬に分類され、利尿・降圧剤として使用されています。腎尿細管におけるNa+、Cl-の再吸収を抑制する事により、Na+、Cl-及び水の排泄を増加させ、交感神経刺激に対する感受性を低下させることによって降圧作用を示すとされています。チアジド系利尿剤は他にトリクロルメチアジド、インダパミド、トリパミド、ヒドロクロロチアジド、メフルシド等があり、中には薬剤による浮腫や月経前緊張症などに適応のある薬もあります。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:4mg約6円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ベハイド旧販売名)は、1961年1月31日に製造販を承認し、1961年11月1日に薬価基準に収載されました。その後ベハイド錠4mg(新販売名)に販売名を変更し、2008年10月7日に製造販売承認し、2008年12月19日薬価基準収載。本品は1961年2月27日より販売されております。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ベハイド錠4mg【製薬メーカー:杏林製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

海外では販売されておりません。

効果・作用

ベンチルヒドロクロロチアジドは販売名をベハイド錠4mgとし、高血圧及び浮腫に対し適応を持ちます。血圧では本態性・腎性等における高血圧症、そして悪性高血圧症に対し適応を持ちます。また浮腫では心性浮腫(うっ血性心不全)や腎性浮腫、そして肝性浮腫ににたいして効果のある薬になります。

その作用機序は、腎尿細管におけるNa+、Cl-の再吸収を抑制する事により、Na+、Cl-及び水の排泄を増加させ、循環血漿量を減少させ、また動脈壁のNa+含量を低下させ、交感神経刺激に対する感受性を低下さえる事によって降圧効果が得られるとされています。

薬効を裏付ける試験結果により①塩類排泄作用(ベンチルヒドロクロロチアジドを投与したラットにおいて、Na+及びCl-の尿中排泄を用量依存的に増加させた)、②利尿作用(ベンチルヒドロクロロチアジドを投与したラットにおいて、無投与群に比し有意に尿の排泄を増加させた)、③血圧降下作用(ベンチルヒドロクロロチアジドを投与した高血圧ラットにおいて、10%以上の降圧作用をしめし、その作用は投与1時間後より始まり5時間以上持続した)の結果から明らかとされています。

基本的注意事項として本剤の利尿降下は急激に現れる事がある為、電解質失調、脱水に十分注意し、少量から投与を開始して、徐々に増量していく事とされております。

使用方法

通常、成人に使用する場合には、ベンチルヒドロクロロチアジドとして1回4~8mgを1日2回に分けて内服します。なお、患者の年齢や症状によって適宜増減する事が認められております。
維持量としては、1週2~3回間歇投与します。但し、高血圧症に用いる場合には少量から投与を開始して徐々に増量する事とされております。また、悪性高血圧症に使用する場合は、通常の使用において、ほかの降圧剤と併用する事とされております。

副作用

重大な副作用
1)再生不良性貧血(頻度不明)
2)低ナトリウム血症(頻度不明)
倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症が現れる事があります。
3)低カリウム血症(0.1~5%未満)

その他の副作用
精神神経系、血液、肝臓、代謝異常、過敏症、消化器、眼、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
眩暈、知覚異常等(頻度不明)
2)血液
白血球減少、血小板減少、紫斑等(頻度不明)
3)肝臓
肝炎(頻度不明)
4代謝異常
低マグネシウム血症、低クロール性アルカローシス、血中カルシウムの上昇等の電解質失調、血中脂質増加、高尿酸血症、高血糖症(頻度不明)
5)過敏症
発疹(0.1~5%未満)
顔面紅潮、光線過敏症等(頻度不明)
6)消化器
食欲不振、悪心、胃部不快感(0.1~5%未満)
嘔吐、下痢、便秘、膵炎、唾液腺炎等(頻度不明)
7)眼
視力異常(霧視等)、黄視症等(頻度不明)
8)その他
倦怠感、インポテンス、全身性紅斑性狼瘡の悪化、筋痙攣(頻度不明)

過敏症の発疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)無尿の患者
無尿の患者に無効であり、また、本剤投与により高窒素血症を起こすおそれがある為使用できません。
2)急性腎不全の患者
3)体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者
本剤のナトリウム・カリウム排泄作用により、体液中濃度が更に減少し、電解質失調を悪化させる恐れがある為使用できません。
4)チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
5)テルフェナジン又はアステミゾールを投与中の患者
QT延長、心室性不整脈を起こすおそれがある為使用できません。
6)デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者
7)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■ベンチルヒドロクロロチアジドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ベハイド錠4mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ベハイド錠4mgの有効成分
ベンチルヒドロクロロチアジド
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①重篤なな冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症の患者
②本人又は両親、兄弟が痛風、糖尿病の患者
③下痢、嘔吐のある患者
④高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症の患者
⑤減塩療法時の患者
⑥交感神経切除後の患者
2)腎機能障害患者
①急性腎不全の患者
②重篤な腎障害のある患者
3)肝機能障害患者
①進行した肝硬変症の患者
②肝疾患・肝機能障害のある患者
4)妊婦
5)授乳婦
6)小児等
7)高齢者

上記にあてはまる方は、ベンチルヒドロクロロチアジドを使用する事が出来ない可能性があります。
ベンチルヒドロクロロチアジドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)バルビツール酸誘導体
2)あへんアルカロイド系麻薬
3)アルコール
1)~3):起立性低血圧を増強する事がある為併用には注意が必要です。
4)カテコールアミン(ノルアドレナリン・アドレナリン)
カテコールアミンの作用を減弱する事がある為併用には注意が必要です。
5)ツボクラリン及びその類似作用物質(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物)
これらの薬剤の麻痺作用を増強する事がある為併用には注意が必要です。
6)降圧作用を有する他の薬剤(ACE阻害剤、β遮断剤、ニトログリセリン等)
降圧作用を増強する恐れがある為併用には注意が必要です。
7)ジギタリス製剤(ジゴキシン等)
ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある為併用には注意が必要です。
8)キニジン
徐脈を起こすおそれがある為併用には注意が必要です。
9)糖質副腎皮質ホルモン剤(ACTH、グリチルリチン製剤)
低カリウム血症が発現する事がある為併用には注意が必要です。
10)糖尿病用剤(SU剤、インスリン等)
糖尿病を悪化(糖尿病用剤の作用を減弱)させることがある為併用には注意が必要です。
11)炭酸リチウム
振戦、消化器愁訴等、リチウム中毒を増強する事がある為併用には注意が必要です。
12)コレスチラミン
13)非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)
12)~13):利尿降圧作用の減弱の為併用には注意が必要です。

上記を使用している方は、ベンチルヒドロクロロチアジドを使用する事が出来ない可能性があります。
ベンチルヒドロクロロチアジドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
1)デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト):男性における夜間多尿による夜間頻尿
低ナトリウム血症が発現する恐れがある為使用できません。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ベンチルヒドロクロロチアジドに関する
よくある質問
薬を飲み忘れたときはどうしたらよいですか?

飲み忘れに気づいた時点で直ちに1回分服用してください。但し、次の服用時間が近い場合は飛ばして次回分より再開するようにして下さい。決して2回分を一度に飲まないようにしましょう。
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

車の運転は行っても大丈夫ですか?

降圧作用によるめまい、ふらつきが現れる事がある為自動車の運転等危険を伴う操作をする際には十分注意する必要があります。
インタビューホーム 【杏林製薬株式会社】

1日2回服薬する場合は必ず朝夕食後で飲まなければいけませんか?

1日2回服薬すれば必ずしも朝夕食後で飲む必要はありません。特に夜間の休息が必用な場合には、夜間の排尿を避けるため午前中、例えば朝昼で服薬するようにすると良いでしょう。
インタビューホーム 【杏林製薬株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【杏林製薬株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。