インスリングラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチド

成分名

インスリングラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチド

適応症状

糖尿病

簡易説明

成分を配合したソリクア配合注ソロスター(以下、本剤)は持続性溶解インスリン製剤であるインスリングラルギン(遺伝子組換え)とGLP-1受容体作動薬であるリキシセナチドの合剤です。両剤を同時に投与することで注射回数を1回にすることを目的に開発されました。本剤は使い捨てタイプのペン型注入器(ソロスター)に装填・密封されたキット製剤です。
※インスリングラルギンおよびリキシセナチドの開発経緯については他項をご参照ください。

処方可能な診療科目

内科/内分泌内科など

健康保険の適応

インスリン療法が適応となる2型糖尿病

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:5,510円 
※1キットに本剤300μg含有されています。処方されるキット数は投与量(5~20ドーズ)により異なります。
薬代1キットあたりの目安:5,506.00円
薬代後発品1キットの目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2020年6月8日

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ソリクア配合注ソロスター【製薬メーカー:サノフィ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

本剤と同一配合比の製剤は海外では未承認です。

効果・作用

・インスリングラルギン(遺伝子組換え)
2型糖尿病により分泌が低下するインスリンを補充する薬です。末梢(特に骨格筋、脂肪)での糖(グルコース)の取り込みを促進し、肝臓の糖産生を阻害する働きで血糖値を下げる薬です。
・リキシセナチド
GLP-1受容体作動薬と呼ばれる薬です。GLP-1受容体と結合して膵臓からのインスリン分泌を促進する一方、高血糖状態における糖分泌を抑制、胃内容物排出の遅延などの作用により血糖値を低下させる薬です。
両剤の働きにより2型糖尿病マウスの血糖値低下、糖負荷後の血糖値上昇抑制、正常血糖イヌの糖負荷試験での血糖値上昇抑制等が動物実験で確認されています。
この効果は複数の臨床試験で確認されています。
・経口血糖降下薬で治療中のインスリン未治療例を対象とした比較試験
(GLP-1受容体作動薬との比較)
本剤群(161例)はリキシセナチド単独投与群(160例)と比べ、投与開始後26週のHbA1Cを有意に低下させました。
(基礎インスリン製剤との比較)
本剤群(261例)はインスリングラルギン単独投与群(261例)と比べ、投与開始後26週のHbA1Cを有意に低下させました。
・インスリン治療例を対象としたとの比較試験
本剤群(255例)はインスリングラルギン単独投与群(257例)と比べ、投与開始後26週のHbA1Cを有意に低下させました。

使用方法

5~20ドーズ(5~20単位/5~20μg)を1日1回朝食前に皮下注射します。
1日1回5~10ドーズから開始し、状態に応じて増量しますが、1日20ドーズが最大投与量です(1ドーズにインスリングランギル1単位、リキシセナチド1μgが含まれています)。

副作用

主な副作用
・5%以上の副作用
悪心
・1~5%未満の副作用
腹部不快感、下痢、嘔吐、消化不良、便秘、胃腸炎、食欲不振、めまい、振戦、注射部位反応(内出血、紅斑、浮腫、掻痒感等)、疲労
・1%未満の副作用
腹部膨満、腹痛、多汗症、傾眠、空腹感

重大な副作用
・低血糖:お腹がすく、冷汗が出る、血の気が引く、疲れやすい、手足のふるえ、痙攣、意識の低下
・急性膵炎:吐き気、嘔吐、激しい上腹部の痛み、背中の痛み、お腹にあざができる、お腹が張る
・ショック、アナフィラキシー:全身のかゆみ、蕁麻疹、喉のかゆみ、ふらつき、動悸、冷汗が出る、めまい、顔面蒼白、手足が冷たくなる、
・胆嚢炎:発熱、寒気、白目が黄色くなる、右上腹部の痛み、吐き気、上腹部が張った感じ、嘔吐
・胆管炎:発熱、白目が黄色くなる、右上腹部の痛み、皮膚が黄色くなる
・胆汁うっ滞性黄疸:白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿の色が濃くなる、体がかゆくなる

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■低血糖症状の方
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、吐き気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害等があらわれることがあります。無処置の状態が続くと、低血糖性昏睡等を起こし、死亡や障害等の重篤な転帰をとることがあります。
■糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の方
インスリンのみを含有する製剤による速やかな治療が必須となるため、本剤を使用すべきではありません。
■重症感染症、手術等の緊急の場合
インスリンのみを含有する製剤による血糖管理が望まれるため、本剤の使用は適しません。
■本剤、他のインスリングラルギン製剤およびインスリングラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチドを配合した医薬品の添加物にアレルギーをお持ちの方
本剤、他のインスリングラルギン製剤および下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ソリクアはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ソリクアの有効成分
インスリングラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチド
▼ソリクアの添加物
グリセリン、L-メチオニン、m-クレゾール、塩化亜鉛、pH調整剤2成分

使用に注意が必要な方
・重度の胃腸障害(重症胃不全麻痺等)の方:胃腸障害の症状が悪化するおそれがあります。
・膵炎に罹患したことのある方:本剤を含むGLP-1受容体作動薬は急性膵炎リスクの増大に関連しています。
・低血糖をおこすおそれのある方(脳下垂体機能不全または副腎機能不全、下痢・嘔吐等の胃腸障害、栄養不良状態・飢餓状態・不規則な食事摂取・食事摂取量の不足・衰弱状態、激しい筋肉運動、過度のアルコール摂取):低血糖がおこすおそれがあります。
・自律神経障害のある方:低血糖の自覚症状が明確でないことがあります。
・重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)、末期腎不全の方:低血糖をおこすおそれがあります。
・重度の肝機能障害のある方:低血糖をおこすおそれがあります。
・妊婦:本剤を投与せず、インスリン製剤を使用します。
・授乳婦:動物実験で乳汁移行が報告されています。
・小児:臨床試験を行っていません。
・高齢者:生理機能が低下してることが多いので、胃腸障害や低血糖がおこりやすいと考えられています。

上記にあてはまる方は、インスリングラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチドを使用する事が出来ない可能性があります。
インスリングラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・血糖降下作用の増強により低血糖症状があらわれることがある薬
糖尿病用薬、モノアミン酸化酵素阻害剤、三環系抗うつ薬、サリチル酸誘導体(アスピリン、エテンザミド)、抗腫瘍剤(シクロホスファミド水和物)、クロラムフェニコール、サルファ剤、シベンゾリン琥珀酸塩、ジソピラミド、ピロメノール塩酸塩水和物、フィブラート系薬剤、レセルピン、ワルファリンカリウム
・血糖降下作用の減弱により高血糖症状があれわれることがある薬
トリクロルメチアジド、フロセミド、副腎皮質ステロイド、テトラコサクチド酢酸塩、アドレナリン、グルカゴン、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、卵胞ホルモン、経口避妊薬、ニコチン酸、濃グリセリン、イソニアジド、ダナゾール、フェニトイン、ブセレリン酢酸塩、フェノチアジン誘導体
・血糖降下作用の増強又は減弱がによる低血糖症状・高血糖症状があらわれることがある薬
メスタノロン、ソマトスタチンアナログ製剤、ペンタミジンイセチオン酸塩、β遮断薬、炭酸リチウム、クロニジン
・吸収遅延により効果が減弱される薬(本剤投与の1時間以上前又は11時間以上後に使用します)
抗生物質、経口避妊薬

上記を使用している方は、インスリングラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチドを使用する事が出来ない可能性があります。
インスリングラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

インスリングラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチドに関する
よくある質問
注射部位の注意点はありますか?

皮下注射は、腹部、大腿部(だいたいぶ)または上腕部に行います。注射部位は主治医の指示どおり毎回変えてください。同一部位内で注射する場合は前回の注射箇所から少なくとも2~3cm離して注射してください。

ソリクア配合注ソロスター

【上記引用元:PMDA 患者向医薬品ガイド】

保管方法の注意点はありますか?

• 使用前は、凍結を避けて食物などとは区別して外箱等に入れたまま冷蔵庫など(2~8℃)で保管してください。
• 冷蔵庫内の冷風が直接あたるような場所には置かないようにしてください。
• 使用開始後は、キャップ等により遮光して、直射日光の当たる場所、極端に低温または高温になる場所、ほこりやゴミが付着しやすい場所は避けてください。ただし、冷蔵庫では保管しないでください。
• 使用開始後31日以内に使用してください。
• 子供の手の届かないところに保管してください。

ソリクア配合注ソロスター

【上記引用元:PMDA 患者向医薬品ガイド】

参考元一覧

インスリン グラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチド配合剤(ソリクア 添付文書、インタビューフォーム) 【PMDA 医療用医薬品 情報検索】

ソリクア配合注ソロスター 【PMDA 患者向医薬品ガイド】

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