アナグリプチン

成分名

アナグリプチン

適応症状

2型糖尿病

簡易説明

有効成分「アナグリプチン」は、血糖値を一定に保つ働きをするホルモンであるインクレチンを分解する酵素(DPP-4)を阻害します。
血糖値が高いときにインスリン分泌を促し、グルカゴン分泌を抑制して、血糖コントロールを改善します。
また、アナグリプチン成分を単独で投与した場合での低血糖はおこりにくいことが確認されています。
通常、2型糖尿病の治療に用いられます。

処方可能な診療科目

糖尿病内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約9,000円~1万円
薬代1錠あたりの目安:45.9円(薬価)
病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月:2012年 11月

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

スイニー錠100mg【製薬メーカー:三和化学研究所】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

アナグリプチンは、体内でインスリン分泌を促す物質の作用を強め、血糖値を下げる薬です。
糖尿病は血液中の血糖(ブドウ糖/グルコース)が適正な量を超えて増えてしまった状態で、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続くことで様々な合併症を引き起こします。
インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、膵臓から分泌されます。
体内に食物が入った後にインスリン分泌を促すインクレチン(GLP-1などの消化管ホルモンの総称)があります。
このGLP-1はインクレチンの一つで、体内でDPP-4という酵素によって分解されるため、DPP-4を阻害すればGLP-1の作用の減弱を抑えることができるという作用になります。
アナグリプチン成分を単独で投与した場合での低血糖はおこりにくいことが確認されています。
食事療法・運動療法に加えて速効型インスリン分泌促進剤及びインスリン製剤を使用して十分な効果が得られない2型糖尿病に対する有効性及び安全性が審査され、2015年12月に効能または、効果を「2型糖尿病」とする承認を受けています。
▼効能又は効果に関連する注意
アナグリプチンの適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮してください。
【使用方法】
通常、成人にはアナグリプチンとして1回100mgを1日2回朝夕に経口投与します。
なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を200mgまで増量することができます。
▼薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導してください。
PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発する恐れがあります。

使用方法

成人は1回1錠(アナグリプチンとして100mg)を1日2回朝、夕に服用します。
効果が不十分な場合に限り、経過を十分に観察しながら1回2錠(200mg)まで増量する場合があります。
重度以上の腎機能障害患者では、腎機能の程度により減量されます。
医師の診察を受け必ず指示された服用方法に従ってください。

副作用

主な副作用
▼消化器
便秘、下痢、胃炎、腹部膨満、腹痛、腹部不快感、血中アミラーゼ上昇、悪心・嘔吐、腸炎、鼓腸、消化性潰瘍、消化不良、胃食道逆流性疾患
▼過敏症
発疹、そう痒
▼肝臓
ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇
▼精神神経系
・めまい
▼血液
・貧血
・白血球数増加
アナグリプチンには、副作用が起こる可能性があります。
アナグリプチンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

重大な副作用
・低血糖
低血糖があらわれることがあります。
スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されています。
低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行ってください。
ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与してください。
・腸閉塞
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。
・類天疱瘡
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
数と出現範囲を確認します。また、免疫学的所見として、血清中の抗BP180抗体の測定が有用です
(抗BP180-NC16a抗体、CLEIA法もしくはELISA法にて保険適用)
・急性膵炎
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。

その他の副作用
便潜血陽性、鼻咽頭炎、浮腫、CK上昇、尿中血陽性、血中尿酸上昇、血中クレアチニン上昇、蜂巣炎、腎嚢胞

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
アナグリプチンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方

使用に注意が必要な方
【使用出来ない方】
・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の方
(輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので、アナグリプチンの投与は適しません)
・重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方
(インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適しません)
上記にあてはまる方は、アナグリプチンを使用する事が出来ない可能性があります。
アナグリプチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
・妊婦の方
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します。
・授乳者の方
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討してください。
・小児の方
・高齢者の方
副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与してください。

上記にあてはまる方は、アナグリプチンを使用する事が出来ない可能性があります。
アナグリプチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
▼糖尿病用薬
・スルホニルウレア剤
・α-グルコシダーゼ阻害剤
・ビグアナイド系薬剤
・チアゾリジン系薬剤
・速効型インスリン分泌促進剤
・GLP-1受容体作動薬
・SGLT2阻害剤
・インスリン製剤等
(血糖降下作用が増強され、低血糖症のリスクが増加するおそれがあります)
▼血糖降下作用を増強する薬剤
・β-遮断薬
・サリチル酸製剤
・モノアミン酸化酵素阻害薬
・フィブラート系薬剤等
(血糖降下作用が増強されるおそれがあります)
▼血糖降下作用を減弱する薬剤
・アドレナリン
・副腎皮質ホルモン
・甲状腺ホルモン等
(血糖降下作用が減弱されるおそれがあります)
▼ジゴキシン
(ジゴキシンの血漿中濃度がわずかに増加したとの報告があります)

上記を使用している方は、アナグリプチンを使用する事が出来ない可能性があります。
アナグリプチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
該当なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
スイニー錠いつ飲みますか?

服用のタイミングは食事の前か後、 どちらでも構いません。
腎臓にご病気のある方は1日1回の 服用となる場合もあります。
1日2回服用することで、毎食後のGLP-1を高く保つことができます。
そのため、食事ごとのインスリン分泌を増やし、グルカゴン分泌 を抑えて血糖値を低下させます。

スイニー錠のジェネリックはありますか?

発売後10年経過していないため、ジェネリック医薬品はありません。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。