成分名 |
プロパフェノン塩酸塩 |
適応症状 |
「頻脈性不整脈」の状態で、その他の抗不整脈薬が使用できないかまたは無効の場合 |
簡易説明 |
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生し心臓が収縮・拡張します。一連の流れの内、プロパフェノン塩酸塩はナトリウムをブロックすることで不整脈への効果を発揮します。また「β遮断作用」という効果も持ち合わせています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:150mg 34.7円
薬代1錠あたりの目安:100mg 30.9円
薬代後発薬1錠の目安:100mg 14.7円(150mg 16.5円)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はプロノン錠の薬価で算出しています。
※「薬代後発薬1錠の目安」はプロパフェノン塩酸塩錠「オーハラ」の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1991年4月(100mg)/1989年6月(150mg) |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
プロノン錠100mg/150mg(トーアエイヨー株式会社) |
関連製品(ジェネリック) |
プロパフェノン塩酸塩錠100mg/150mg「オーハラ」(大原薬品工業) |
効果・作用 |
プロパフェノン塩酸塩は不整脈(脈が乱れてしまい正常に全身に血液を送り出すことができない状態)に対して使用する薬です。
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生します。そしてこの電気的な信号によって心臓が収縮・拡張します。
心臓は基本的に「マイナスイオン」の状態となっています。このマイナスイオンの状態から電気的な信号が発生するためには、最初にプラスイオンであるナトリウムが心臓の細胞に流入してくる必要があります。ナトリウムが入ってくることで心臓の細胞はマイナスからプラスの状態へと変換されます。その後、今度はプラスイオンであるカリウムが心臓の細胞から外へ放出されます。プラスイオンのカリウムが出ていくため、今度はマイナスの状態に傾きます。そして時間が経つと最初の状態へ戻り、この繰り返しで心臓は収縮と拡張を連続的に繰り返しています。
一連の流れの内、プロパフェノン塩酸塩はナトリウムをブロックすることで不整脈への効果を発揮します。また「β遮断作用」という効果も持ち合わせています。 |
使用方法 |
成人(15歳以上):プロパフェノン塩酸塩として1回150ミリグラムを1日3回服用します。
※年齢や症状によって、医師の判断のもと適宜増量、減量することがあります。 |
副作用 |
重大な副作用
・心室頻拍、洞房ブロック、心室細動、失神、房室ブロック、洞停止、徐脈など
・AST、Al-P、ALT、γ-GTP、ビリルビンなどの上昇を伴う肝臓の機能障害、黄疸など
その他の副作用
・循環器系:動悸、脚ブロック、胸痛など
・肝臓系:ASTの上昇、Al-Pの上昇、ALTの上昇、γ-GTPの上昇など
・腎臓系:BUNの上昇など
・血液系:好酸球の増加など
・精神神経系:ふらつき、めまい、頭痛、頭重感など
・消化器系:嘔気、食欲不振、嘔吐、軟便、下痢、腹痛、便秘、腹部膨満感など
・過敏症:発疹、かゆみなど
・その他:筋肉痛、倦怠感、尿酸の上昇、浮腫、味覚倒錯、中性脂肪の上昇、ほてりなど
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・「うっ血性心不全」を治療中の方
※プロパフェノン塩酸塩は、心臓の機能抑制効果があるため、心不全が悪化する可能性があります。
・重度の「房室ブロック」、重度の「洞房ブロック」をお持ちの方
※刺激伝導障害が悪化し、「重度の徐脈」や「完全房室ブロック」に陥る可能性があります。
・リトナビル、ミラベグロン、テラプレビル、アスナプレビルを服用中の方
使用に注意が必要な方 ・血液中のカリウム値が低下傾向にある方
※「心室頻拍」などが引き起こされる可能性があります。
・「基礎心疾患(心筋梗塞、心筋症、弁膜症など)」を治療中の方
※心不全が引き起こされる可能性がありますので少量からスタートし、定期的に心電図検査を実施する必要があります。
・著明な「洞性徐脈」をお持ちの方
※より強い徐脈状態が引き起こされる可能性があります。
・心臓の機能が低下している方
※循環不全によってプロパフェノン塩酸塩の血液中濃度が上昇する可能性があるので、少量からスタートするなど服用量に注意しつつ、定期的に心電図検査を実施する必要があります。
・その他の抗不整脈薬を服用している方
※併用した際の有効性や安全性が確立していないため、少量からスタートするなど服用量に注意しつつ、定期的に心電図検査を実施する必要があります。
・「刺激伝導障害(房室ブロック、脚ブロック、洞房ブロック)」を治療中の方
※房室ブロック、脚ブロック、洞房ブロックがさらに悪化する可能性があります。
・気管支痙攣、閉塞性肺疾患、気管支喘息のおそれのある方
※気管支痙攣、閉塞性肺疾患、気管支喘息の症状を悪化させる可能性があります。
・肝臓の機能が障害されている方
※プロパフェノン塩酸塩の血液中濃度が上昇する可能性があるので、少量からスタートするなど服用量に注意しつつ、定期的に心電図検査を実施する必要があります。
・重度に腎臓の機能を障害している方
※プロパフェノン塩酸塩の血液中濃度が上昇する可能性があるので、少量からスタートするなど服用量に注意しつつ、定期的に心電図検査を実施する必要があります。
・妊娠している方
※妊娠している方または妊娠している可能性のある方には治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
・授乳している方
※治療上のメリット、デメリットを鑑み、授乳の中止も検討してください。
・高齢者
※一般的に生理機能が低下しているため少量からスタートするなど服用量に注意しつつ、定期的に心電図検査を実施する必要があります。
・小児
※小児を対象としている臨床試験は実施されていません。
上記にあてはまる方は、プロパフェノン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プロパフェノン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・ベラパミル
※動物実験:プロパフェノン塩酸塩の心臓に対する作用が増強してしまうというデータがあります。
・メトプロロール/プロプラノロール
※めまい、心臓の収縮力低下、ふらつき、血圧低下などの症状が引き起こされる可能性があります。
・ワルファリン
※ワルファリンの作用が増強される可能性があります。
・ジゴキシン
※ジゴキシンの作用が増強されてジゴキシン中毒症状が引き起こされる可能性があります。
・アミノフィリン/コリンテオフィリン/テオフィリン
※プロパフェノン塩酸塩がこれらの薬の作用を増強させる可能性があります。
・セイヨウオトギリソウを含む食べ物
※プロパフェノン塩酸塩の分解が促進され、血液中濃度が低下する可能性があります。
上記を使用している方は、プロパフェノン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プロパフェノン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・アスナプレビル(スンベプラ)
※プロパフェノン塩酸塩の血液中の濃度が上昇し、不整脈が引き起こされる可能性があります。
・ミラベグロン(ベタニス)
※心室性不整脈、QT延長などが引き起こされる可能性があります。
・リトナビル(ノービア)
※プロパフェノン塩酸塩の血液中の濃度が大幅に上昇してしまい、血液障害、不整脈、けいれんなどの重篤な副作用が引き起こされる可能性があります。
・テラプレビル(テラビック)
※非常に重篤、または命に危険が及ぶような状態(血液障害、不整脈、血管攣縮など)が引き起こされる可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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