アリスキレンフマル酸塩

成分名

アリスキレンフマル酸塩

適応症状

高血圧症

簡易説明

血圧を上昇させる体内物質(アンジオテンシンII)は、レニンやACE(アンジオテンシン変換酵素)といった酵素の作用によって産生されます。アリスキレンフマル酸塩は、これを抑制し、血圧を下げる作用があります。主に高血圧症の治療に使用されます。血圧を適切にたもつことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことになります。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:150mg約110.3円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2009年10月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ)

関連製品(先発薬)

ラジレス錠150mg【製薬メーカー:オーファンパシフィック】

関連製品(ジェネリック)

Tekturna tablet, film coated 150mg/300mg (NDA)【製薬メーカー:A-S Medication Solutions/Noden Pharma USA, Inc.】
ALISKIREN tablet, film coated 150mg/300mg (ANDA)【製薬メーカー:Par Pharmaceutical, Inc.】
Aliskiren tablet, film coated 150mg/300mg(NDA AUTHORIZED GENERIC)【製薬メーカー:Prasco Laboratories】

効果・作用

血圧の上昇に関係してる、レニン・アンジオテンシン系サイクルの起点となる酵素「レニン」を抑制します。これにより、このサイクルで産生される昇圧物質「アンジオテンシン」の濃度が低下し、持続的な降圧効果を発揮します。この作用により高血圧症の治療に使用されます。

▼特徴
直接的レニン阻害薬と呼ばれる、新しいタイプの降圧薬です。DRI(Direct Renin Inhibitor)と略されます。持続性があり、1日1回の服用で十分な血圧管理が可能です。単独で使用するほか、降圧効果の増強のため他の降圧薬との併用療法もおこなわれます。

▼作用機序
直接的レニン阻害剤で、レニン−アンジオテンシン系サイクルの起点となるレニンを、強力かつ選択的に阻害します。これによりアンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIへの変換を遮断し、PRA、アンジオテンシンI、またはアンジオテンシンIIの濃度を低下させ、持続的な降圧効果をあらわします。

▼直接的レニン阻害薬と既存の高血圧治療薬との違い
様々な降圧薬の中で、新規の作用機序を有するのがレニン阻害薬です。高血圧の第一選択薬とはならず、他の薬を使用してもなかなか血圧を下げることができないときに使用を考慮する薬です。他の降圧薬のARB・ACE阻害薬もRAA系に作用して効果を発揮しますが、レニン阻害薬の作用点はRAA系の起点のレニンであることが特徴です。

▼高血圧について
喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。国民のおよそ二人に一人は高血圧といわれており、もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されています。高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こすものをいいます。日本人の大部分の高血圧は、それらの原因のない、本態性高血圧で「肥満、飲酒、食塩の過剰摂取」などが組み合わさって起こると考えられています。高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全など、また脳では、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症になりやすくなるので注意が必要です。

使用方法

成人にはアリスキレンとして150mgを1日1回経口投与してください。
※効果不十分な場合は、300mgまで増量することができます
(用法用量に関連する注意)
服用時期は患者ごとに食後もしくは空腹時のいずれかに規定し、原則として毎日同じ条件で服用するよう指導してください。
※空腹時投与で、食後投与に比べ血中濃度が高くなること等を踏まえ、食後投与での開始を考慮してください。
※服用時期を変更する場合には、症状の変化に特に注意が必要です。

副作用

主な副作用
貧血、血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加、頭痛、めまい、低血圧、下痢、嘔吐、悪心、肝機能異常、ALT増加

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。

重篤な高カリウム血症、重篤な腎機能障害、慢性腎不全増悪、血管浮腫、呼吸困難、嚥下困難、顔面腫脹、口唇腫脹、咽頭腫脹、舌腫脹、四肢腫脹、アナフィラキシー、喘鳴、蕁麻疹

その他の副作用
γ-GTP増加、発疹、血中クレアチニン増加、尿中血陽性、尿中蛋白陽性、CK増加、血中カリウム増加、末梢性浮腫、低ナトリウム血症、皮膚そう痒症、紅斑、BUN増加

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アリスキレンフマル酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ラジレスは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ラジレスの有効成分
アリスキレンフマル酸塩
▼代表薬の添加物
ポビドン、クロスポビドン、セルロース、無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄、酸化鉄

■他に使用できない方
妊婦/授乳者
過敏症
イトラコナゾール投与中
アンジオテンシン変換酵素阻害剤投与中
シクロスポリン投与中
アンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中
サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物投与中
高カリウム血症
両側性腎動脈狭窄
片腎で腎動脈狭窄
片側性腎動脈狭窄

使用に注意が必要な方
高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
腎機能障害
血液透析中
厳重な減塩療法中
体液量減少
塩分減少
高用量の利尿剤投与中

上記にあてはまる方は、アリスキレンフマル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アリスキレンフマル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
P-糖蛋白質を阻害する薬剤
ベラパミル
アトルバスタチン
バルベナジン
ACE阻害剤
カプトプリル
エナラプリル
アラセプリル
塩酸イミダプリル
キナプリル塩酸塩
シラザプリル水和物
塩酸テモカプリル
デラプリル塩酸塩
トランドラプリル
塩酸ベナゼプリル
ペリンドプリルエルブミン
リシノプリル
アンジオテンシン2受容体拮抗剤
バルサルタン
アジルサルタン
オルメサルタン
イルベサルタン
カンデサルタン
テルミサルタン
ロサルタン
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬
サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物
フロセミド
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン
トリアムテレン
カリウム補給剤
塩化カリウム<補給剤>
抗アルドステロン剤
エプレレノン
レニン-アンジオテンシン系阻害剤
V2-受容体拮抗剤
トルバプタン
非ステロイド系抗炎症剤
COX-2選択的阻害剤
インドメタシン製剤

上記を使用している方は、アリスキレンフマル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アリスキレンフマル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
イトラコナゾール
シクロスポリン

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
糖尿病でなければ他の薬と併用できますか?

他の臨床試験も含めて検討した結果、糖尿病を合併する高血圧症に対してARB/ACEとラジレスの併用は禁忌になっています。

どれくらいで効果はでますか?

健常人でのTmaxは投与後1.5時間ですが、本剤は半減期が長いため、最大効果発現時間を検討したデータはありません。

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