アモスラロール塩酸塩

成分名

アモスラロール塩酸塩

適応症状

本態性高血圧症
褐色細胞腫による高血圧症

簡易説明

血管を広げる作用と、心拍をおさえ心臓を休ませる2つの作用があります。交感神経の受容体は「α」と「β」に分かれ、αは「α1」や「α2」、βは「β1」や「β2」のタイプがあります。その中で、交感神経の「α受容体」と「β受容体」を遮断し作用します。両方の受容体に働くことで、降圧作用が強まり、高血圧症を改善します。また副作用も軽減します。

処方可能な診療科目

内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg約21.6円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 1988年7月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外もなし)

関連製品(先発薬)

ローガン錠10mg【製薬メーカー:LTLファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外もなし)

効果・作用

アモスラロール塩酸塩は、「α1受容体遮断作用」と「β1受容体遮断作用」の「心機能の抑制」による血管拡張作用により、高血圧症や狭心症などの改善に使用されます。

▼α遮断作用とは
血管にある交感神経のα受容体を遮断し、血管を広げます。それにより血液の抵抗が減り血圧が下がります。
▼β遮断作用とは
心臓にあるβ受容体を遮断し、心臓の拍動を抑制します。それにより脈が落ち着き、血圧も下がります。

▼薬理作用
血圧が上昇する要因として、心拍出量の増加による血管内血液量の増加や血管の収縮などがあります。交感神経の受容体はα1、α2、β1、β2などいくつかの種類があります。心臓で、交感神経のβ1受容体は心臓の機能に関係してます。β1受容体を阻害すると、心機能が抑制され、心臓の仕事量が減少し、血液を送り出す量が減り、血管の血液量の減少による血圧低下がおこります。また心機能を抑制することで心拍数が低下します。α1受容体は血管収縮に関係し、α1受容体を阻害すると血管収縮が抑制され、、血管拡張作用をあらわします。アモスラロール塩酸塩は、主にα1受容体、β1受容体の遮断作用により、心臓の仕事量を抑制し、血管を拡張させることで血圧を下げる働きがあります。心拍数を抑えることで狭心症や頻脈性不整脈を改善も期待できます。

▼作用機序
αβ受容体遮断作用
ラット、イヌを用いた生体位実験では、α1受容体遮断作用とβ受容体遮断作用を同程度に併せもつことが確認されてます。ウサギ、ラットの摘出臓器を用いた実験においては、α1受容体を選択的に遮断することが確認されてます。

▼血圧降下の機序
選択的α1受容体遮断作用により血管の緊張を緩和するためと考えられてます。血圧降下に基づく反射性頻脈や、血漿レニン活性の活性化は、β受容体遮断作用により抑えられてると考えられてます。

▼特徴
αβ遮断薬という系統で、同系のなかでは以下のような特徴があります。
効力比.. α:β=1:1
β1非選択⇒心臓、気管支などにも影響しやすい。
ISA-⇒内因性の交感神経刺激作用がありません。
水溶性⇒吸収や代謝が遅く、多くは腎臓から直接排泄されます。脳内に入りにくく、気分の変調など中枢性の副作用が少ないです。

▼本態性高血圧症とは
原因の判らないものいい、高血圧の約90%が本態性高血圧です。遺伝的背景や生活習慣の乱れ、加齢などによって発症するといわれています。慢性的に持続すると、動脈硬化や左室肥大を進行させ、脳卒中や心疾患などの重篤な疾患を引き起こすリスクが高くなります。

▼褐色細胞腫とは
感神経(自律神経の一種)に働きかけるホルモンの、カテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)の産生能を有する腫瘍のことです。腎臓の上に位置する副腎の髄質から発生します。発作性の高血圧や、通常の降圧剤での治療でよくならない高血圧を詳しく検査する過程で発見されることが多いとされています。症状は、高血圧や頭痛、便秘、腸閉そく(麻痺性イレウス)など多様な症状で、糖尿病、脂質異常症を併発することもあります。

▼狭心症とは
心筋に血液を行き渡らせる「冠動脈」が狭くなることにより、一時的に心筋が酸素不足に陥って胸の痛みや圧迫感を引き起こす病気のことです。放置すると冠動脈が完全に詰まる“心筋梗塞”を引き起こす可能性があるため、危険な病気です。原因は動脈硬化によって冠動脈が狭くなることですが、大動脈弁狭窄症だいどうみゃくべんきょうさくしょうなどの病気が原因で引き起こされるケースもあります。運動後に胸痛発作が生じることが多いものの、夜間就寝時や安静時に発症することも多く、さらに頻回に発作が生じる場合もあります。

▼他のαβ遮断薬
アーチスト
アロチノロール
カルバン

使用方法

1日20mgより投与を開始してください。効果不十分な場合は1日60mgまで漸増し、1日2回に分割、経口投与してください。
※年齢・症状により適宜増減すします

副作用

主な副作用
眩暈、立ちくらみ、過敏症、発疹、頭痛、眠気、徐脈、動悸、AST上昇、ALT上昇、嘔気

その他の副作用
食欲不振、鼻閉、倦怠感、浮腫、霧視、発赤、そう痒、頭重感、不眠、耳鳴り、しびれ、胸部圧迫感、心不全、涙液分泌減少、眼のしょぼしょぼ感、Al-P上昇、LDH上昇、喘息様症状、嘔吐、腹痛、口渇、下痢、頻尿、尿失禁、CK上昇、CPK上昇、抗核抗体陽性化、脱力感、唇の荒れ、舌荒れ、ほてり

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アモスラロール塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ローガンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ローガンの有効成分
アモスラロール塩酸塩
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、カルナウバロウ

■他に使用できない方
妊婦/授乳者
著しい洞性徐脈
肺高血圧による右心不全
気管支痙攣
気管支喘息
心原性ショック
代謝性アシドーシス
糖尿病性ケトアシドーシス
洞房ブロック
高度徐脈
房室ブロック<2〜3度>
うっ血性心不全
褐色細胞腫の手術時に使用する場合を除き手術前24時間

使用に注意が必要な方
高齢者
コントロール不十分な糖尿病
重篤な肝機能障害
長期間絶食状態
特発性低血糖症
うっ血性心不全

上記にあてはまる方は、アモスラロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アモスラロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
交感神経遮断剤
レセルピン
血糖降下剤
インスリン製剤
グリベンクラミド
アセトヘキサミド
カルシウム拮抗剤
ベラパミル
ジルチアゼム
クラス1抗不整脈剤
ジソピラミド
プロカインアミド塩酸塩
アジマリン
降圧作用を有する薬剤
血圧降下剤
硝酸剤

上記を使用している方は、アモスラロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アモスラロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
毒性は強いお薬ですか?

癌原性、眼毒性においては後述の所見が認められたが、依存性、抗原性、変異原性、局所刺激性においては本薬投与による影響は認められなかった。

医薬品インタビューフォーム

【上記引用元:LTLファーマ株式会社】

服用後に気を付けることはありますか?

血圧が下がり、めまい、立ちくらみなどがあらわれることがあるので、高い所での作業や車の運転などの危険を伴う機械操作などは十分に注意してください。

ローガン錠10mg

【上記引用元:くすりの適正使用協議会】

参考元一覧

ローガン【LTLファーマ株式会社】
ローガン錠10mg【くすりの適正使用協議会】
高血圧【厚生労働省】

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