ブナゾシン塩酸塩

成分名

ブナゾシン塩酸塩

適応症状

本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症緑内障、高眼圧症(他の緑内障治療薬で効果不十分な場合)

簡易説明

ブナゾシン塩酸塩は血圧を下げる薬です。
通常、緑内障、高眼圧症の治療に用いられます。
末梢血管のα1受容体を選択的に遮断し、血管を拡張させ、自然発症高血圧ラット、DOCA・食塩高血圧ラット、腎性高血圧イヌにおいて降圧作用を示した研究結果が示されています。
さらにブナゾシン塩酸塩は、降圧に伴う生体反応である体液性昇圧因子を増加させません。
血圧を適切に保つことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。
同成分配合のデタントール点眼液では、α1受容体を遮断する作用によって房水の流出を促進することにより、眼圧を下げます。

処方可能な診療科目

内科、循環器科、腎臓・高血圧内科など

健康保険の適応

褐色細胞腫は希少疾患で専門医は少ないため、手術以外の治療は保険適応外。

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~10,000円
新薬0.5mg1錠あたりの目安:11.4円
新薬1mg1錠あたりの目安:19.8円
新薬3mg1錠あたりの目安:36.3円
新薬6mg1錠あたりの目安:71.8円
新薬0.01%1mlあたりの目安:226.4円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月:1985年7月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

デタントール錠0.5mg,1mg/デタントール点眼薬0.01mg【製薬メーカー:エーザイ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ブナゾシン塩酸塩配合のデタントール錠/R錠は、末梢血管の交感神経α1受容体を選択的に抑えることによりα1受容体への作用を阻害し、血管を拡張させ血圧を下げる作用を示します。
通常、本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症の治療に用いられます。

血圧上昇の原因の一つに血管の収縮があります。
体内に交感神経が作用するα1受容体があり、α1受容体が刺激されると血管が収縮し血圧が上昇します。
このα1受容体を阻害すれば血管収縮を抑えられ、血管が拡張し血圧が下がるというしくみです。

ブナゾシン塩酸塩配合のデタントールには点眼液の規格もあります。
この目薬は、房水の流出を促進することで眼圧を下げます。
目の中では、房水と呼ばれる水分が循環しています。
目に栄養分を供給し、また眼圧を一定に保つという働きがあります。
しかし、この房水が充満しすぎると、眼圧が上昇、視神経を圧迫していきます
これを高眼圧症といいます。
このまま放置すると視神経が弱り、視野が狭くなったり視力が落ちたりします。
このような状態が高眼圧をともなう典型的な緑内障で、この高眼圧症の治療のために使用するお薬がブナゾシン塩酸塩を主成分とするデタントール点眼液です。

緑内障はその成因から大きく2つのタイプに分かれます。
閉塞隅角緑内障と開放隅角緑内障です。
閉塞隅角緑内障は、房水の排水路である隅角が虹彩でふさがれてしまうタイプです。
その多くは慢性型ですが、ときに眼圧が急上昇し激しい眼痛や頭痛、充血や視覚異常などを伴い緑内障発作を起こします。
開放隅角緑内障は、隅角とは関係なく、房水の排水口が目詰まりするタイプです。
慢性に推移し、自覚症状が乏しく、視野異常にも気づきにくいので、自覚したときには相当に進行していることが多いのが特徴です。

最近の調査で、緑内障の約6割が「正常眼圧緑内障」であることが分かっています。
つまり、眼圧は正常範囲なのに緑内障になってしまうということです。
視神経が耐えられる眼圧には個人差があり人それぞれで大きく異なります。
視神経がもともと弱いなど、必ずしも高い眼圧数値が高いだけが緑内障の要因ともいえないのです。
治療は、開放隅角緑内障に準じ、眼圧をさらに低めにコントロールするようにします。
しかし、原因療法薬ではないので治療期間は長くなります。

使用方法

▼デタントール錠
通常成人は、ブナゾシン塩酸塩として1日1.5mgより服用を始め、効果が不十分な場合は1日3~6mgに漸増し、1日2~3回に分割し食後経口服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減しますが、1日最高服用量は12mgまでです。
▼デタントールR錠
通常、成人は塩酸ブナゾシンとして1日1回3~9mgを経口服用します。
ただし、1日1回3mgから開始し、1日最高服用量は9mgまでとする。
▼デタントール点眼液
通常、1回1滴、1日2回点眼します。

副作用

主な副作用
▼デタントール錠/R錠
だるい、めまい、立ちくらみ、動悸、頻脈、低血圧、尿が漏れる、頻尿、吐き気、鼻づまり、頭痛、眠気

▼デタントール点眼液
充血、まぶたの腫れ、異物感、刺激感など。

重大な副作用
▼デタントール錠/R錠
過度の血圧低下:めまい・ふらつき、立ちくらみ、冷感、吐き気、嘔吐、気を失う。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ブナゾシン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(代表薬の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼代表薬の有効成分
ブナゾシン塩酸塩
▼代表薬の添加物
・アラビアゴム末、カルナウバロウ、含水二酸化ケイ素、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、白色セラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、マクロゴール6000

■他に使用できない方
・妊婦・産婦の方

使用に注意が必要な方
▼デタントール錠/R錠
・過敏症の方
・肝障害のある方
・腎機能障害のある方
・高齢者の方
・血管障害のある高血圧の方
・脚部及びその他の動脈瘤のある高血圧の方
・腎及びその他の動脈狭窄のある高血圧の方
▼デタントール錠
・ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を投与中の方
▼デタントールR錠
小児等(0歳〜14歳)
▼デタントール点眼薬
・過敏症の方
・授乳婦の方
・新生児(低出生体重児を含む)の方
・乳児の方
・幼児・小児の方
・高齢者の方

上記にあてはまる方は、ブナゾシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ブナゾシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・利尿剤
・血圧降下剤
・リファンピシン類
・PDE5阻害薬
・塩酸バルデナフィル
・シルデナフィル

上記を使用している方は、ブナゾシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ブナゾシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
デタントールR錠を飲み忘れた場合の対処法は?

気がついた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、飲むべき時間から半日以上経過していたら、その日は飲まずに翌日から規則的に飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

デタントールR錠の粉砕投与に関する情報はありますか?

本剤を粉砕して服用すると、一過性の血中濃度の上昇に伴って副作用が発生しやすくなるおそれがあるため、本剤は粉砕せずに服用させてください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。