インスリンデグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)

成分名

インスリンデグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)

適応症状

・インスリン療法が適応となる2型糖尿病
なお、本剤は食事療法や運動療法、糖尿病の薬剤を使用したうえで効果が不十分である場合に使用が可能となっています。

簡易説明

ゾルトファイ配合注は、インスリン製剤とGLP-受容体作動薬を組み合わせた薬剤です。もともとは1日の中で2つ別の薬剤を投与する必要がありましたが、2つの成分を混合させた薬剤を開発することで1日1回投与が可能となりました。糖尿病治療薬を多く開発しているノボノルディスクファーマが本製剤を販売しており、世界40か国以上で販売されています。

処方可能な診療科目

糖尿病内科/総合内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約40000円~45000円
薬代1キットあたりの目安:約4847円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2019年9月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ゾルトファイ【製薬メーカー:ノボノルディスクファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

フランスやカナダやアメリカ、イギリスなど世界40か国以上で販売しています。

効果・作用

ゾルトファイ配合注は、基礎インスリンであるインスリン デグルデグととGLP-1受容体作動薬であるリラグルチドの強みをあわせる形で開発された注射剤です。
インスリンデグルデクは、グルコース代謝の調節をおこない、長い作用時間が特徴的な薬剤です。一方、リラグルチドはグルコースの濃度に依存して膵β細胞からインスリンを分泌、そしてグルカゴン分泌を抑制します。

経口糖尿病薬単剤による治療で十分な血糖コントロールが得られていない2型糖尿病患者819名を対象に国内第3相試験を実施しています。本剤群:275名、インスリン デグルデク群:271名、リラグルチド群:273名にわりあて、52週間投与しました。すべての方は経口糖尿病薬の併用下で1日1回投与としました。投与期間中、本剤とインスリン デグルデクの投与量は朝食前血糖値によって、1週間に2回ほど調節しました。本剤の最高用量は50ドーズまでとしましたが、インスリン デグルデクは最高用量の制限はありませんでした。リラグルチドは 0.3mg から開始し、 1週間の間隔で0.3mgずつ漸増し、1.8mgまで増量しました。
試験の結果、HbA1cについて、本剤はリラグルチド群に対して有効であること、そしてインスリン デグルデクに対しては非劣勢であることが検証されました。本剤群の空腹時血糖値の低下量は、インスリン デグルデク群と同じ程度であり、リラグルチド群と比較すると大きいことが示されています。本剤群における52週間の低血糖と夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数は、インスリン デグルデク群と比較して少なく、リラグルチド群と比較して多いことが認められました。

使用方法

初期は1日1回10ドーズ(10単位/0.36mg)を皮下注射します。投与量は患者の症状に合わせて増減が可能ですが、最大1日50ドーズ(50単位/1.8mg)を超えないようにしてください。また、注射時刻は毎日同じ時間に投与してください。本剤1ドーズには、インスリン デグルデク1単位またはリラグルチド0.036mgが含まれています。

いずれの場合も低用量から開始し、徐々に患者の状態に合わせて増量をしてください。

副作用

主な副作用
主に、便秘や食欲減退、糖尿病性網膜症、悪心や下痢、消化不良、嘔吐、腹部膨満などがあげられます。5%異常発現しているのは便秘のみでした。

重大な副作用
重大な副作用としては以下の通りです。
<低血糖>
頻度不明ですが、脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)などが症状としてあらわれた場合には、適切な処置を行ってください。処置を行わないと、低血糖昏睡状態となり、障害や死亡をきたす場合がございます。
<アナフィラキシーショック>
呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫などがあらわれた場合には投与を中止して医療機関を受診してください。
<膵炎>
頻度不明ですが、嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等、異常が認められた場合、本剤の投与を中止し医療機関を受診してください。急性膵炎の場合は、本剤の再投与は避けてください。
<腸閉塞>
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常があらわれた場合には初期症状の可能性がありますので投与を中止してください。
<胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸>
胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸があらわれる恐れがありますので、腹痛などのお腹関連で症状があらわれた場合には、すぐに画像検査を行い原因の精査につとめていただくようお願いします。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■インスリンデグルデクを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ゾルトファイの有効成分
インスリンデグルデク
▼代表薬の添加物
フェノール、濃グリセリン、酢酸亜鉛、塩酸、水酸化ナトリウム

・以前、インスリンデグルデクを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・低血糖症状のある方は使用できません。
・糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病患者はインスリンのみの薬剤での速やかな治療が期待されるため、本剤を投与すべきではありません。
・重症感染症、手術等の緊急の場合、インスリンのみの薬剤による血糖管理が望まれるので本剤を投与すべきではありません。

使用に注意が必要な方
・腹部手術を依然行ったことのある方もしくは腸閉塞に以前かかったことのある方は、腸閉塞を起こす可能性があります。
・膵炎に以前かかったことのある方は使用に注意をしてください。
・糖尿病胃不全麻痺、炎症性腸疾患等の胃腸障害のある方は、症状悪化のリスクがありますので使用には注意をしてください。
・下痢、嘔吐等の胃腸障害、・脳下垂体機能不全もしくは副腎機能不全、栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足もしくは衰弱状態、激しい筋肉運動、過度のアルコール摂取者など低血糖を起こす恐れのある方は使用には注意をしてください。
・ 重度の腎機能障害のある方は低血糖を起こす可能性があります。
・ 重度の肝機能障害のある方は低血糖を起こす可能性があります。
・妊娠又は妊娠している可能性のある女性、授乳婦
・小児に対しては臨床試験を実施していないため注意をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、胃腸障害や低血糖があらわれやすいことを念頭に置きながら慎重に投与をしてください。

上記にあてはまる方は、インスリンデグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
インスリンデグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<糖尿病用薬(ビグアナイド薬/スルホニルウレア薬/速効型インスリン分泌促進薬/α-グルコシダーゼ阻害薬/チアゾリジン薬/DPP-4阻害薬/SGLT2阻害薬)、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤、三環系抗うつ剤(ノルトリプチリン塩酸塩)、サリチル酸誘導体(アスピリン
/エテンザミド)、抗腫瘍剤(シクロホスファミド水和物)、β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩/アテノロール/ピンドロール)、クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム)、クロラムフェニコール、ベザフィブラート、サルファ剤、シベンゾリンコハク酸塩、ジソピラミド、ピルメノール塩酸塩水和物>
併用することで血糖降下作用が増強され、低血糖症状があらわれる可能性があります。

<チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド)>
併用によって血糖降下作用が減弱するため、高血糖症状がおこる可能性があります。
<副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン/トリアムシノロン)、ACTH(テトラコサクチド酢酸塩)、アドレナリン、グルカゴン、甲状腺ホルモン(レボチロキシンナトリウム水和物)、成長ホルモン(ソマトロピン)、卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール/結合型エストロゲン)、経口避妊薬、ニコチン酸、濃グリセリン、イソニアジド、ダナゾール、フェニトイン>
他の患者の状態をみながら慎重に投与をしてください。
<蛋白同化ステロイド(メテノロン)、ソマトスタチンアナログ製剤(オクトレオチド酢酸塩/ランレオチド酢酸塩)>
血糖降下作用の増強による低血糖症状または、効果減弱によって高血糖症状があらわれる恐れがあります。併用する際は血糖値の変動に注意をしてください。

上記を使用している方は、インスリンデグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
インスリンデグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

インスリンデグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
投与を忘れてしまった場合にはどうしたらよいですか?

もし服用を忘れてしまった場合、忘れたことに気づいた時点で投与をしてください。しかし、次の投与は必ず8時間以上あけてください。

用法及び用量に関連する注意

【上記引用元:ゾルトファイ配合注フレックスタッチ 医薬品インタビューフォーム】

低血糖症状がみられた場合にはどのように対応したらよいでしょうか?

糖質を含む食品を摂取してください。また、α-グルコシダーゼ阻害薬と本剤を併用するときには、ブドウ糖を摂取してください。

重大な副作用と初期症状

【上記引用元:ゾルトファイ配合注フレックスタッチ 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ゾルトファイ配合注フレックスタッチ 添付文書

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