成分名 |
シベンゾリンコハク酸塩 |
適応症状 |
「頻脈性不整脈」の状態で、その他の抗不整脈薬が使用できない、または無効の場合 |
簡易説明 |
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生し心臓が収縮・拡張します。一連の流れの内、シベンゾリンコハク酸塩はナトリウムとカリウムをブロックすることで不整脈への効果を発揮します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:50mg 24.9円
薬代1錠あたりの目安:100mg 40.7円
薬代後発薬1錠の目安:50mg 12.4円/100mg 20.7mg
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はシベノール錠の薬価で算出しています。
※「薬代後発薬1錠の目安」シベンゾリンコハク酸塩錠「サワイ」の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1991年1月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
シベノール錠50mg/100mg(トーアエイヨー) |
関連製品(ジェネリック) |
シベンゾリンコハク酸塩錠50mg「サワイ」(沢井製薬)/シベンゾリンコハク酸塩錠100mg「サワイ」(沢井製薬)/シベンゾリンコハク酸塩錠50mg「トーワ」(東和薬品)/シベンゾリンコハク酸塩錠100mg「トーワ」(東和薬品) |
効果・作用 |
シベンゾリンコハク酸塩は不整脈(脈が乱れてしまい正常に全身に血液を送り出すことができない状態)に対して使用する薬です。
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生します。そしてこの電気的な信号によって心臓が収縮・拡張します。
心臓は基本的に「マイナスイオン」の状態となっています。このマイナスイオンの状態から電気的な信号が発生するためには、最初にプラスイオンであるナトリウムが心臓の細胞に流入してくる必要があります。ナトリウムが入ってくることで心臓の細胞はマイナスからプラスの状態へと変換されます。その後、今度はプラスイオンであるカリウムが心臓の細胞から外へ放出されます。プラスイオンのカリウムが出ていくため、今度はマイナスの状態に傾きます。そして時間が経つと最初の状態へ戻り、この繰り返しで心臓は収縮と拡張を連続的に繰り返しています。
一連の流れの内、シベンゾリンコハク酸塩はナトリウムとカリウムをブロックすることで不整脈への効果を発揮します。 |
使用方法 |
成人(15歳以上):シベンゾリンコハク酸塩として、1日300ミリグラム、1日3回に分けて服用することから始め、効果が不十分な場合には450ミリグラムまで増量することができます。
※年齢や症状によって、医師の判断のもと適宜増量、減量することがあります。 |
副作用 |
重大な副作用
・不整脈作用
※心室細動、心室頻拍、上室性不整脈があらわれ、心停止が引き起こされる可能性があります。
・間質性肺炎
・心原性ショック、心不全、
・循環不全による肝臓機能の障害
・低血糖症状
・AST、γ-GTP、ALTなどの上昇を伴う肝臓の機能障害、黄疸症状
・白血球減少、貧血、顆粒球減少、血小板減少
・アナフィラキシー、ショック
その他の副作用
・循環器系: QRS幅延長、房室ブロック、脚ブロック、動悸 、徐脈、洞結節機能低下、PQ延長、QTc延長、血圧低下
・肝臓系: ALTの上昇、ASTの上昇、Al-Pの上昇
・泌尿器系:尿がでにくい、排尿困難などの排尿障害
・腎臓系:クレアチニンの上昇、BUNの上昇
・眼:霧視などの視調節障害、光視症
・過敏症:かゆみ、発疹、紅斑
・精神神経系:ふらつき、ふるえ、めまい、眠気、立ちくらみ、幻覚、頭痛、頭重
・消化器系:悪心、口渇、食欲不振、嘔吐、口内炎、便秘、腹痛、腹部の不快感
・その他:倦怠感、脱力感、冷汗、関節痛、鼻の乾燥、胸部圧迫感、インポテンス、息切れ
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・「うっ血性心不全」を治療中の方
※心臓の機能抑制作用、不整脈を引き起こす作用によって、心不全が悪化する可能性があります。また、循環がうまくいかなくなり肝機能、腎機能に障害が引き起こされる可能性があります。
・高度の「洞房ブロック」、高度の「房室ブロック」を治療中の方
※心停止を引き起こされる可能性があります。
・尿が貯留傾向にある方
※さらに尿閉が悪化する可能性があります。
・「閉塞隅角緑内障」を治療中の方
※眼圧が上昇してしまい、閉塞隅角緑内障の症状が悪化する可能性があります。
・エリグルスタット酒石酸塩、モキシフロキサシン塩酸塩、トレミフェンクエン酸塩、フィンゴリモド塩酸塩、シポニモドフマル酸、ラスクフロキサシン塩酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物を服用中の方
・シベンゾリンコハク酸塩に対して過敏症の経験のある方
・透析を行っている方
使用に注意が必要な方 ・その他の抗不整脈薬を服用している方
※併用時の有効性や安全性が確立していないので、少量から服用をスタートし定期的に心電図検査を実施する必要があります。
・「基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)」を治療中の方
※心不全が引き起こされる可能性があるので、少量から服用をスタートし定期的に心電図検査を実施する必要があります。
・著明な「洞性徐脈」をお持ちの方
・「刺激伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック、脚ブロックなど)」を治療中の方
・血液中の血清カリウム濃度が低下傾向のある方
※不整脈作用が引き起こされる可能性があります。
・「糖尿病」を治療中の方
※低血糖が引き起こされる可能性があります。
・「開放隅角緑内障」を治療中の方
※眼圧が上昇してしまい、開放隅角緑内障の症状が悪化する可能性があります。
・腎臓の機能が障害している方
※シベンゾリンコハク酸塩の血液中の濃度が高くなりやすいので少量から服用をスタートし定期的に心電図検査を実施する必要があります。
・透析を行っている方
※シベンゾリンコハク酸塩の急激な血液中の濃度上昇によって、意識障害を伴うレベルの激しい低血糖などの副作用が引き起こされる可能性があります。
・重篤な肝臓機能の障害をお持ちの方
・授乳している方
※治療上のメリットを鑑み、授乳の継続または中止に関して医師の指示を仰いでください
※動物実験(ラット):シベンゾリンコハク酸塩の乳汁移行が報告されています。
・妊娠している方
※妊娠している方、または妊娠している可能性のある方には、治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
・小児
※小児を対象としている臨床試験が実施されていない。
・高齢者
※肝臓・腎臓の機能が低下していることが多いため重度な副作用が発現しやすいと考えられます。
上記にあてはまる方は、シベンゾリンコハク酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 シベンゾリンコハク酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・β受容体遮断薬(プロプラノロール)
※シベンゾリンコハク酸塩の作用が増強してしまう可能性があります。
・糖尿病用薬(αグルコシダーゼ阻害剤、SGLT2阻害剤、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、インスリン製剤、GLP1受容体作動薬、DPP-4阻害剤、スルホニルウレア系薬剤、など)
※低血糖が引き起こされる可能性があります。
上記を使用している方は、シベンゾリンコハク酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 シベンゾリンコハク酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・モキシフロキサシン塩酸塩(アベロックス)/バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)/ラスクフロキサシン塩酸塩(ラスビック点滴静注)/フィンゴリモド塩酸塩(イムセラ、ジレニア)/トレミフェンクエン酸塩(フェアストン)/シポニモドフマル酸(メーゼント)/エリグルスタット酒石酸塩(サデルガ)
※QT延長、心室頻拍(トルサード・ド・ポワントを含む)を引き起こされる可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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