成分名 |
イバンドロン酸ナトリウム水和物 |
適応症状 |
骨粗鬆症 |
簡易説明 |
骨を丈夫にする薬です。骨粗鬆症の治療に用いられます。
骨吸収(骨が壊される過程)と骨形成(骨が新しく作られる過程)がある中で、骨粗鬆症になると何らかの原因で骨吸収が骨形成を上回ってしまいます。本剤は、骨吸収を抑制して骨密度と骨強度を高める作用をあらわします。
月に1回服用するだけであるため、煩わしさがないのが良い点です。一方で刺激が強い薬剤であるため、食道や胃粘膜が荒れやすく、服用には注意が必要とも言えます。 |
処方可能な診療科目 |
整形外科/内科/婦人科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
ボンビバ錠100mgを処方してもらう場合。
診察料などの目安:約1000円~約2000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:2104.3(薬価)
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2016年4月販売開始(新薬:ボンビバ錠100mg) |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックなし |
関連製品(先発薬) |
ボンビバ錠100mg:錠剤【製薬メーカー:中外製薬、大正製薬、大正富山医薬品、共同販売】
ボンビバ静注1mgシリンジ:注射剤【製薬メーカー:中外製薬、大正製薬、大正富山医薬品、共同販売】
※本記事では錠剤について述べています。 |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
本剤は、成分が骨に付着し、骨のカルシウム分が血液に溶け出すのを防ぎます(骨吸収抑制作用)。それにより骨の密度が増加し骨が丈夫になるため骨折の予防につながります。
骨は常に新陳代謝をしています。古い骨は壊されて、それに代わり新しい骨が作り直されるのです。古い骨を壊し血液中に溶かす役目をする細胞を「破骨細胞」と言います。この薬は、破骨細胞に入り込んでその機能を抑制することにより、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制します。その結果、骨密度が増大して骨が丈夫になるのです。
分類としては、ビスホスホネート系の骨粗鬆症治療薬です。同系統において第二世代(側鎖に窒素を含む)に分類され、第一世代のエチドロン酸(ダイドロネル)に比べて骨吸収抑制作用がはるかに強力です。また、安全域が広く、骨軟化の副作用を生じにくいです。
骨折の予防効果が高いため、高齢の方や骨折の危険性が高い重度の骨粗鬆症の方に向いています。また、ステロイドなどによる薬物性の骨粗鬆症に対しても、まず最初に本剤が検討されます。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の代謝が悪くなり、骨強度(骨の強さ)が低下して、骨がもろくなる病気です。体内のカルシウムが不足して骨がスカスカになっているとも言えます。その結果、骨折しやすくなります。特に高齢の方、女性に多い症状です。また、日頃の食生活・生活習慣も少なからず関係しているようです。骨折で多いのは背骨の圧迫骨折(脊椎椎体骨折)です。日本には約1000万人以上の患者がいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。
表に現れる具体的な症状としては、以下が挙げられます。
・背中や腰が曲がる・痛む
・身長が縮んでくる
・軽く転んでも骨折する
生活習慣に関しては、以下のような方は骨粗鬆症に注意が必要です。
・カルシウムを多く含む乳製品や魚類,豆類を摂取しない方
・運動習慣がない方
・アルコールをたくさん(ビールで1日600mL 以上)飲まれる方
・喫煙をされる方
また、やせ型の方や、ご家族(ご自分の両親,兄弟,祖父母)に骨折歴のある方も注意が必要です。 |
使用方法 |
通常、成人はイバンドロン酸として100mgを1カ月に1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与して下さい。
なお、服用後少なくとも60分は横にならず、飲食(水を除く)及び他の薬剤の経口摂取を避けて下さい。 |
副作用 |
重大な副作用
胃潰瘍/食道炎/上部消化管障害/食道穿孔/食道狭窄/食道潰瘍/十二指腸潰瘍/食道びらん/出血/アナフィラキシーショック/アナフィラキシー反応/顎骨壊死/顎骨骨髄炎/外耳道骨壊死/大腿骨転子下非定型骨折/非定型骨折/近位大腿骨骨幹部非定型骨折/近位尺骨骨幹部非定型骨折/低カルシウム血症/痙攣/テタニー/しびれ/失見当識/QT延長
その他の副作用
下痢/腹痛/悪心/嘔吐/腹部不快感/胃腸炎/便秘/血中フィブリノゲン増加/倦怠感/インフルエンザ様症状/C−反応性蛋白増加下痢/腹痛/悪心/嘔吐/腹部不快感/胃腸炎/便秘/血中フィブリノゲン増加/倦怠感/インフルエンザ様症状/C−反応性蛋白増加/発熱/胸痛/熱感/食欲不振/頭痛/感覚異常/めまい/肝機能異常/AST上昇/ALT上昇/ALP上昇/多形紅斑/水疱性皮膚炎/発疹/蕁麻疹/ぶどう膜炎/強膜炎/上強膜炎/結膜炎/背部痛/関節痛/骨痛/筋肉痛/関節炎/筋骨格硬直/四肢痛/一過性急性期反応/喘息増悪/疼痛/ほてり/高血圧/尿検査異常/尿中血陽性/浮腫/末梢浮腫/顔面浮腫/上気道感染/鼻咽頭炎/貧血
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者[本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなります。]
・服用時に立位又は坐位を60分以上保てない患者
・本剤の成分又は他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
・低カルシウム血症の患者[痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症が認められることがあります。低カルシウム血症や骨・ミネラル代謝障害がある場合には、本剤投与前にあらかじめ治療して下さい。]
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性[他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡等がみられています。]
使用に注意が必要な方
次の状態・症状の患者には慎重に投与して下さい。
悪性腫瘍/胃炎/嚥下困難/高度腎障害/食道炎/十二指腸炎/低カルシウム血症/抜歯/放射線療法/局所感染/化学療法/上部消化管障害/上部消化管潰瘍/コルチコステロイド治療/口腔の不衛生/歯科処置/耳感染/顎骨に対する侵襲的歯科処置/骨・ミネラル代謝障害/血管新生阻害薬治療/耳外傷
授乳婦/新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児・小児/妊娠する可能性のある女性(11歳〜)/男性/小児等(0歳〜14歳)
上記にあてはまる方は、イバンドロン酸ナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 イバンドロン酸ナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 水以外の飲料、食物(特に牛乳や乳製品のような高カルシウム含有飲食物)/多価陽イオン(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等)含有製剤/ミネラル入りビタミン剤/制酸剤 等
→本剤の服用後少なくとも60分はこれらの飲食物や薬剤を摂取・服用しないよう、患者に指導をして下さい。本剤は多価陽イオンと錯体を形成することがあるので、同時に服用すると本剤の吸収を低下させることがあります。
上記を使用している方は、イバンドロン酸ナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 イバンドロン酸ナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 特になし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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