エパルレスタット

成分名

エパルレスタット

適応症状

糖尿病性末梢神経障害の心拍変動異常の改善
糖尿病性末梢神経障害の振動覚異常の改善
糖尿病性末梢神経障害の自覚症状の改善
糖尿病性末梢神経障害のしびれ感の改善
糖尿病性末梢神経障害の疼痛の改善

簡易説明

キネダック錠は、糖尿病の合併症である神経障害に伴う手足のしびれなどに使用する医薬品です。
糖尿病性神経障害による自覚症状(手足のしびれや痛み)、こむら返り、振動覚異常、心拍変動異常などの症状を和らげ、病態が進展していくことを抑えます。
先発薬はキネダックですが、エパルレスタットの方が一般的に流通しています。

処方可能な診療科目

糖尿病内科/内分泌代謝内科/内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~5000円程度
新薬1錠あたり:キネダック錠50mg 50.7円(薬価)
後発薬1錠あたり:19~27円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月日:1992年 5月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり 

関連製品(先発薬)

キネダック錠50mg【製薬メーカー:アルフレッサファーマ】

関連製品(ジェネリック)

エパルレスタット錠50mg「サワイ」「DSEP」「JG」「TCK」「YD」「アメル」「ケミファ」「タカタ」「トーワ」「フソー」「杏林」「日医工」「武田テバ」「EK」「F」「タツミ」/キナルドース錠50mg「寿製薬」/キネックス錠50「武田テバ」/キネルダー錠50「キョーリンリメディオ」/モネダックス錠50mg「武田テバ」

効果・作用

エパルレスタットは、細胞機能障害を誘発すると考えられているソルビトールの細胞内蓄積を抑制することにより、糖尿病性末梢神経障害における自覚症状および神経機能異常を改善する医薬品です。
糖尿病では、糖尿病によって引きおこされる合併症が問題になります。その合併症として、腎機能悪化や失明以外にも「神経障害」があります。

神経は痛みなどの感覚を伝える器官であるため、
神経に障害がでることでしびれや疼痛を引き起こすようになります。また、発汗や血圧、心拍数の調節なども神経が行ってます。そのため、神経障害によって心拍変動の異常が見られることもあります。
このような糖尿病性神経障害の原因として、「ソルビトール」と呼ばれる物質が深く関わっています。神経細胞に「ソルビトール」が蓄積すると、神経細胞の機能低下や血流低下などにより細胞機能に障害が発生します。

そのため、糖尿病による神経障害を治療するためには、神経細胞へのソルビトール蓄積を抑える方法がとられます。

この時、糖尿病において重要となる糖が別名で「グルコース」とも呼ばれており「ソルビトール」へと変換される経路があります。この変換に関わる酵素として「アルドース還元酵素」が知られています。
ただ、このソルビトールへの変換経路は、通常の状態ではあまり活動していません。
しかし、糖尿病が発症し血糖値が高くなると、アルドース還元酵素が活発になることで「グルコース」から「ソルビトールへ」の変換が促進され、結果として、神経障害が引き起こされます。
つまりエパルレスタットは、グルコースからソルビトールへの変換を司るアルドース還元酵素を阻害することで、高血糖によって生ずるソルビトールの細胞内蓄積を抑制します。これにより糖尿病性末梢神経障害に伴なう手足のしびれや痛みを改善します。

エパルレスタットは、国内において糖尿病性末梢神経障害の治療に広く用いられています。ただ、すべての人に効くわけではなく、効かない人にはまったく効きません。糖化ヘモグロビンが高いことを、使用目安とします。
はっきりした効果がないこともあり、海外では使われておりません。日本だけのローカル医薬品です。

使用方法

通常、成人にはエパルレスタットとして1回50mgを1日3回毎食前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

〈用法及び用量に関連する注意〉
投与中は経過を十分に観察し、12週間投与して効果が認められない場合には他の適切な治療に切り換えること。

エパルレスタット(キネダック)を服用すると、尿が黄褐色又は赤色に着色することが報告されています。

エパルレスタットは黄色を呈するロダニン骨格を基本にした誘導体で、代謝された尿中排出物もロダニン骨格があり、尿を黄褐色や赤色に変色させると考えられています。

薬が尿中に出ているだけなので、問題はありません。

副作用

主な副作用
エパルレスタットには、副作用が起こる可能性があります。

AST上昇/ALT上昇/γ-GTP上昇/腹痛/嘔気/胸やけ/尿量減少/頻尿/しびれ/脱毛/紫斑

重大な副作用
血小板減少/劇症肝炎/黄疸/肝不全/肝機能障害/著しいAST上昇/著しいALT上昇

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
CK上昇/発熱/過敏症/発疹/そう痒/紅斑/水疱/ビリルビン上昇/嘔吐/下痢/食欲不振 、 腹部膨満感/便秘/BUN上昇/クレアチニン上昇/貧血/白血球減少/倦怠感/めまい/頭痛/こわばり/脱力感/四肢疼痛/胸部不快感/動悸/浮腫/ほてり
■エパルレスタットの注意すべき副作用
AST上昇/ALT上昇/γ-GTP上昇/腹痛/嘔気/血小板減少/劇症肝炎/黄疸/肝不全/胸やけ

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦
・産婦

■エパルレスタットを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(キネダック錠50mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼キネダック錠50mgの有効成分
1錠中エパルレスタット(日局) 50mg
▼キネダック錠50mgの添加物
・D-マンニトール
・ヒドロキシプロピルセルロース
・カルメロースカルシウム
・ステアリン酸マグネシウム
ヒプロメロース
・酸化チタン
・ポリオキシエチレン
・ポリオキシプロピレン
・グリコール

使用に注意が必要な方
・不可逆的な器質的変化を伴う糖尿病性末梢神経障害
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児

上記にあてはまる方は、エパルレスタットを使用する事が出来ない可能性があります。
エパルレスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
併用禁忌薬なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
キネダックは食前服用しかだめですか?忘れることが多く忘れたときは食後に飲んでもいいですか?

エパルレスタットは食事前にあらかじめ服用した方が、治療効果を上げることが報告されてます。
食後に服用すると、体内に取り込まれる成分が少なくなってしまいます。薬理効果にも影響する可能性がありますので、まずは食前服用の習慣を付けるよう心掛けてください。
あまりにも飲み忘れる場合は、医師に相談してください。

足先のズキズキした痛みがあり、病院でエパルレスタットを処方して頂きましたが、ズキズキがおさまらずに困っています。このまま飲み続ければ治るでしょうか?

エパルレスタットは糖尿病の抹消神経障害に効果のあるおくすりですが、すべての方に効果ありというものではなく、効果のない方には全く効かないようです。
一度、主治医の先生に相談することをお勧めします。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。