成分名 |
アピキサバン |
適応症状 |
〇非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
〇静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制 |
簡易説明 |
アピキサバンを主成分としたエリキュースは心房細動患者の脳梗塞を予防するお薬です。心房細動とは、不整脈の1つになります。心臓の心房という部位が震えて痙攣し、それにより血液の流れが滞ることで、心房の中で血栓ができやすくなります。血栓が脳の血管まで運ばれて詰まると、これが脳梗塞の引き金となります。脳梗塞は命が助かっても、運動障害や言語障害が残りやすく、長期のリハビリが必要となることも少なくありません。半身の麻痺がおこると介護が必要となり、重度の場合は寝たきりになることもある為、脳梗塞を予防する事が非常に重要になります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/脳神経外科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~6,000円
薬代1錠あたりの目安:2.5mg約126円/5mg約228円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2012年12月25日製造販売承認
2015年12月21日効能効果ついかによる製造販売承認事項一部変更承認
2013年2月22日薬価基準収載
2013年2月26日販売 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
エリキュース錠2.5mg/5mg【製薬メーカー:ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
海外での使用実績 | 2012年4月欧州にて製造販売承認
2012年12月米国にて製造販売承認 |
効果・作用 |
アピキサバンは①非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制に、②静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制に対して効果のある医薬品になります。
【作用機序】
アピキサバンは、血液凝固カスケードにおける外因性及び内因性血液凝固経路の合流点である第Xa因子を強力かつ可逆的に直接阻害し、プロトロンビンからトロンビンへの変換を抑制する事によってトロンビン産生を減少させ、直接的な抗血液凝固作用及び間接的な抗血小板作用を示し、抗血栓作用を発揮します。
【心房細動とは】
心房細動とは、心房内に流れる電気信号の乱れによって起きる不整脈の一種になります。心房が痙攣しているような状態になり、細かく震えてしまい、血液を上手に全身に排出できなくなる疾患になります。一番問題となるのが、心房の中で血の塊(血栓)ができ、それが血流にのって全身に運ばれ、血管を詰まらせてしまう事です。
心房細動の状態が長時間続くと、動機や息切れが激しくなり、疲れやすくなるなど日常生活に支障が出るようになります。
心臓は一定のリズムとペースで収縮し、体内に血液を送り出しています。心臓が規則正しく収縮できるのは、心臓を構成する4つの部屋の一つである右心房にある「洞結節」という場所から常に規則正しく一定のリズムで電気信号が発信され、その電気信号に心臓の筋肉が反応するからです。
心房細動では、洞結節以外の場所から発生する異常な電気信号により、心房内をはしる電気信号が乱されてしまい、心房が一定のリズムとペースで収縮ができなくなり、激しく細かく痙攣したように動く状態になってしまいます。
また、心臓には、血液が逆流しないよう一定方向に流す役割を持つ弁があります。この弁の状態によって2つのタイプに心房細動が分けられます。
●逆流を防ぐ役割を持つ「弁」に異常がみられない心房細動を「非弁膜症性心房細動」と言い、
●この「弁」の異常が原因となるタイプを「弁膜症性心房細動」と呼びます。 |
使用方法 |
①非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症を抑制する適応症について
通常、成人においては有効成分であるアピキサバンとして1回5mgを1日2回経口投与する事とされております。
なお、服薬する患者の体重、年齢、腎機能に応じて、有効成分であるアピキサバンとして1回量を2.5mgに減量し、1日2回経口投与する事とされております。
②静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発を抑制する適応症について
通常、成人においては有効成分であるアピキサバンとして1回量10mgを1日2回、7日間投与した後、1回量を5mgへと減量し1日2回経口投与する事とされております。
【注意事項】
①非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制について
下記の基準の2つ以上に該当する患者においては、出血する危険性が高く、有効成分であるアピキサバンの血中濃度が上昇する可能性が考えられる為、1回量を2.5mgに減量し、1日2回経口投与する事とされております。
〇80歳以上
〇体重60kg以下
〇血清クレアチニン1.5mg/dL以上
②静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発の抑制について
特に静脈血栓塞栓症発症後の初期の7日間における1回量10mgを1日2回経口投与している期間中においては、出血のリスクに十分注意する事とされております。 |
副作用 |
重大な副作用
1)出血
頭蓋内出血(頻度不明)、消化管出血(0.6%)、眼内出血(0.3%)
2)間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が現れることがあるとの報告がございます。
3)肝機能障害(頻度不明)
AST、ALT の上昇等を伴う肝機能障害が現れることがあるとの報告がございます。
その他の副作用
1)免疫系障害
過敏症(皮疹等の薬物過敏症、アレルギー性浮腫等のアナフィラキシー反応等)(頻度不明)
2)精神系障害
味覚異常、くも膜下出血、三叉神経痛(1%未満)
脳出血、頭蓋内又は脊髄内出血(硬膜下血腫及び脊髄血腫等)(頻度不明)
3)眼障害
眼出血(1%以上)
眼充血(1%未満)
4)血管障害
血腫(1%未満)
腹腔内出血(頻度不明)
5)呼吸器、胸郭及び縦郭障害
鼻出血(1%以上)
喀血、咳嗽 (1%未満)
気道出血(肺胞出血、喉頭出血、及び咽頭出血等)(頻度不明)
6)胃腸障害
歯肉出血、胃腸出血、消化不良、便潜血陽性(1%以上)
口腔内出血、便秘、下痢、上腹部痛、血便排泄、腹部不快感、逆流性食道炎、悪心(1%未満)
直腸出血、痔出血、吐血、後腹膜出血、マロリー・ワイス症候群、出血性消化性潰瘍(頻度不明)
7)肝胆道系障害
血中ビリルビン増加、γ-GTP増加、肝機能異常(1%未満)
8)腎及び尿路障害
血尿、尿中血陽性(1%以上)
尿中蛋白陽性(1%未満)
9)生殖系及び乳房障害
前立腺炎、膣出血、不規則月経(1%未満)
尿生殖器出血、不正出血、月経過多(頻度不明)
10)傷害、中毒及び処置合併症
挫傷(1%以上)
処置後出血(1%未満)
外傷性出血、切開部位出血、血管偽動脈瘤(頻度不明)
11)皮膚及び皮下組織障害
円形脱毛症、そう痒症、膿疱性乾癬、顔面腫脹、水疱、紫斑、点状出血、皮膚びらん(1%未満)
斑状出血、出血性皮膚潰瘍(頻度不明)
12)その他
初期不眠症、血小板減少症、高尿酸血症、末梢性浮腫、疲労、血中ブドウ糖増加、血中ブドウ糖変動、血中 CK 増加、動悸(1%未満)
適用部位出血、注射部位血腫、血管穿刺部位血腫(頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 <効能共通>
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■アピキサバンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方エリキュース錠2.5mg/5mgは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼エリキュース錠2.5mg/5mgの有効成分
アピキサバン
▼代表薬の添加物
・無水乳糖、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、乳糖水和物、酸化チタン、トリアセチン及び黄色三二酸化鉄
2)臨床的に問題となる出血症状のある患者
服用により出血を助長する恐れがあります。
3)血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患患者
服用により出血の危険性が増大する恐れがあります。
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>
●腎不全(クレアチニンクリアランス(CLcr)15mL/min未満)の患者
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
●重度の腎障害(CLcr30mL/min未満)の患者
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴のある患者
①出血のリスクが高い患者者(先天性あるいは後天性出血性疾患、活動性の潰瘍性消化管疾患、細菌性心内膜炎、血小板減少症、活動性悪性腫瘍、出血性脳卒中の既往、血小板疾患、コントロール不良の重度の高血圧症、脳・脊髄・眼科領域の最近の手術歴等を有する患者)
服用により出血の危険性が増大するおそれがあるとの報告がございます。
②低体重の患者
服用により出血の危険性が増大する恐れがあるとの報告がございます。
2)腎機能障害患者
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>
①腎不全(CLcr 15mL/min未満)の患者には投与しないこととされております。
②腎障害(CLcr 15~50mL/min)のある患者
出血の危険性が増大するおそれがあるとの報告がございます。
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
①重度の腎障害(CLcr 30mL/min未満)のある患者には投与しないこととされております。
②腎障害(CLcr 30~50mL/min)のある患者
服用により出血の危険性が増大するおそれがあるとの報告がございます。
3)肝機能障害患者
4)妊婦
動物実験において胎児への移行が認められているとの報告がございます。
5)授乳婦
動物実験において乳汁中への移行が認められているとの報告がございます。
6)小児等
7)高齢者
高齢者は一般的に腎機能が低下していることが多いため、本剤の血中濃度が上昇する可能性があるとの報告がございます。
上記にあてはまる方は、アピキサバンを使用する事が出来ない可能性があります。 アピキサバンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)アズノール系抗真菌剤(フルコナゾールを除く)(イトラコナゾール・ホリコナゾール等)
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル等)
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に阻害するため、本剤の代謝及び排出が阻害され、血中濃度が上昇する恐れがあるとの報告がございます。
2)マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシン、エリスロマイシン等)・フルコナゾール・ナプロキセン・ジルチアゼム
これらの薬剤のCYP3A4及び/又はP-糖蛋白の阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害され、血中濃度が上昇する恐れがあるとの報告がございます。
3)リファンピシン・フェニトイン・カルバマゼピン・フェノバルビタール・セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort)含有食品
これらの薬剤又はセイヨウオトギリソウ(St. John's Wort)がCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に誘導する事で、本剤の代謝及び排出が促進され、血中濃度が減少する恐れがあるとの報告がございます。
4)血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン・クロピドグレル硫酸塩・ジピリダモール・チクロピジン塩酸塩・シロスタゾール・オザグレルナトリウム等)
本剤は抗凝固作用を有するため、これらの薬剤と併用すると出血を助長する恐れがあるとの報告がございます。
5)抗凝固剤(ワルファリンカリウム・未分画ヘパリン・ヘパリン誘導体・低分子ヘパリン・エノキサバリンナトリウム・フォンダバリヌクスナトリウム・ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩・アルガトロバン水和物等)
血栓溶解剤(ウロキナーゼ・t-PA等)
非ステロイド性消炎鎮痛剤(ジクロフェナクナトリウム・ナプロキセン等)
デフィブロチドナトリウム
本剤は抗凝固作用を有するため、これらの薬剤と併用すると出血を助長する恐れがあるとの報告がございます。
上記を使用している方は、アピキサバンを使用する事が出来ない可能性があります。 アピキサバンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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