成分名 |
ニカルジピン塩酸塩 |
適応症状 |
本態性高血圧症 |
簡易説明 |
ニカルジピン塩酸塩は、カルシウムチャネル拮抗薬の一種で、血管内の平滑筋に作用し、カルシウムイオンの流入をブロックすることによって血管平滑筋を緩めます。この作用により、血管内部が拡張され、血液の流れがよりスムーズになることで血圧が下がります。また、ニカルジピンは利尿作用も併せ持つため過剰な体液量が減少し、心臓にかかる負荷を軽減することも期待できます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約800円~1,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg約7円/20mg約10円
薬代1カプセルあたりの目安:20mg約10円/40mg約11円
薬代1管あたりの目安:2mg約137円/10mg約157円/25mg約342円
薬代後発薬1錠あたりの目安:10mg約6円/20mg約6円
薬代後発薬1カプセルあたりの目安:20mg約6円/40mg約6円
薬代後発薬1管あたりの目安:2mg約94円/10mg約110円/25mg約222円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1982年11月(錠10mg)、1981年9月(錠20mg)、1981年9月(散10%) |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
ペルジピン錠10mg/20mg/散10%【製薬メーカー:LTLファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
ニカルジピン塩酸塩錠10mg/20mg/散10%「日医工」(日医工)/ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル20mg/40mg「日医工」(日医工)/ニカルジピン塩酸塩錠10mg/20mg「日新」(日新製薬)/ニカルジピン塩酸塩錠10mg/20mg「サワイ」(サワイ製薬)/ニカルジピン塩酸塩錠10mg/20mg「ツルハラ」(鶴原製薬)/ニカルジピン塩酸塩錠10mg/20mg/散10%「トーワ」(東和薬品) |
効果・作用 |
ニカルジピン塩酸塩は高血圧症に対する薬ですが、そもそも高血圧とは、心臓からの血液を体中に運ぶ血管の内側にある圧力が通常より高くなる状態です。この状態が続くと、心臓や血管にダメージを与え、心臓病や脳卒中などの重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。高血圧の主な原因は、遺伝的要因、肥満、運動不足、高塩分食品の摂取など、さまざまな要因が絡み合って引き起こされることが多いです。
ニカルジピン塩酸塩は、カルシウムチャネル拮抗薬の一種で、血管内の平滑筋に作用し、カルシウムイオンの流入をブロックすることによって血管平滑筋を緩めます。この作用により、血管内部が拡張され、血液の流れがよりスムーズになることで血圧が下がります。具体的には、血管平滑筋細胞の膜にあるカルシウムチャネルと呼ばれる部位にニカルジピン塩酸塩が結合することで、カルシウムイオンの流入が抑制されます。このカルシウムイオン流入の阻害によって、血管平滑筋細胞内のカルシウム濃度が低下し、細胞内に蓄積されたカルシウムイオンによる収縮力が減少します。その結果として血管平滑筋の弛緩が促進され、血管内の血圧が下がります。また、ニカルジピンは利尿作用も併せ持つため過剰な体液量が減少し、心臓にかかる負荷を軽減することも期待できます。 |
使用方法 |
成人(15歳以上)の場合:ニカルジピン塩酸塩として1回あたり10〜20ミリグラムを1日3回服用します。 |
副作用 |
重大な副作用
・血小板の減少
・肝機能の障害、黄疸症状
※ALT・AST・γ-GTPの上昇などを伴った肝機能障害や黄疸症状が引き起こされる可能性があります。
その他の副作用
・肝臓系:ALT上昇、AST上昇、Al-P上昇 ビリルビン上昇
・腎臓系:クレアチニン値の上昇、BUN値の上昇
・血液系:顆粒球の減少
・消化器系:食欲不振、嘔吐、胃部不快感、悪心、胸やけ、便秘、口の渇き、下痢、腹痛
・循環器系:熱感、顔面潮紅、息切れ、立ちくらみ、動悸、血圧低下、倦怠感、むくみ、のぼせ、頻脈
・過敏症:かゆみ、発疹、光線過敏症、そう痒感
・口腔:歯肉肥厚
・その他:めまい、頭痛、頻尿、耳鳴、頭重、眠気、不眠、しびれ感、胸部不快感、発赤、流涎
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・脳卒中の急性期の状態で頭蓋内の圧力が高まっている方
※頭蓋内圧が高まり危険な状態に陥る恐れがあります。
・頭蓋内で出血しており止血が完成していないと考えられる方
※出血の促進が引き起こされる可能性があります。
・妊婦または妊娠している可能性のある方
使用に注意が必要な方 ・緑内障を治療中の方
※血管が拡張してしまい眼圧の上昇を招き緑内障が悪化する可能性があります。
・低血圧症を治療中の方
※血圧がさらに低下してしまう可能性があります。
・肝機能障害の方
※ニカルジピン塩酸塩は肝臓で分解されるため、肝機能が低下していると血液中の濃度が高まる可能性があります。
・腎機能障害の方
※一般的に重篤な腎機能障害のある方では、血圧の低下に伴い腎機能がさらに低下してしまう可能性があります。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物実験(ラット):ニカルジピン塩酸塩が乳汁中へ移行するというデータがあります。
・妊娠している方
※妊婦又は妊娠している可能性のある方は服用しないでください。
※動物実験(ラット):妊娠末期に服用すると出生児の体重が少なく、その後の体重増加も抑制されました。
・高齢者
※過度の血圧低下は高齢者にとって好ましくないとされているので、少ない用量から服用をスタートし、経過を十分に観察しながら慎重に服用してください。
・小児
※小児などを対象としている、安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。
上記にあてはまる方は、ニカルジピン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ニカルジピン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・βブロッカー(プロプラノロールなど)
※両成分の相加作用などによって、過度な血圧の低下、心臓の機能低下が引き起こされる可能性があります。症状に応じてどちらかの成分を減量または服用を中止してください。
・その他の血圧降下剤
※両成分の相加作用などによって、血圧降下作用がさらに増強される可能性があります。
・ニトログリセリン
※房室ブロックが引き起こされる可能性があります。
・ダントロレンナトリウム水和物
※高カリウム血症の状態になり、循環虚脱や心室細動が引き起こされる可能性があります。
・タンドスピロンクエン酸塩
※上記成分との相加作用によって血圧降下作用が増強される可能性があります。
・ジゴキシン
※ニカルジピン塩酸塩が腎臓からジゴキシンが排泄される流れをブロックし、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性があります。ジゴキシンの作用が増強されると中毒症状(徐脈、嘔吐、嘔気、めまい、不整脈など)があらわれる可能性があります。
・免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス水和物など)
※お互いの作用によってCYP3A4と呼ばれる酵素がブロックされ、免疫抑制剤あるいはニカルジピン塩酸塩の血中濃度が上昇します。免疫抑制剤の作用が増強されると中毒症状が引き起こされる可能性があります。
・HIVプロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビルなど)
※ニカルジピン塩酸塩の血中濃度が上昇し、作用が増強される可能性があります。
・リファンピシン
※リファンピシンによってCYP3A4が誘導され、ニカルジピン塩酸塩の分解が促進されます。結果的に
ニカルジピン塩酸塩の作用が減弱される可能性があります。
・フェニトイン
※フェニトインの作用が増強され、中毒症状が引き起こされる可能性があります。
・シメチジン
※シメチジンよってCYP3A4がブロックされ、ニカルジピン塩酸塩の分解もストップします。結果的に
ニカルジピン塩酸塩の作用が増強される可能性があります。
・グレープフルーツジュース
※ニカルジピン塩酸塩の作用が増強される可能性があります。
上記を使用している方は、ニカルジピン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ニカルジピン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ニカルジピン塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ペルジピン 【ペルジピン 添付文書】 |
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