ブホルミン塩酸塩

成分名

ブホルミン塩酸塩

適応症状

インスリン非依存型糖尿病(ただし、SU剤が効果不十分な場合あるいは副作用等により使用不適当な場合に限る。)など

簡易説明

ブホルミン塩酸塩は、肝臓での糖の産生(糖新生)抑制作用のほか、インスリン抵抗性の改善による筋肉・脂肪組織での糖取り込み促進作用、小腸における糖吸収抑制作用といった複数の作用により血糖値を改善する薬で、インスリン非依存型糖尿病(ただし、SU剤が効果不十分な場合あるいは副作用等により使用不適当な場合に限る。)の治療に用いられます。
日本では、日医工がジベトスの商品名で販売しており、また、寿製薬がブホルミン塩酸塩の商品名で販売しています。
ブホルミン塩酸塩は、糖分の吸収や生成を抑えて、糖の代謝を促進することで血糖を下げる効果があり、日々の血糖値を適切に保つことで、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります。

処方可能な診療科目

内科/消化器科/循環器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~10,000円
薬代後発薬1錠の目安:ジベトス錠50mg約9.8円/錠(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1969年3月発売開始【ブホルミン塩酸塩腸溶錠50mg「KO」】

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

不明

関連製品(ジェネリック)

ブホルミン塩酸塩腸溶錠50mg「KO」【製薬メーカー:寿製薬】
ジベトス錠50mg 【製薬メーカー:日医工】

効果・作用

ブホルミン塩酸塩は、肝臓での糖の産生(糖新生)抑制作用のほか、インスリン抵抗性の改善による筋肉・脂肪組織での糖取り込み促進作用、小腸における糖吸収抑制作用といった複数の作用により血糖値を改善する薬です。
糖尿病は血液中の糖(ブドウ糖)が適正な量を超えて増えてしまった状態で、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続くと様々な合併症がおこります。そんな2型糖尿病の治療に広く用いられるのがブホルミン塩酸塩をはじめとするビグアナイド系薬です。

◆ビグアナイド系血糖降下薬の詳細
インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで血糖値を下げるはたらきがあり、肝臓では糖の産生(糖新生)が、小腸では糖の吸収が行われており、これらが亢進すると血糖値は上昇しますが、通常は血糖値の変動に応じてインスリンが分泌されます。
しかし、仮にインスリンの分泌量が十分であってもインスリンが効きにくくなっている状態(インスリン抵抗性がある状態)では血糖値が下がりにくくなり、筋肉や脂肪組織における糖の取り込みが低下すると血糖値が上がりやすくなります。
ビグアナイド系の薬は複数の作用によって血糖値を改善させますが、主に肝臓から糖の放出を抑える作用があります。その他、インスリン抵抗性改善にて筋肉や脂肪組織での糖の取り込みを促進、腸管(小腸)での糖吸収を抑えるなどの作用を持っています。これらの作用が中性脂肪やLDLコレステロール値を改善する働きもあると期待されています。

使用方法

本剤はSU剤が効果不十分な場合あるいは副作用等により使用不適当な場合にのみ使用してください。ブホルミン塩酸塩として1日量100mgより開始し、1日2~3回食後に分割経口投与します。維持量は効果を観察しながら決めますが、1日最高投与量は150mgとします。

▼使用に関する重要な注意点
・本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮してください。
・ヨード造影剤を使用する検査(心臓カテーテル、造影CTなど)を受ける場合は原則検査の3日前に一時服用を中止して下さい。また、本剤使用に際しヨード造影剤投与後48時間以上は間隔を空けて下さい。
・何らかの体調不良、発熱、下痢、嘔吐などで脱水症状の恐れがある場合、投与を中止し、医師に相談して適切な処置を行なって下さい。
・低血糖症状が引き起こされる場合があるため、自動車運転、高所作業などの危険を伴う状況になる方は使用に際し注意して下さい。

副作用

重大な副作用
▼乳酸アシドーシス(0.1%未満)
乳酸アシドーシス(血中乳酸値の上昇、乳酸/ピルビン酸比の上昇、血液pHの低下等を示す)は予後不良のことが多いです。一般的に発現する臨床症状は様々でありますが、胃腸症状、倦怠感、筋肉痛、過呼吸等の症状がみられることが多く、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止して、必要な検査を行ってください。なお、乳酸アシドーシスの疑いが大きい場合には、乳酸の測定結果等を待つことなく適切な処置を行ってください。

▼低血糖(0.1%未満)
低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行ってください。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与してください。

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
・食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、便秘等
・貧血、白血球減少、血小板減少
・発疹等
・肝機能異常
・ケトーシス
・全身倦怠感、頭痛、頭重、眠気

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
▼乳酸アシドーシスが起こりやすくなるため投与できません。
・乳酸アシドーシスの既往者
・腎機能障害の方(軽度障害も含む)
・透析患者(腹膜透析も含む。)
・肝機能障害の方
・ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など心血管系、肺機能に高度の障害のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態の方
・過度のアルコール摂取者
・脱水症、脱水状態が懸念される下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者
・高齢者
・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者
・栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性

■本剤の成分又はビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
■ブホルミン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ジベトス錠は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ジベトス錠の有効成分
ブホルミン塩酸塩
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物
・バレイショデンプン
・アラビアゴム末
・ステアリン酸マグネシウム
・ヒプロメロース
・酸化チタン
・カルナウバロウ

使用に注意が必要な方
■低血糖を起こすおそれがある患者
不規則な食事摂取、食事摂取量の不足状態、激しい筋肉運動では低血糖を起こすおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■感染症の患者
感染症の患者は、乳酸アシドーシスを起こすおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。

■小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。

上記にあてはまる方は、ブホルミン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ブホルミン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
▼乳酸アシドーシスを起こすことがある薬剤
・ヨード造影剤
・腎毒性の強い抗生物質(ゲンタマイシンなど)
・利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤など)

▼血糖降下作用を増強する薬剤
・糖尿病用薬(インスリン製剤、スルホニルウレア系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、イメグリミン塩酸塩など)
・蛋白同化ステロイド
・サリチル酸剤(アスピリンなど)
・β-遮断剤(プロプラノロールなど)
・モノアミン酸化酵素阻害剤

▼血糖降下作用を減弱する薬剤
・アドレナリン
・副腎皮質ホルモン
・甲状腺ホルモン
・卵胞ホルモン
・経口避妊薬
・利尿剤
・ピラジナミド
・イソニアジド

▼その他
・ニコチン酸
・フェノチアジン系薬剤
・イメグリミン塩酸塩

上記を使用している方は、ブホルミン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ブホルミン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
他のビグアナイド系の薬と併用はできますか?

ブホルミン塩酸塩はビグアナイド系薬剤と併用した際、他系統の糖尿病治療薬にて併用療法と比較して消化器症状が多くみられたと国内臨床試験にて報告がありました。併用薬剤の選択する場合は注意して下さい。

薬の飲むタイミングや量は決まっていますか?

薬の服用量や服用時間に関して、ブホルミン塩酸塩は人それぞれで異なります。症状や年齢などを考慮して医師から指示がありますので、服用タイミングや服用量は厳守しましょう。一般的には少量より開始され、血糖値や副作用などを見て増減を検討されます。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。