ニトログリセリン

成分名

ニトログリセリン

適応症状

急性心不全
手術時の低血圧維持
不安定狭心症
慢性心不全の急性増悪期
手術時の異常高血圧の救急処置

簡易説明

ニトログリセリンは、冠動脈拡張薬です。
血管を広げ血流を良くする働きがあります。狭心症や心不全、手術時の異常高血圧の救急処置などで使用されてます。
心筋に血液がたくさん届くようになりることで、心臓の負担も軽くなり、心筋の血液不足が解消されます。
これにより、狭心発作などを改善します。錠剤、テープ、注射液などの剤型があり、症状により使い分けられます。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1管あたりの目安:0.5mg/10mL約59円/1mg/2mL約122円/5mg/10mL約412円/25mg/50mL約1470円/50mg/100mL約2615円
薬代1枚あたりの目安:25mg約55.7円/27mg約57.5円
薬代1缶あたりの目安:0.3mg約1387.1円
薬代後発薬1管の目安:1mg/2mL約85円/5mg/10mL約235円/25mg/50mL約1010円/50mg/100mL約1576円
薬代後発薬1管の目安:1mg約85円/5mg約235円/25mg約1010円/50mg約1576円
薬代後発薬1管の目安:0.5mg/10mL約59円
薬代後発薬1袋の目安:25mg/50mL約1010円/50mg/100mL約1576円
薬代後発薬1枚の目安:27mg約56.1円
薬代後発薬1錠の目安:0.3mg約11.7円

病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 1984年12月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

【製薬メーカー:日本化薬】
ミリスロール注1mg/2mL
ミリスロール注5mg/10mL
ミリスロール注25mg/50mL
ミリスロール注50mg/100mL
ミリステープ5mg
冠動注用ミリスロール0.5mg/10mL

ニトロダームTTS25mg【製薬メーカー:サンファーマ】
バソレーターテープ27mg【製薬メーカー:三和化学研究所】
ミニトロテープ27mg【製薬メーカー:キョーリンリメディオ】
メディトランステープ27mg【製薬メーカー:トーヨーケム】

関連製品(ジェネリック)

【製薬メーカー:トーアエイヨー】
ニトログリセリン静注1mg/2mL「TE」
ニトログリセリン静注5mg/10mL「TE」
ニトログリセリン静注25mg/50mLシリンジ「TE」
ニトログリセリン点滴静注25mg/50mL「TE」
ニトログリセリン点滴静注50mg/100mL「TE」

【製薬メーカー:光製薬】
ニトログリセリン注1mg/2mL「HK」
ニトログリセリン注5mg/10mL「HK」
ニトログリセリン点滴静注25mg/50mL「HK」
ニトログリセリン点滴静注50mg/100mL「HK」

ニトログリセリンテープ27mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品】
ニトログリセリン注25mg/50mLシリンジ「テルモ」【製薬メーカー:テルモ】
ニトロペン舌下錠0.3mg 【製薬メーカー:日本化薬】
バソレーター注1mg/5mg/25mg/50mg【製薬メーカー:三和化学研究所】

効果・作用

ニトログリセリンは、冠動脈拡張薬に分類されます。
心臓の冠動脈を拡げ、血流量を増やすことで心臓に酸素を補給し、全身の血管抵抗を減らすことで心臓の負担を軽くする作用があります。
狭心症などの発作に対して予防的に使う治療薬と発作時に使う治療薬があります。
剤型は錠剤・テープ・スプレー・舌下錠・点滴・注射液などがあります。

▼作用
≪冠循環改善作用≫
心臓のまわりの心筋を養う冠動脈を広げます。これにより、心筋の酸素不足や栄養不足を改善します。
≪末梢血管拡張作用≫
体全体の末梢の血管を広げて、心臓の負担を軽くします。心不全の症状をとるのに有効です。

▼作用機序
血液が送られなくなると、酸素や栄養が不足します。このように血液が足りていない状態を「虚血状態」と呼びます。冠動脈が細くなることで心筋細胞が虚血状態になると、胸に痛みが生じます。この症状を和らげるには、細くなっている冠動脈を拡張させ、血流を改善させればよいことが分かります。この時に使用される薬がニトログリセリンです。ニトログリセリンは、狭心症の発作を和らげるために用いられます。また、皮膚からゆっくりと吸収させることで、狭心症の発作が起こらないようにコントロールすることもあります。
体内へ投与すると、ニトログリセリンは分解され、一酸化窒素(NO)を放出します。この物質が細胞へ作用することにより、血管壁を弛緩させて血管拡張作用を示し、虚血状態を速やかに改善します。

▼他の硝酸薬
アイトロール
ニトロール
ニトロペン
フランドル
ミオコール

使用方法

・注射液そのまま、もしくは生理食塩液、5%ブドウ糖注射液、乳酸リンゲル液等で希釈し、ニトログリセリンとして0.005~0.05%(1mL当たり50~500μg)溶液を点滴静注してください。
・1分間に体重1kg当たりニトログリセリンとして、効能・効果ごとに次に基づき投与してください。
①手術時の低血圧維持
1~5μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節してください。
②手術時の異常高血圧の救急処置
0.5~5μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節してください。
③急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
0.05~0.1μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的とする血行動態を得るまで血圧、左心室充満圧などの循環動態をモニターしながら5~15分ごとに0.1~0.2μg/kg/分ずつ増量し、最適点滴速度で維持してください。
④不安定狭心症
0.1~0.2μg/kg/分の投与量で投与を開始し、発作の経過及び血圧をモニターしながら約5分ごとに0.1~0.2μg/kg/分ずつ増量し、1~2μg/kg/分で維持してください。
※効果がみられない場合は、20~40μg/kgの静注を1時間ごとに併用してください。
※静注する場合は1~3分かけて緩徐に投与してください。

≪冠動注用≫
冠動脈造影時に本剤を注射液そのまま、ニトログリセリンとして0.2mgを、カテーテルを通し速やかに冠動脈内に投与してください。
なお、投与量は患者の症状に応じて適宜増減します。

≪テープ≫
1日1回1枚(ニトログリセリンとして27mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付してください。
※なお、効果不十分の場合は2枚に増量してください。

≪舌下錠≫
通常成人0.3~0.6mg(本剤1〜2錠)を舌下投与してください。狭心症に対し投与後、数分間で効果のあらわれない場合には、更に0.3〜0.6mg(本剤1〜2錠)を追加投与してください。
※年齢、症状により適宜増減します。

副作用

主な副作用
ニトログリセリンには、副作用が起こる可能性があります。
ニトログリセリンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

頻脈、頭痛、頭重感、不整脈、PaO2低下、動脈血酸素分圧低下、悪心、嘔吐、乏尿、メトヘモグロビン血症、代謝性アシドーシス

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

急激な血圧低下、心拍数増加、遷延性血圧低下、血圧リバウンド現象、心拍出量低下

その他の副作用
脳浮腫、胸部不快感、倦怠感、口内乾燥感、あくび

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ニトログリセリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ミリスロール注1mg/2mLは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ミリスロール注1mg/2mLの有効成分
ニトログリセリン
▼代表薬の添加物
D-マンニトール pH調節剤

妊婦/授乳者
過敏症
高度貧血
閉塞隅角緑内障
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤投与中
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤投与中

使用に注意が必要な方
高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
著しく血圧の低い
肝障害
頭部外傷
脳出血
メトヘモグロビン血症
著しく血圧の低い

上記にあてはまる方は、ニトログリセリンを使用する事が出来ない可能性があります。
ニトログリセリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
PDE5阻害薬
sGC刺激剤
パンクロニウム
利尿剤
血管拡張剤
ヘパリン製剤

上記を使用している方は、ニトログリセリンを使用する事が出来ない可能性があります。
ニトログリセリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
塩酸バルデナフィル
シルデナフィル
タダラフィル
リオシグアト

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ニトログリセリンに関する
よくある質問
手術をした後なら薬使ってもいいですか?

手術後は、患者の血圧が完全に回復するまで管理を行うこと。

添付文書ミリスロール

【上記引用元:日本化薬株式会社】

薬が効きすぎて低血圧になった場合どうしたらいいですか?

過度の血圧低下が起こった場合には、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。

添付文書にトロペン舌下錠

【上記引用元:日本化薬株式会社】

参考元一覧

添付文書ミリスロール【日本化薬株式会社】

付文書にトロペン舌下錠【日本化薬株式会社】

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