成分名 |
カルテオロール塩酸塩 |
適応症状 |
【錠剤・細粒】本態性高血圧症(軽症・中等症)/心臓神経症/不整脈(洞性頻脈/頻脈型不整脈/上室性期外収縮/心室性期外収縮)/狭心症
【点眼液】緑内障、高眼圧症
【小児用細粒】
ファロー四徴症に伴うチアノーゼ発作 |
簡易説明 |
錠・細粒としては、血圧を下げるお薬です。心拍をおさえ心臓を休ませる作用があります。作用メカニズムは、心臓にある交感神経のβ受容体を遮断することです。これにより心臓の拍動がおさえられ、血圧が下がります。高血圧症のほか、狭心症や不整脈(頻脈)の治療にも用います。
点眼薬では、
眼圧を上昇させる眼球を満たしている体液(眼房水)の産生を抑え、眼圧を下げて緑内障などの悪化を防ぐお薬です。 |
処方可能な診療科目 |
眼科/循環器内科/心臓血管外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:
新薬錠剤5mg1錠あたり 11.9円
新薬点眼液1% 1mLあたり 150.7円
新薬点眼液2% 1mLあたり 191.7円
新薬LA点眼液1% 1mLあたり 295.5円
新薬LA点眼液2% 1mLあたり 386.5円
新薬LAカプセル15mg 1カプセルあたり55.5円
新薬細粒1% 1gあたり 26.1円
新薬小児用細粒 1gあたり 9.3円
薬代後発薬1錠の目安:
後発薬錠剤5mg 1錠あたり 5.9円
後発薬点眼液1% 1mLあたり 75.9円
後発薬点眼液2% 1mLあたり 126円
後発薬LA点眼液1% 1mLあたり 162.2円
後発薬LA点眼液2% 1mLあたり 209.1円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1980年12月(ミケラン錠5mgとして)【発売開始年月日】 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
ミケラン点眼液1%/2% 【製薬メーカー:大塚】
ミケランLA点眼液1%/2%【製薬メーカー:大塚】
ミケラン錠5mg【製薬メーカー:大塚】
ミケランLAカプセル15mg【製薬メーカー:大塚】
ミケラン細粒1%【製薬メーカー:大塚】
小児用ミケラン細粒【製薬メーカー:大塚】 |
関連製品(ジェネリック) |
カルテオロール塩酸塩点眼液1%「わかもと」「ニッテン」「東亜薬品」
カルテオロール塩酸塩点眼液2%「東亜薬品」「わかもと」「ロートニッテン」
カルテオロール塩酸塩PF点眼液1%/2%「ロートニッテン」
カルテオロール塩酸塩LA点眼液1%/2%「わかもと」
チオグール錠5mg 「東和薬品」
カルテオロール塩酸塩錠5mg「日医工」「サワイ」「トーワ」「ツルハラ」「TCK」 |
効果・作用 |
心臓の拍動が過剰だと高血圧、狭心症、頻脈性不整脈などがおこりやすくなります。
血圧が上昇する要因の一つは、心拍出量の増加による血管内血液量の増加です。
狭心症では血管が狭くなることで、心臓の筋肉に十分な酸素などが届かなくなっていて、この状態で心拍数が多くなると急激な酸素などの不足がおこり胸痛などがおこります。
頻脈性の不整脈では心臓の拍動がはやすぎるため、血液を全身に送り出す効率が悪くなってしまいます。
心臓において交感神経のβ1受容体というものが心臓の機能に関与しています。β1受容体を遮断(阻害)すると心機能が抑えられ心臓の仕事量が減少することにより、血液を送り出す量が減り、血管における血液量の減少による血圧低下がおこります。また心機能を抑えることで心拍数を低下させます。
カルテオロール塩酸塩は、β1受容体の遮断作用により、心機能を抑え心臓の仕事量を抑えることで血圧を下げたり、狭心症や頻脈性不整脈の諸症状を改善する作用をあらわします。また心臓の動きを緩やかにして負担を減らすため、本剤の中には慢性心不全などの治療に使用させる薬剤もあります。
なお、カルテオロール塩酸塩は主に交感神経のβ1受容体を遮断するが、気管支拡張に関わるβ2受容体に対し遮断作用をあらわす場合もあり、β2受容体遮断作用による気管支収縮のため喘息などの患者に使用できない薬剤もあります。本剤の中でも比較的β1受容体に選択的に作用するβ1選択性薬剤(アテノロールなど)とβ2受容体などにも比較的影響を及ぼしやすいβ1非選択性薬剤(プロプラノロールなど)があります。
[点眼液]
β受容体遮断作用により房水産生を抑制し、眼圧を下げます。
カルテオロール塩酸塩は房水産生の抑制により眼圧を下降させるものと推察されています。
■緑内障は、「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患」です。治療では、病態によって手術(レーザー治療など)が行われることもあるが、一般には、眼圧降下作用を期待して各種の点眼剤が使用されることが多いです。緑内障に使用される点眼剤には、β遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬、炭酸脱水素酵素阻害薬、プロスタグランジン系薬、交感神経刺激薬、副交感神経刺激薬などがあり、単独あるいは併用で用いられます。 |
使用方法 |
【錠剤・細粒】
〈成人〉通常、カルテオロール塩酸塩として、1日10~15mg(ミケラン細粒1%では1?1.5g)より投与をはじめ、効果が不十分な場合には30mgまで漸増し、1日2~3回に分割経口投与する。なお、年齢・症状に応じ適宜増減する。
〈乳幼児〉通常、1日量として体重1kg当り0.1~0.15g(カルテオロール塩酸塩として0.2~0.3mg)を、朝・夕の2回に分割経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。
【点眼液一般製剤】
通常、1%製剤を1回1滴、1日2回点眼する。なお、十分な効果が得られない場合は、2%製剤を用いて1回1滴、1日2回点眼する。
【点眼液持効製剤(LA)】
通常、1%製剤を1回1滴、1日1回点眼する。なお、十分な効果が得られない場合は、2%製剤を用いて1回1滴、1日1回点眼する。 |
副作用 |
主な副作用
カルテオロール塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
カルテオロール塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
【錠剤・細粒】
徐脈/眩暈/ふらつき/立ちくらみ/ 頭痛/頭重感/腹部不快感/嘔気/過敏症/皮疹/倦怠感
【点眼液】
眼刺激症状/眼がしみる感じ/眼疼痛/眼灼熱感/眼のかゆみ/眼乾燥感/徐脈/結膜炎/霧視 /眼異物感/眼脂
■カルテオロール塩酸塩の注意すべき副作用
【錠剤・細粒】
徐脈/眩暈/ふらつき/立ちくらみ/頭痛/頭重感/腹部不快感/嘔気/過敏症/皮疹
【点眼液】
眼刺激症状/眼がしみる感じ/眼疼痛/眼灼熱感/眼のかゆみ/眼乾燥感/徐脈/結膜炎/霧視/眼異物感
重大な副作用
【錠剤・細粒】
房室ブロック/洞房ブロック/洞停止/徐脈性不整脈/冠攣縮性狭心症/失神/高度徐脈/洞不全症候群/うっ血性心不全/うっ血性心不全悪化
【点眼液】
喘息発作/咳/呼吸困難/失神/高度徐脈/房室ブロック/洞不全症候群/洞停止/徐脈性不整脈/うっ血性心不全/冠攣縮性狭心症/眼類天疱瘡/結膜充血/角膜上皮障害/乾性角結膜炎/結膜萎縮/睫毛内反/眼瞼眼球癒着/脳虚血/脳血管障害/全身性エリテマトーデス
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
【錠剤・細粒】
脱力感/口内炎/霧視/涙液分泌減少/AST上昇/ALT上昇/ LDH上昇/血糖値低下/総コレステロール値上昇/手足のしびれ/下肢冷感/ 発汗/腓腸筋痙攣/こむらがえり/血清CK値上昇/血清CPK値上昇/動悸/息切れ/低血圧/胸痛/眠気/不眠/振戦/ 耳鳴/抑うつ感/不安感/悪夢/耳の蟻走感/下痢/食欲不振/腹痛/便秘/鼓腸/呼吸困難/咳/痰/喘息様症状/上気道閉塞感/目がしょぼつく/皮膚そう痒感/浮腫/ほてり/疲労感/頻尿/筋肉痛
【点眼液】
眼瞼炎/眼瞼腫脹/羞明感/角膜障害/角膜炎/角膜びまん性混濁/膜びらん/視力異常/眼瞼発赤/頭痛/不快感/倦怠感/めまい/悪心/味覚異常/苦味/皮膚炎/発疹/不整脈/眼底黄斑部浮腫/眼底黄斑部混濁/低血圧/動悸/胸痛/鼻症状/くしゃみ/鼻水/鼻づまり/咽喉頭症状/咽喉頭違和感/血糖値低下/筋肉痛/こわばり/四肢のこわばり/ 脱力感/抑うつ/重症筋無力症増悪
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■カルテオロール塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方カルテオロール塩酸塩(ミケラン点眼液1%の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ミケラン点眼液1%の有効成分
1mL中 カルテオロール塩酸塩10mg
▼ミケラン点眼液1%の添加物
ベンザルコニウム塩化物液/塩化ナトリウム(等張化剤)/リン酸二水素ナトリウム(pH調整剤)/無水リン酸一水素ナトリウム(pH調整剤)/精製水
〈錠剤・細粒〉
・著しい洞性徐脈
・過敏症
・肺高血圧による右心不全
・気管支痙攣
・気管支喘息
・心原性ショック
・代謝性アシドーシス
・低血圧症
・糖尿病性ケトアシドーシス
・洞不全症候群
・洞房ブロック
・高度徐脈
・房室ブロック<2・3度>
・未治療の褐色細胞腫
・うっ血性心不全
・妊婦・産婦
〈点眼液〉
・過敏症
・気管支痙攣
・気管支喘息
・コントロール不十分な心不全
・重篤な慢性閉塞性肺疾患
・心原性ショック
・洞性徐脈
・妊婦・産婦
【希望禁止】
〈錠剤・細粒〉
・手術前24時間
使用に注意が必要な方 〈錠剤・細粒〉
・褐色細胞腫
・甲状腺中毒症
・手術前24時間
・高齢者
〈点眼液〉
・肺高血圧による右心不全
・コントロール不十分な糖尿病
・代謝性アシドーシス
・糖尿病性ケトアシドーシス
・食事摂取不良状態の患児
・体調不良状態の患児
・うっ血性心不全
【慎重投与】
〈錠剤・細粒〉
・間欠性跛行症
・甲状腺中毒症
・コントロール不十分な糖尿病
・重篤な肝機能障害
・重篤な腎機能障害
・徐脈
・長期間絶食状態
・特発性低血糖症
・房室ブロック<1度>
・末梢循環障害
・レイノー症候群
・異型狭心症
・うっ血性心不全
・幼児・小児
・高齢者
【投与に際する指示】
〈錠剤・細粒〉
・褐色細胞腫
・甲状腺中毒症
・うっ血性心不全
上記にあてはまる方は、カルテオロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 カルテオロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 【点眼液】
β遮断剤:(全身投与)
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤:レセルピン等
カルシウム拮抗剤:ベラパミル塩酸塩/ジルチアゼム塩酸塩
アドレナリン
【錠剤・細粒】
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤:レセルピン等
血糖降下剤:インスリン/トルブタミド/アセトヘキサミド等
カルシウム拮抗剤:ベラパミル塩酸塩/ジルチアゼム塩酸塩
クロニジン塩酸塩/グアナベンズ酢酸塩
クラスI抗不整脈剤:リン酸ジソピラミド/プロカインアミド塩酸塩
/アジマリン等
ジギタリス製剤
非ステロイド性抗炎症剤:インドメタシン等
降圧作用を有する他の薬剤:降圧剤/硝酸剤等
上記を使用している方は、カルテオロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 カルテオロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |