ヘレニエン

成分名

ヘレニエン

適応症状

網膜色素変性症の視野・暗順応の改善

簡易説明

・目の網膜の代謝を促すことで、夜盲症状や視野狭窄を一時的に改善します。
・目の暗がりで物が見えにくくなったり、見える範囲が狭くなったりする暗順応を改善いたします。主に、網膜色素変性症に使用されております。
・ヘレニエンは、キク科植物マリーゴールドの花弁から抽出したキサントフィル脂肪酸エステル混合物です。
・作用部位は、網膜の杆体細胞あるいは錐体細胞となっております。

処方可能な診療科目

内科/眼科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円
薬代1錠あたりの目安:1錠5mg 約36円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1956年8月

国内のジェネリック認可

ありません

関連製品(先発薬)

アダプチノール錠5mg【製薬メーカー:バイエル薬品】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

▼作用機序▼
・ヘレニエンは網膜でエステル分解を受けることで、キサントフィルに変換されて作用をあらわします。また、キサントフィルの共役二重結合部が網膜の色素上皮において酸素の担体として作用し、網膜での好気的代謝を促進します。
・杆状体細胞では、暗所での視紅合成(酸化反応)促進作用をあらわし、第二次暗順応を改善もしくは促進いたします。また同時に、錐状体機能を促し、第一次暗順応(初期暗順応)をも促進いたします。

▼網膜代謝促進作用▼
ヘレニエンの加水分解物は網膜酸素消費量および解糖作用を亢進することが明らかにされております。また、網膜の黄斑中心窩および色素上皮細胞にはヘレニエンと構造のきわめて類似したキサントフィルが存在し、酸素運搬に関係しています。ヘレニエンも同様に色素上皮細胞内に取り込まれ、加水分解されたあと共役二重結合をもつ物質の特性として酸素の担体となり網膜での好気的代謝を促すと考えられております。

▼杆体細胞に対する作用(第二次暗順応作用)▼
・ヘレニエン1日20mgとビタミンAを8週間以上併用投与して網膜色素変性疾患患者15例の第二次暗順応改善効果が検討された結果、ヘレニエンの効果は著効5例、改善6例、無効4 例であった。著効例では治療により、瞳孔反応の改善、暗順応の促進、暗順応視野の拡大が認められております。

▼明暗順応のメカニズム▼
・ロドプシンは、G蛋白共役型受容体でcGMP産生と関連しcGMPの増加がNaチャネルの開と関連し「Naイオン」の流入により電位依存性Caチャネルが開閉し、伝達物質を神経末端から放出して光の存在を脳神経に伝達しています。
・光が当っていない状態ではNaチャネルが開いた状態になっており、そのため静止電位より脱分極の状態になっており、その結果、電位依存性Caチャネルが開きCaイオンによりシナプス部に情報が伝えられ、伝達物質は放出されます。
・この情報は双極細胞ヘ伝えられ、中枢に光が当たっていないという情報が送られます。これが暗順応となります。
・光がロドプシン内に届くとcis型レチナールの構造が変化し、trans型となり細胞質内に流出し、その結果ロドプシンと関連するG蛋白がトランスデューシンを介してcGMPを減少する方向に働き、Naチャネルが閉じて細胞は静止電位の方に振れ、電位依存性Caチャネルが閉じ、Caイオンの流入が止まり、そのため伝達物質の放出が停止する。こうして光が当たったという情報が中枢に送られる。これが光を感じる仕組みとなっております。

▼網膜色素変性症の原因と症状▼
・網膜色素変性症は、網膜 色素 変性 症は目の内側にあって、網膜という部分に異常をきたす遺伝性、進行性の病気となります。
・網膜は光を神経の信号に変える作用があり、信号は視神経から脳へ伝達されることで、光を感じることが可能となります。網膜は様々なな細胞が存在しており、それぞれ重要な働きがあり、網膜色素変性症は、この中にある「視細胞」が最初に障害されます。
・視細胞は目に入ってきた光に最初に反応し、光の刺激を神経の刺激します。視細胞に、大きく分けて2つの種類の細胞があります。一つは網膜の中心部以外に多く分布している「杆体細胞」で、この細胞は主に暗いところでの物の見え方や視野の広さなどに関係した働きをします。もうひとつは「錐体細胞」でこれは網膜の中心部である「黄斑」に多く分布し、視力や色覚などに関与しております。この二種類の細胞の内、杆体が障害されることが多く、これにより暗いところで物が見えにくくなったり、視野が狭くなったりするような症状が最初にあらわれ、進行とともに視力が低下してしまします。また、原因となる遺伝子異常は種類が多く、遺伝子異常に対応した網膜色素変性症の型があるため症状の種類も多くなっております。
・症状として最も一般的な初発症状は、暗いところでの見え方が悪くなる(夜盲)ことです。最初に、視野が狭くなっている(視野 狭窄 )ことに気がつき、人にぶつかりやすくなったり、車の運転で支障がでるといったことが気づくきっかけになります。原則として進行性の病気ですが、症状の進行のはやさには個人差はございます。

使用方法

・1回5mg1日2~4回経口投与すること
※年齢・症状により適宜増減すること

副作用

主な副作用
ヘレニエンには、副作用が起こる可能性があります。
ヘレニエンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

羞明、光視症、下痢、軟便、全身倦怠感、頭部圧迫感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ヘレニエンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方アダプチノールは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼アダプチノールの有効成分
ヘレニエン
▼代表薬の添加物
ヒドロキノン、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、乳糖水和物、ブドウ糖水和物、精製白糖、小麦粉、ゼラチン、モンタン酸エステルワックス、タルク、赤色102号アルミニウムレーキ

使用に注意が必要な方
・高齢者

上記にあてはまる方は、ヘレニエンを使用する事が出来ない可能性があります。
ヘレニエンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
この病気にはどのような治療法がありますか?

ヘレニエン製剤(βカロテンの一種)のほかには、遮光眼鏡(通常のサングラスとは異なるレンズ)の使用、ビタミンA内服、循環改善薬による治療、低視力者用に開発された各種補助器具の使用などが行われています。

網膜色素変性症でヘレニエンの服用と合わせて効果があることはなんですか?

ビタミンA(あるいはカロテン)をたっぷり含む食物や野菜ジュースが効果があると言われております。ビタミンAは内服で過剰に摂取すると蓄積して副作用が出ますが、野菜から取るものは蓄積しません。その他のビタミンや栄養も食物から取ることも治療の一つと考えられております。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。