成分名 |
アプラクロニジン塩酸塩 |
適応症状 |
アルゴンレーザーを使用して行う目の手術もしくはNd-ヤグレーザーを使用して行う目の手術後に生じる眼圧の上昇防止にたいして適応症を持ちます。 |
簡易説明 |
アプラクロニジン塩酸塩はレーザー術後眼圧上昇防止剤と呼ばれる点眼薬になります。レーザー手術後に起きる一過性の眼圧上昇を防止する目的で投与されます。主に線維柱帯形成術や虹彩切開術、また後嚢切開術などに用いられます。作用機序はα2選択性α受容体刺激薬であり、投与する事によって房水流量の減少、つまり眼の中の液の産生を最大35%減少させることによって眼圧を下げます。 |
処方可能な診療科目 |
眼科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
■病院で処方してもらう時の費用目安
診察料などの目安 :約10,000円~
薬代1個あたりの目安:1個約660円/(薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1998年12月25日製造販売承認、1999年2月19日薬価基準収載、1999年4月14日販売開始になりました。その後販売名変更に伴い、2007年3月22日再度製造販売承認され、2007年6月15日に薬価基準収載となりました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
アイオピジンUD点眼液1%【製薬メーカー:ノバルティスファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
米国ではNovartis(販売企業)がIOPIDINE 1%(販売名)を1987年12月承認され発売しております。また英国ではNovartis(販売企業)がIOPIDINE 1%(販売名)を1993年3月承認され発売しております。
2021年11月現在、アイオピジンUD点眼薬1%は、欧米、中近東、アジア、オセアニア諸国で広く発売されております。 |
効果・作用 |
アプラクロニジン塩酸塩はアルゴンレーザーを使用して行う目の手術もしくはNd-ヤグレーザーを使用して行う目の手術後に生じる眼圧の上昇防止にたいして効果のある医薬品になります。
その作用機序は、眼部交感神経α受容体に作用する事で生じます。主に、毛様体上皮細胞におけるα受容体、特にα2受容体の選択的刺激作用により、房水産生抑制作用により眼圧の低下をもたらします。
健康成人に使用した場合に、投与4時間後の眼房水流量の低下が確認されており、眼圧降下における作用機序は、房水産生の抑制によることが示唆されております。
これらを裏付ける試験として眼圧降下作用において、健康成人に使用した場合では、瞳孔径に影響を及ぼすことなく眼圧を低下させました。また外国での臨床試験の結果、眼圧は点眼1時間以内に急速に低下し、最大下降は3~5時間後に見られ、20%以上の眼圧降下作用は12時間にも及んだとされております。
また、α受容体作動作用としてはラットを用いた試験において動脈の収縮及び初期血圧の上昇が認められております。また、リガンド結合試験結果よりα2受容体に特異的に強い親和性を示す事も認められております。
緑内障が進行して視野が欠けるといかなる手段によっても視野は元には戻りません。緑内障の治療は病気の進行を食い止めるため、眼圧を低くコントロールする事が最も大切です。治療法としては薬物療法、レーザー治療や手術が一般的です。
1)薬物療法
眼圧を下げる点眼薬には房水の産生を抑えるものと、流出を促進するものがあります。疾患の状態に応じて作用機序の異なる点眼薬を数種類かけ合わせて使用する事もあります。主なものとしてプロスタグランジン関連薬(キサラタン・タプロス・トラバタンズ・ルミガン)、β遮断薬(チモプトール・ミケラン)、炭酸脱水素酵素阻害薬(トルソプト・エイゾプト)、α2作動薬(アイファガン)、ROCK阻害薬(グラナテック)、EP2受容体作動薬(エイベリス)などがあります。治療方針としては一般的に眼圧下降効果が最も強いPG関連薬を最初に使用する事が多いようです。
2)レーザー手術
1つは急性緑内障発作を起こした場合や、発作を起こす可能性のある場合にレーザー光線で虹彩の根部に小さな穴を開けて、新たに房水の通り道を作る方法があります。もう1つは房水の出口である線維柱帯にレーザー光線を照射して房水が外に流れ出る抵抗を減少させて眼圧を下げる方法があります。アプラクロニジン塩酸塩はこのレーザー手術時において使用されます。
また、白内障手術では、水晶体の混濁した中身だけを吸引し、残したカプセルに人工レンズを挿入しています。このカプセルの後面が時間とともに混濁した状態を後発白内障と呼び、白内障のような視力低下の原因となります。
後嚢切開術はレーザー光線を用いて混濁したカプセルだけを切開する手術です。この場合も同様にアプラクロニジン塩酸塩を緑内障予防の為使用します。 |
使用方法 |
レーザー照射1時間前と照射直後に点眼します。 |
副作用 |
眼、循環器、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)眼
角膜炎・角膜びらん等の角膜障害(1%未満)
散瞳、眼瞼後退、充血、炎症、結膜蒼白、眼部不快感(頻度不明)
2)循環器
血圧上昇、心拍数以上(頻度不明)
3)その他
頭痛(1%未満)
鼻乾燥感(頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤の成分又はクロニジンに対し過敏症の既往歴のある患者
■アプラクロニジン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アイオピジンUD点眼液1%はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アイオピジンUD点眼液1%の有効成分
アプラクロニジン塩酸塩
▼代表薬の添加物
・酢酸ナトリウム水和物、等張化剤、pH調整剤2成分
2)モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けている患者
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①重篤な心血管系疾患のある患者
動物実験において心拍数の減少が認められており、症状が悪化する恐れがある為使用に注意が必要です。
②不安定な高血圧症の患者
動物実験において投与直後の血圧の上昇とそれに続く血圧低下が認められており、症状が悪化する恐れがある為使用には注意が必要です。
③血管迷走神経発作の既往歴のある患者
発作を誘発する恐れがある為使用には注意が必要です。
2)妊婦
動物実験において経口投与により胎児に影響があったことが報告されており使用には注意が必要です。
3)授乳婦
ヒト母乳中へ移行するかどうかは不明な為使用には注意が必要です。
4)小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施しておりません。
5)高齢者
高齢者は一般的に生理機能が低下している為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、アプラクロニジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アプラクロニジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 1)モノアミン酸化酵素阻害剤
アプラクロニジン塩酸塩は直接的な血管収縮作用を有します。ノルアドレナリンの代謝を抑制する薬剤を併用する事によって、過度の血管収縮それに伴う急激な血圧上昇を起こす恐れがある為併用できません。
併用禁忌薬のモノアミン酸化酵素阻害剤を除けば相互作用を気にすることは特にありません。現時点において多剤服用している方でも安心して使用する事が可能です。通常、レーザー手術時に医師によって使用される目薬である為必ず指示された使用方法に従うようにしましょう。 現在、薬を服用していて併用に不安がある場合は、併用可能かどうか医師に相談してください。 |
アプラクロニジン塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【ノバルティス ファーマ株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】 |
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