成分名 |
リパスジル塩酸塩水和物 |
適応症状 |
次の疾患おいて他の緑内障治療薬が効果不十分または使用できない場合
・高眼圧症、緑内障
※β遮断薬やプロスタグランジン関連薬など、その他の緑内障治療薬で効果が不十分であった、または副作用などでそれらの成分を使用できない場合に限ってリパスジル塩酸塩水和物の使用を検討してください。
※急性閉塞隅角緑内障に対してリパスジル塩酸塩水和物を使用する場合には、本成分を用いた薬物療法以外で、手術療法なども考慮する必要がありますので医師とよく相談しましょう。 |
簡易説明 |
リパスジル塩酸塩水和物は高眼圧症や緑内障の治療に用いられる薬剤であり、眼球内の房水の流れが滞ってしまっておこる眼圧上昇を改善する効果があります。具体的には、リパスジル塩酸塩水和物はRhoキナーゼと呼ばれる酵素をブロックする成分です。リパスジル塩酸塩水和物を点眼することで、房水の排出部位における細胞収縮を抑制し、眼球内の房水の流れが促進し、眼圧が下がるという流れが加速します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/眼科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1mlあたりの目安:0.4%約449円
薬代後発薬1mlの目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2014年12月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません |
関連製品(先発薬) |
グラナテック点眼液0.4%(興和株式会社) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません |
効果・作用 |
リパスジル塩酸塩水和物は高眼圧症や緑内障の治療に用いられる薬剤であり、眼球内の房水の流れが滞ってしまっておこる眼圧上昇を改善する効果があります(ぶどう膜強膜流量および房水産生量には影響しません)。
緑内障の起こるメカニズムには様々ありますが、眼内の房水が正常に循環しなくなることによって起こる緑内障にはRhoキナーゼと呼ばれる細胞内のシグナル伝達経路に関与する酵素の一つが関係しています。Rhoキナーゼは細胞骨格の形成や細胞増殖、分化、移動などに関して重要な役割を持っていて緑内障の発症、進行メカニズムにも影響を与えているということが知られています。
具体的には、緑内障は、眼圧の上昇によって視神経が損傷を受け、視力障害が進行する病気ですが、Rhoキナーゼは、眼球内の房水の流れを制御する重要な因子であり、房水の排出部位における細胞の収縮を引き起こすことで眼圧を上昇させます。また、Rhoキナーゼは網膜神経節細胞においても神経細胞死を引き起こし、緑内障の進行に関与していることが報告されています。
以上のことからRhoキナーゼをブロックすることは、緑内障の進行を抑制するうえで重要なメカニズムであり効果が期待されるわけですが、リパスジル塩酸塩水和物はそのRhoキナーゼをブロックする成分です。特にRhoキナーゼのアイソフォームであるヒトROCK-1およびROCK-2に対して選択的な阻害作用を示します。リパスジル塩酸塩水和物を点眼することで、房水の排出部位における細胞収縮を抑制し、眼球内の房水の流れが促進し、眼圧が下がるという流れが加速します。
なおRhoキナーゼのブロックによって網膜神経節細胞の神経細胞死を防ぐことができるため、緑内障だけでなく、網膜症や加齢黄斑変性などのさまざまな眼疾患にも有効である可能性が示唆されています。 |
使用方法 |
1日2回点眼してください。なお1回1滴の使用で問題ありません。
※使用にあたっては以下の点に十分注意してください。
・汚染防止のため、点眼する際は容器の先端が目に直接触れてしまわないように注意してください。
・点眼する際は、原則として仰向けになって横たわり、症状のある眼を開き結膜嚢内に点眼します。1〜5分間まぶたをとじたままにして涙嚢部(眼から流れ出た涙が流れ込む小さな袋状の器官で鼻へとつながっている)を圧迫させた後でまぶたを開いてください。
・その他の点眼剤を併用する場合には、最低でも5分以上の間隔をあけてから点眼してください。 |
副作用 |
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・眼:眼刺激、結膜炎、(アレルギー性結膜炎を含む)、霧視、結膜充血、眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)、角膜上皮障害(角膜びらん、点状角膜炎など)、眼の異常感、眼のかゆみ、眼の痛み、結膜濾胞、眼圧上昇、眼瞼浮腫、眼脂
・過敏症:紅斑、発疹、接触性皮膚炎
※通常のケースでは点眼時に一時的に症状が現れますが、症状が持続している場合には注意してください。
※長期での使用において、眼瞼炎やアレルギー性結膜炎が現れる確率が高くなるというデータがあります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・リパスジル塩酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、グラナテック点眼液0.4%はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼グラナテック点眼液0.4%の有効成分
リパスジル塩酸塩水和物
▼代表薬の添加物
無水リン酸二水素Na、グリセリン、水酸化Na、濃ベンザルコニウム塩化物液50
・リパスジル塩酸塩水和物に対して過敏症の経験のある方
使用に注意が必要な方 ・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物実験(ラット):リパスジル塩酸塩水和物を口から服用した実験においては、成分が乳汁中へ移行したというデータがあります。
・小児
※小児などを対象としている、有効性および安全性を指標とした臨床試験が実施されていません。
上記にあてはまる方は、リパスジル塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 リパスジル塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
リパスジル塩酸塩水和物に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
グラナテック 【グラナテック 添付文書】 |
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