硝酸銀

成分名

硝酸銀

適応症状

新生児膿漏眼の予防

簡易説明

淋菌による新生児の結膜炎を予防するときに点眼薬として使用されます。分娩時、女性の子宮頸管や腟に淋菌がいると、そこを通って生まれてくる新生児の眼に淋菌が感染し、ひどくなると淋菌による淋菌性膿漏眼をおこし失明に至ることがあります。1880年にドイツの産婦人科医クレーデKarl S.F.Credé(1819‐92)が、出生した新生児の両眼に2%の硝酸銀液を点眼することで淋菌性膿漏眼を防止する【クレーデ法】を考案し、非常に有効であったことから、世界各国で行われるようになりました。最近は抗生物質の点眼薬を代用することが多いです。

処方可能な診療科目

内科/眼科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1原末あたりの目安:1mg約185.2円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 1956年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

硝酸銀「ホエイ」【製薬メーカー:マイラン製薬】
硝酸銀「VTRS」原末【製薬メーカー:マイランEPD】
硝酸銀「ファイザー」原末【製薬メーカー:マイラン製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

細菌を殺菌する目薬に使用されます。出産時、赤ちゃんが産道を通るとき、目に細菌が入ることがあります。淋菌による新生児淋菌性結膜炎(新生児膿漏眼)は、放置すると失明する可能性があります。硝酸銀は、赤ちゃんの目の感染症を予防するのに用います。クレーデ法を使い、出産後すぐに点眼することになっています。

▼薬効病理
硝酸銀の濃厚溶液は、強い表在性の腐食作用を示し、希薄液は収れん作用をあらわします。強い殺菌作用があり、1:4000液は、チフス菌を2時間以内に殺し、1:10000液は、高抵抗性炭疽芽胞を48時間で殺します。また、1:30000液でも防腐作用があります。AG+は、CLにより容易に沈殿を生じ作用を消失します。有機銀化合物と異なり、適用部位で組織たん白を凝固沈殿させるので、その作用は表在性です。ヒトに対しては、眼及び皮膚への重度の刺激性をしめし、高濃度では眼に薬傷を起します。慢性的な影響としては銀皮症、運動失調、視力低下、腎障害などが見られます。実験動物に投与した場合、急性毒性は非常に強く、神経系の影響が認められています。変異原性は認められますが、発がん性は明らかではなく、生殖・発生毒性の報告はありません。

▼クレーデ点眼とは
新生児淋菌性(りんきんせい)膿漏眼(のうろうがん)の予防のため、分娩(ぶんべん)後に1%の硝酸銀液1滴を点眼する方法のことです。1880年ドイツの産婦人科医クレーデが考案し、この疾患による失明患児数を激減させたため、全世界に普及しました。

▼新生児膿漏眼とは
母親が風眼や淋病などに感染している新生児が母親の産道を通る際に眼に感染し、出生の直後から強い症状が現れる病気で、膿性の目やにが多量にでる急性結膜炎で、新生児が失明にいたる恐れがあります。生後1~3日以内に、両目に強い結膜充血、浮腫、眼瞼腫腸が起こり、クリーム状の濃い眼脂が出てきます。重症化してしまうと、角膜に孔があいてしまうなど、失明の危険性があります。

▼硝酸銀の使用用途
新生児の治療対策として「点眼薬」「口内炎」「歯頸部知覚過敏症」などに使用されています。他には、写真工業分野では感光材料の「臭化銀製造の原料」、化学分野では「分析試薬」「一般試薬」、または「銀めっき」「銀鏡の製造原料」「各種銀塩の製造」など広い分野で使用されています。

使用方法

本剤はクレーデ法により点眼してください。
新生児に対し、1~2%点眼液を点眼後、生理食塩液で洗浄してください。

≪取り扱い注意≫
硝酸銀は、銀の硝酸塩で、無色の斜方晶系板状結晶です。劇薬のため、取り扱いには注意が必要です。また、密栓し、遮光して保存する必要があります。消防法では「危険物第一類」に、毒物及び劇物取締法では「劇物」に、そして、労働安全衛生法では「名称等を表示すべき危険物及び有害物」「名称等を通知すべき危険物及び有害物」に指定されています。さらに、化学物質排出把握管理促進法では、「第1種種定化学物質」に指定されており、硝酸銀の取り扱いには、注意が必要です。

副作用

副作用は現在報告されていません。

※何か異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方、使用出来ない方は現在報告されていません。

※何か異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

硝酸銀に関する
よくある質問
使用するときの注意点はありますか。

分解しやすいので調製液は使いすてとすること。

添付文書硝酸銀「VTRS」原末

【上記引用元:マイランEPD合同会社】

多く点眼してしまった場合どうなりますか。

〈参考〉中毒(症状、解毒剤、治療法):化学性結膜炎(眼瞼浮腫、結膜の分泌増加、充血等の症状)、また、角膜混濁、角膜の銀による着色、そして重篤な場合には角膜の腐食及び失明。予防:点眼後、生理食塩液で洗浄すること。

インタビューフォーム硝酸銀「ファイザー」原末

【上記引用元:マイラン製薬株式会社】

参考元一覧

添付文書硝酸銀「VTRS」原末【マイランEPD合同会社】
インタビューフォーム硝酸銀「ファイザー」原末【マイラン製薬株式会社】

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