精製ヒアルロン酸ナトリウム

成分名

精製ヒアルロン酸ナトリウム

適応症状

角結膜上皮障害(シェーグレン症候群/スティーブンス・ジョンソン症候群/眼球乾燥症候群「ドライアイ」等の内因性疾患、術後/薬剤性/外傷/コンタクトレンズ装用等による外因性疾患)

簡易説明

涙の不安定さなどからくる「目の疲れ」「目の乾き」「目のかすみ」に効く目薬です。
目の表面を保護し、傷が治るのを助けてくれます。また、涙液の量と質を安定化させ、目の乾燥を防いでくれます。
ドライアイなどで角膜や結膜が傷ついているときに、良く用いられます。傷がひどいときは、防腐剤の入っていない使い捨てタイプの点眼薬が使われることもあります。

処方可能な診療科目

眼科/内科/皮膚科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~3,000円(保険により3割負担の場合)
薬代1瓶あたりの目安:0.1%約294.1円/0.3%約421.6円(薬価)
薬代後発薬1瓶の目安:0.1%約115.2円/0.3%約143.8円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1995年6月販売開始(ヒアレイン点眼液)

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ヒアレイン点眼液0.1%/0.3% 5mL【製薬メーカー:参天製薬】
ヒアレインミニ点眼液0.1%/0.3% 0.4mL【製薬メーカー:参天製薬】

関連製品(ジェネリック)

ヒアルロン酸Na点眼液0.1%/0.3% 5mL(日本ジェネリック/キョーリンリメディオ/科研製薬/東亜薬品/わかもと製薬/千寿製薬/日新製薬/ファイザー)
ヒアルロン酸ナトリウム点眼液0.1%/0.3% 5mL(テイカ製薬/東和薬品/ロートニッテンファーマ)
ヒアルロン酸ナトリウムPF点眼液0.1% 5mL(ロートニッテン)

※精製ヒアルロン酸ナトリウムを主成分とする薬剤は、点眼液以外に眼粘弾剤などもありますが、本記事では点眼液のみを扱うこととします。

効果・作用

目の荒れを治す目薬です。目の乾燥を防ぐ働きもします。

まばたきの減少やコンタクトレンズの装用などにより、涙が蒸発しやすく不安定になると、目の乾きのほか、ものがかすんだように見えづらくなります。さらに「目の疲れ」などの不快な症状を引き起こすことがあります。ヒアルロン酸ナトリウムは高い保水機能をもっているため、目にうるおいを与え「目の疲れ」「目の乾き」「目のかすみ」などの不快な症状を改善します。

作用機序としては、ヒアルロン酸ナトリウムはフィブロネクチンと結合し、その作用を介して上皮細胞の接着、伸展を促進すると考えられます。また、その分子内に多数の水分子を保持することによって、優れた保水性を示します。

現代社会では、コンタクトレンズの使用や、パソコン、ゲームなどモニターを見る機会がきわめて多くなっています。そのため、涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の組成が変化したりすることによって、目の表面を潤す力が低下して目が乾いてしまう症状を持つ人が増えています。

目の乾きの症状を緩和する人工涙液(目薬)は、本剤が出るまでは、涙の成分と同じ塩化ナトリウム、塩化カリウムの他に、アスパラギン酸カリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有するものだけが一般用医薬品として市販されていました。そこに、目の表面を保護し、涙液を安定化させることで目の乾きを防ぐ効果のあるヒアルロン酸ナトリウム製剤が加わったことで、新たな選択肢が一つ増えました。日々多忙でかつ酷使する目のケアを滞りがちな一般国民のセルフメディケーションの一助として、その有用性は高いと考えられています。

使用方法

1回1滴、1日5~6回点眼し、症状により適宜増減して下さい。なお、通常は0.1%製剤を投与し、重症疾患等で効果不十分の場合には、0.3%製剤を投与するようにして下さい。

※使用上の注意事項
・点眼用にのみ使用して下さい。
・薬液汚染防止のため、点眼の際、容器の先端が直接目に触れないように注意するよう指導して下さい。
・他の点眼薬と併用しているときは、5分間以上の間隔をあけて点眼してください。
・ソフトコンタクトレンズを装用したまま使用しないよう指導して下さい。

副作用

その他の副作用
眼瞼炎/眼瞼皮膚炎/そう痒感/刺激感/結膜炎/結膜充血/びまん性表層/角膜炎等の角膜障害/異物感/眼脂/眼痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■精製ヒアルロン酸ナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(ヒアレイン点眼液0.1%の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ヒアレイン点眼液0.1%の有効成分
・精製ヒアルロン酸ナトリウム
▼ヒアレイン点眼液0.1%の添加物
・イプシロン-アミノカプロン酸
・エデト酸ナトリウム水和物
・プロピレングリコール
・塩化ナトリウム
・クロルヘキシジングルコン酸塩液
・pH調節剤

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ヒアレインとヒアレインミニは、容量が違うだけなのでしょうか。他に違いはありますか。

違いは、容量だけではありません。防腐剤の有無があります。ヒアレインミニは防腐剤が入っていません。一般的には、防腐剤アレルギーや重症ドライアイの場合には、ヒアレインミニを使用します。また、コストはミニのほうが少し高いです。あとは、ほぼかわりません。

ヒアルロン酸ナトリウムPF点眼液の、PFとは何を意味しますでしょうか。PFがついていないものとの違いは何でしょうか。

.PFは、Preservative Free(防腐剤無添加)の頭文字です。目薬は、開封後もくり返し使用されることから、細菌などの微生物による二次汚染防止の目的で、通常は防腐剤が添加されています。しかし防腐剤の細胞毒性による角膜上皮障害、あるいはアレルギー反応による接触性皮膚炎などが問題になることがあります。その場合に、防腐剤無添加のものが使われます。また、PF点眼液は、防腐剤が無添加である以外に、PFデラミ容器という容器が使われています。これは、「一般的な5mL点眼瓶と同じ使用感で、防腐剤を含まない点眼液を提供できる点眼容器」というコンセプトのもと開発が進められた特殊なものです。「デラミ」とはdelamination(層間剥離)の略で、容器の構造上の特徴をあらわしています。PFデラミ容器は内袋と外層の二層構造になっており、滴下した薬液の体積分だけ内袋が縮み、外層と剥離します。そして、ノズルの内側に0.22μmメンブランフィルターを取りつけることで、防腐剤無添加でありながら開封後の微生物汚染を防いでいます。

ソフトコンタクトレンズ使用時には使ってはダメと書かれていますが、使い捨て(ワンデー)でもダメでしょうか。

1日で使い捨てるタイプのレンズなら、使っても大丈夫と言われています。ただし、医師・薬剤師によって判断が異なる場合があるようです。常用ソフトコンタクトレンズは、防腐剤が入っているタイプのものは使用不可です。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。