ドルゾラミド塩酸塩

成分名

ドルゾラミド塩酸塩

適応症状

高眼圧症、緑内障

簡易説明

ドルゾラミド塩酸塩は、炭酸脱水酵素の阻害剤です。炭酸脱水酵素を阻害する作用によって房水の産生を減らすことにより、眼圧を下げます。点眼薬として、開放隅角緑内障および高眼圧症で上昇する眼圧を低下させるお薬です。通常、緑内障、高眼圧症の治療に用いられます。
緑内障、高眼圧症の内、他の緑内障治療薬で効果不十分な場合にチモロール等と併用されます。

処方可能な診療科目

眼科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:
先発薬点眼液0.5% 148.1円/ ml
先発薬点眼液1%   195.2円/ml
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1999年5月【発売開始年月日】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

トルソプト点眼液0.5% 【製薬メーカー:参天製薬】
トルソプト点眼液1% 【製薬メーカー:参天製薬】
ドルゾラミド塩酸塩とチモロールマレイン酸塩の配合剤として
コソプト配合点眼液  【製薬メーカー:参天製薬】
コソプトミニ配合点眼液【製薬メーカー:参天製薬】

関連製品(ジェネリック)

ドルゾラミド塩酸塩の単品のジェネリックはありません。
ドルゾラミド塩酸塩とチモロールマレイン酸塩の配合剤として
ドルモロール配合点眼液「TS」「わかもと」「センジュ」「ニットー」「日点」

効果・作用

ドルゾラミド塩酸塩は、炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)に分類される緑内障治療薬です。
緑内障では、眼の圧力(眼圧)が高くなり、視野が狭くなるなどにより目がみえづらくなるのを防ぎます。

眼圧が高くなる要素として、眼球を満たしている眼房水があります。この体液が多くなると眼圧が高くなり、緑内障が悪化します。眼房水の産生には炭酸脱水酵素というものが大きく関わっており、この酵素の働きなどによって眼房水が産生されます。
ドルゾラミド塩酸塩は、眼の毛様体中の炭酸脱水酵素の作用を抑制し、眼房水の産生を減少させることで眼圧を下げる作用などをあらわします。
炭酸脱水酵素阻害薬とβ遮断薬を併用するとより高い効果が得られます。

同類の飲み薬が昔から使われていますが、様々な副作用がでやすく飲み続けることが困難な場合があります。そこで、全身的な副作用の心配がなく、長期維持療法に適する外用点眼剤としてこの薬が開発されました。
治療効果では、標準薬であるβ遮断薬やプロスタグランジン関連薬と比べやや劣ります。このため、標準薬が副作用で使えないときに第二選択されたり、眼圧下降効果を高めるために他の点眼薬と併用することが多いです。

■開発
トルソプト点眼液は、分子構造に基づく医薬品設計の手法で1995年に開発されました。また、経口投与薬であるアセタゾラミドの全身性の副作用を回避することを目的に開発されました。

■炭酸脱水酵素阻害薬
トルソプト
エイゾプト
ダイアモックス

■緑内障とは
緑内障は眼圧の上昇や眼の循環障害により視神経障害が生じる疾患であり、通常は眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制します。
主に、「開放隅角緑内障」「閉塞隅角緑内障」「正常眼圧緑内障」の3つに大別されます。この3つのうち「開放隅角緑内障」と「正常眼圧緑内障」は虹彩と角膜の間の隅角が広いタイプであり、「閉塞隅角緑内障」は隅角が狭いタイプです。瞳孔が開くと虹彩が縮んで厚くなり、隅角が狭くなるため、もともと隅角が狭いタイプの「閉塞隅角緑内障」の場合では、虹彩と角膜がくっついて隅角が閉じて眼圧が急上昇し、「急性閉塞隅角緑内障」を引き起こすことがあります。
「開放隅角緑内障」は、隅角とは関係なく、房水の排水口が詰まってしまうタイプです。慢性に推移し、自覚症状があまりなく、視野異常にも気づきにくくなります。自覚したときには、相当に進行していることが多いです。
また、最近の調査では緑内障の約6割が「正常眼圧緑内障」であることが分かりました。
眼圧は正常範囲なのに緑内障になってしまいます。視神経が耐えられる眼圧には個人差があり、人によって大きく異なります。もともと視神経が弱いなど、必ずしも高い眼圧だけが緑内障の要因ともいえません。治療としては、開放隅角緑内障に準じ、眼圧をさらに低めにコントロールするようになります。

使用方法

通常、0.5%製剤を1回1滴、1日3回点眼する。
なお、十分な効果が得られない場合は、1%製剤を用いて1回1滴、1日3回点眼する。
他の点眼液も使う場合は、5分以上間隔をあけてください。
ソフトコンタクトレンズをつけている場合には、レンズを外してから点眼し、5~10分間の間隔をあけてからレンズをつけてください。
点眼し忘れた場合は、気がついたとき、すぐに1回分を点眼してください。ただし、次に点眼する時間が近い場合には点眼せず、次の通常の時間に1回分を点眼してください。2回分を一度に点眼してはいけません。
誤って多く点眼した場合は、医師または薬剤師に相談してください。
医師の指示なしに、点眼するのを止めないでください
薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄方法がわからない場合は受け取った薬局や医療機関に相談してください。他の人に渡さないでください。

副作用

主な副作用
眼がしみる/流涙/眼疼痛/眼異物感/眼そう痒感/眼刺激症状/結膜充血/眼のかすみ/眼瞼炎/結膜炎/結膜浮腫

重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群/Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死融解症/Toxic Epidermal Necrolysis/TEN

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
羞明/白色の結膜下沈着物/頭痛/悪心/苦味/角膜炎/角膜びらん/角膜障害/四肢のしびれ /浮動性めまい

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ドルゾラミド塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ドルゾラミド塩酸塩(トルソプト点眼液0.5%の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼トルソプト点眼液0.5%の有効成分
1mL中ドルゾラミド塩酸塩5.57mg
(ドルゾラミドとして5mg)
▼トルソプト点眼液0.5%の添加物
クエン酸ナトリウム水和物/ベンザルコニウム塩化物液/ヒドロキシエチルセルロース/D-マンニトール/pH調節剤

■その他に使用できない方
・過敏症
・重篤な腎障害

相対禁止
・妊婦・産婦

使用に注意が必要な方
・肝機能障害
・急性閉塞隅角緑内障
・眼内手術
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、ドルゾラミド塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ドルゾラミド塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
・炭酸脱水酵素阻害剤(全身投与):アセタゾラミド
・アスピリン (大量)

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
トルソプトと他の目薬も使ってるのですが、さす順番とかはありますか?

目薬を複数さす際の順番は、水溶性点眼薬→懸濁性点眼薬→油性点眼薬→ゲル化する点眼薬・眼軟膏になります。
トルソプトをさす場合は、5分程度、間隔をあけるようにしましょう。
順番には例外もあります。医師から指示がある場合もありますので、詳しくは医師、薬剤師に確認してください。

この点眼液をさすと、しみて痛いのですがこのまま我慢して続けた方がいいのでしょうか?

ドルゾラミド塩酸塩配合の点眼液が酸性にかたむいてるので、沁みることが多いです。 沁みるのは眼の表面にキズがあるなどの場合もあります。どうしても痛くて我慢できないなら中止するしかありません。その場合は担当の医師にご相談ください。自己判断での中断はおやめください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。