セフメノキシム塩酸塩

成分名

セフメノキシム塩酸塩

適応症状

■点眼用
セフメノキシムに感性のブドウ球菌属/レンサ球菌属/肺炎球菌/モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)/セラチア・マルセスセンス/プロテウス属/モルガネラ・モルガニー/プロビデンシア属/インフルエンザ菌/ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)/緑膿菌/アクネ菌
■耳鼻科用
セフメノキシムに感性のブドウ球菌属/レンサ球菌属/肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス/プロテウス属/モルガネラ・モルガニー/プロビデンシア属/インフルエンザ菌/緑膿菌/ペプトストレプトコッカス属
■静注用
セフメノキシムに感性のレンサ球菌属/肺炎球菌/大腸菌/シトロバクター属/クレブシエラ属/エンテロバクター属/セラチア属/プロテウス属/モルガネラ・モルガニー/プロビデンシア属/インフルエンザ菌/ペプトストレプトコッカス属/バクテロイデス属
<適応症>
■点眼用
眼瞼炎/涙嚢炎/麦粒腫/結膜炎/瞼板腺炎/角膜炎(角膜潰瘍を含む)/眼科周術期の無菌化療法
■耳鼻科用
外耳炎/中耳炎/副鼻腔炎(ただし、ネブライザーを用いた噴霧吸入においては中鼻道閉塞が高度の症例を除く)
■静注用
敗血症
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
急性気管支炎/肺炎/肺膿瘍/膿胸/慢性呼吸器病変の二次感染
膀胱炎/腎盂腎炎
腹膜炎
胆嚢炎/胆管炎/肝膿瘍
バルトリン腺炎/子宮内感染/子宮付属器炎/子宮旁結合織炎
化膿性髄膜炎

簡易説明

細菌を殺菌するお薬です。細菌による耳や鼻の病気に用います。
セフェム系の抗生物質です。細菌の細胞壁の合成を阻害することで、殺菌的に作用します。ブドウ球菌や肺炎球菌などのグラム陽性菌のほか、インフルエンザ菌、緑膿菌などによる中耳炎、外耳炎及び副鼻腔炎の耳鼻感染症にすぐれた効果を示すことが認められています。

処方可能な診療科目

眼科/耳鼻科/耳鼻咽喉科/婦人科/外科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~5000円程度
新薬点眼用0.5% 54.8円/mL(薬価)
新薬耳鼻科用1% 92.7円/mL(薬価)
新薬静注用0.5g 742円/瓶(薬価)
新薬静注用1g 1174円/瓶(薬価)
新薬筋注用0.5g 737円/瓶(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1988年2月 【発売開始年月日】

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

ベストロン点眼用0.5% 【製薬メーカー:千寿製薬】
ベストロン耳鼻科用1% 【製薬メーカー:千寿製薬】
ベストコール静注用0.5g 【製薬メーカー:武田テバ薬品】
ベストコール静注用1g 【製薬メーカー:武田テバ薬品】
ベストコール筋注用0.5g 【製薬メーカー:武田テバ薬品】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

セフメノキシム塩酸塩は、グラム陽性・グラム陰性の好気性菌及び嫌気性菌に広範な抗菌力を示します。またβ-lactamaseに対し安定であるので、β-lactamase産生菌にも強い抗菌力を示します。 細菌細胞壁の合成阻害です。
また、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、プロテウス属、インフルエンザ菌、緑膿菌、ペプトストレプトコッカス属に抗菌力を示し、その作用は殺菌的です。

「ベストロン点眼用」は武田薬品工業株式会社で創製されたセフェム系抗生物質7-aminocephalosporanicacid(7-ACA)誘導体、セフメノキシム塩酸塩(CMX)の眼科用剤です。
本剤は、セフメノキシム塩酸塩の抗菌作用に着目した千寿製薬株式会社が、眼科領域における感染症の治療薬として開発。1987年10月に承認を得て、翌年2月に発売、1995年6月に再審査結果が通知されました。
その後、2004年9月に抗菌薬再評価結果が通知され、効能・効果(適応菌種・適応症)が見直されました。

「ベストロン耳鼻科用」は、セフェム系抗生物質7-aminocephalosporanicacid(7-ACA)誘導体、セフメノキシム塩酸塩(CMX)の耳鼻科用製剤です。中耳炎・外耳炎の感染症に対しすぐれた有用性が確認されたベストロン耳科用に、副鼻腔炎に対する効能を追加した局所外用剤です。臨床的にブドウ球菌属、レンサ球菌属、インフルエンザ菌、緑膿菌などによる中耳炎、外耳炎及び副鼻腔炎の耳鼻感染症にすぐれた効果を示すことが認められています。
本剤は中耳炎・外耳炎に対しては1987年10月に承認を得て同年12月に耳科用として発売、中耳炎・外耳炎の感染症に対しすぐれた有用性が確認され、1995年6月、再審査結果が通知されています。さらに、副鼻腔炎に対しては、1996年7月に中耳炎・外耳炎に対する効能・用法を含めた耳鼻科用製剤として新たに承認を得て、2004年3月に鼻科用の再審査結果が通知されました。その後、2004年9月に抗菌薬再評価結果が通知され、効能・効果(適応菌種・適応症)が見直されました。

使用方法

■点眼用
本剤を添付の溶解液で1mL当たりセフメノキシム塩酸塩として5mg(力価)の濃度に溶解し、通常1回1〜2滴を1日4回点眼する。
なお、症状により適宜回数を増減する。
ただし、症状に改善がみられない場合は漫然と長期間の連続投与を行わないこと。
■耳鼻科用
本剤を添付の溶解液で1mL当たりセフメノキシム塩酸塩として10mg(力価)の濃度に溶解し、次のとおり用いる。
外耳炎及び中耳炎に対しては、通常1回6〜10滴点耳し、約10分間の耳浴を1日2回行う。
副鼻腔炎に対しては、通常1回2〜4mLを隔日に1週間に3回ネブライザーを用いて噴霧吸入するか、又は1回1mLを1週間に1回上顎洞内に注入する。
なお、症状により適宜回数を増減する。
ただし、症状に改善がみられない場合は漫然と長期間の連続投与を行わないこと。
■静注用
〈成人〉
通常、セフメノキシム塩酸塩として1日1〜2g(力価)を2回に分けて静脈内に注射する。
なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて1日4g(力価)まで増量し、2〜4回に分割投与する。
〈小児〉
通常、セフメノキシム塩酸塩として1日40〜80mg(力価)/kgを3〜4回に分けて静脈内に注射する。
なお、年齢、症状に応じ、適宜増減するが、難治性又は重症感染症には1日160mg(力価)/kgまで増量し、3〜4回に分割投与するが、化膿性髄膜炎には1日200mg(力価)/kgまで増量できる。

静脈内注射に際しては、日本薬局方「注射用水」、日本薬局方「生理食塩液」又は日本薬局方「ブドウ糖注射液」に溶解して用いる。
また、成人では本剤の1回用量0.5〜2g(力価)を糖液、電解質液又はアミノ酸製剤などの補液に加えて、30分〜2時間で点滴静脈内注射を行うこともできる。
小児では上記投与量を考慮した1回用量を補液に加えて、30分〜1時間で点滴静脈内注射を行うこともできる。

副作用

主な副作用
セフメノキシム塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
セフメノキシム塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

■点眼用
結膜充血/眼刺激感/眼そう痒感/過敏症/発疹/蕁麻疹/眼瞼炎/眼瞼発赤/眼瞼腫脹
■耳鼻科用
鼻炎/鼻汁/くしゃみ/菌交代症/咳嗽/嘔吐/頭痛/嘔気/発疹/外耳道湿疹/点耳時耳痛
■静注用
蕁麻疹/貧血/下痢/発熱/好酸球増多/AST上昇/ALT上昇/過敏症/発疹/紅斑/そう痒

■セフメノキシム塩酸塩の注意すべき副作用
■点眼用
結膜充血/眼刺激感/眼そう痒感/ショック/不快感/口内異常感/喘鳴/眩暈/便意/耳鳴
■耳鼻科用
鼻炎/鼻汁/くしゃみ/菌交代症/ショック/アナフィラキシー/蕁麻疹/チアノーゼ/不快感/口内異常感
■静注用
蕁麻疹/顆粒球減少/貧血/下痢/発熱/好酸球増多/AST上昇/ALT上昇/過敏症/発疹

重大な副作用
■点眼用
ショック/不快感/口内異常感/喘鳴/眩暈/便意/耳鳴/発汗
■耳鼻科用
ショック/アナフィラキシー/蕁麻疹/チアノーゼ/不快感/口内異常感/喘鳴/眩暈/便意/耳鳴/発汗/喘息発作/呼吸困難

■静注用
顆粒球減少/溶血性貧血/痙攣/中枢神経症状/ショック/アナフィラキシー/不快感/口内異常感/眩暈/便意/耳鳴/発汗/喘鳴/呼吸困難/血管浮腫/全身潮紅/全身蕁麻疹/急性腎障害/重篤な腎障害/無顆粒球症/偽膜性大腸炎/血便/重篤な大腸炎/腹痛/頻回の下痢/咳嗽/胸部X線異常/間質性肺炎/PIE症候群/肝機能障害/黄疸
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
■点眼用
なし
■耳鼻科用
過敏症
■静注用
Al−P上昇/LDH上昇/リンパ腺腫脹/関節痛/血小板減少/γ−GTP上昇/悪心/嘔吐/食欲不振/菌交代症/口内炎/カンジダ症/ビタミンK欠乏症状/低プロトロンビン血症/出血傾向/ビタミンB群欠乏症状/舌炎/神経炎/倦怠感/ふらつき/頭痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(ベストロン点眼用0.5%の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ベストロン点眼用0.5%の有効成分
粉末:(1瓶中)セフメノキシム塩酸塩25mg(力価)

▼ベストロン点眼用0.5%の添加物
粉末:乾燥炭酸ナトリウム
溶解液(5mL):(1mL中)
エデト酸ナトリウム水和物0.2mg
パラオキシ安息香酸メチル0.26mg
パラオキシ安息香酸プロピル0.14mg
ホウ酸/リン酸水素ナトリウム水和物/リン酸二水素ナトリウム/塩化ナトリウム
添付の溶解液に溶解後:セフメノキシム塩酸塩5mg(力価)

■点眼・耳鼻用
・過敏症
■注射用
・過敏症
【相対禁止】
・妊婦・産婦

使用に注意が必要な方
■点眼・耳鼻用
【慎重投与】
・アレルギー
・過敏症
・気管支喘息
・蕁麻疹
・発疹
■注射用
【慎重投与】
・アレルギー
・過敏症
・気管支喘息
・経口摂取の不良
・高度腎障害
・蕁麻疹
・全身状態の悪い
・発疹
・非経口栄養
・高齢者
・幼児・小児

上記にあてはまる方は、セフメノキシム塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
セフメノキシム塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ベストロン点眼液を処方されたんですが、薬剤師の方にすでに混ざった状態で渡されたんですが、このまま使用するものなんですか?私はもうなにも混ぜなくていいのでしょうか。

そうですね。すでに混ぜたそのまま点眼出来る状態で渡されると思います。

ベストロン点眼液は1週間で使えなくなりますか?捨てたほうがいいですか?

そうですね。防腐剤が入ってませんので長持ちしないので、破棄してください。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。